ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。

四診概論(1)

 四診といえば、望んで、聞いて、問うて、触れてと、いわゆる望・聞・問・切の事だとは、おおよそこの業界の人であるなら、だれでもが知りえていることだと思います。

 この四診の目的は何か?

 最終的には、証を決定して補瀉に集約していく手順であることは、周知のとおりです。

 では気の医学として観た場合はどうでしょう。

 術者と患者は、生命をたずさえた人間同士です。

 一連の行為は、ふたつの生命の間を流れる「気」の交流です。

 四診は、単に情報収集のためにのみ行うものではなく、患者と治療者の気の交流を通じて、徐々に心理的距離を縮める手順だともいえるのではないでしょうか。

 これは何も医学の世界だけでなく、日常生活で人と人との出会いの場合も同じではないでしょうか。

 おおよそ初めて治療所に訪れる患者は、期待と不安がないまぜになっているものです。

 術者自身が、医療機関を受診した時を振り返って頂けたらと思います。

 この四診を通じて、術者と患者との間に、安心と信頼を構築することこそが、四診の第一義だと「鍼道 一の会」では位置付けています。

 

f:id:ichinokai-kanazawa:20190723064552j:plain

 

活動報告ー5月 臨床医学講座

 

 事務局の大上です(*^^*)

 5月26日、今年度第2回目の「鍼道 一の会」東洋臨床医学講座を開催させていただきました。

 

 5月というのに真夏のような暑さでしたね。大阪の最高気温は30度超を記録したようですが、何と北海道では40度近くまで上がったとか。

f:id:yinandyang1008:20190528082655p:plain



 近所のおばちゃんが、「こんなに急にあつなったら、身体がついていかへんわぁ~」ってぼやいてました。

 若い時はあまりそんなこと思わなかったのですが、私も年を取るにつれ、暑さ・寒さに『身体が付いて行かへん』って こういうことなのかと、実感するようになってきました(;^_^A

 

 皆様、体調管理には気をつけましょうね。

 そして、外界の変化に対して〝柔軟に対応できる〟身体を目指したいものです。

 

***

 

 さて今回の臨床講座、当初は「望診」を取り上げる予定だったのですが、

 今年度初参加の方々が相次いで体調を崩されるなどで欠席となったため、

 

 急遽、ちょっと上級者向けの内容となりました。

 

 テーマは、「脈診(稻垣流)」 にまつわるエトセトラと言いましょうか、

 稻垣座長が、これまでの臨床の中で培ってきた脈診術について。

 

 過去の「鍼道 一の会」東洋医学講座の中でも何度か取り上げてきましたが、

 稻垣流脈診、現在は〝ver.5〟くらいになっているそうです。

 現在のバージョンに至るまで、どのような変遷の過程をたどったのかについてもお話しいただきました。

f:id:yinandyang1008:20190527154800p:plain

 座長のお話しを聞いているうちに、ある言葉が私の頭の中でリフレインされていました。

 「信じるな 疑うな 確かめよ」

 

 これは、ヨガの教えの中にあるそうなのですが、まさに座長がそれを体現していると感じました。

 

 古典などに書かれていることを鵜呑みにするのではなく、頭から否定するでもなく、淡々と追試して確かめたことを自分のものにしていく。

 

 座長曰く、「自分の試行錯誤ぶりには、我ながら呆れること多々」とのことですが。

 (一部から”〇態”との評価もあります 笑)

 

 未体験のみなさん、もしご興味があれば ご一緒に稻垣流を探検してみませんか?(*^^*)

 

***

 

 そしてお昼休憩の後は、いつものようにペアを組んでの実技の時間。

 なのですが、今回は その前に少し尾関先生の「治療家のための身体学」を。

 

 前回の基礎講座で習った4スタンス理論を、もう少し深めていただきました。

 自分と相手の身体の使い方のタイプを知ることで、診察(切診)や治療する際、また患者さんのサポートをする際に役立つのだそうです。

 

 タイプ診断って、皆さん盛り上がりますね。

 (大上はビデオ撮りに専念していたため、写真が撮れていないのが残念です。)

 

 次回6月9日の基礎講座「身体学」のキーワードは、
 「クンバハカ」
 「中村天風(先生)」
 「丹田式呼吸」
 「呼吸操練」

 だそうです!

 会員のみなさん、少ーし予習してきてくださいとのことです。

 

***

 

 そして最後は実技の時間。

 みなさん、今日習ったことをいろいろと試しておられました。

 

f:id:yinandyang1008:20190527161912j:plain

 

 皆様、お疲れさまでした。

 

 最後になりましたが、いつも会場をお貸しくださってます 大阪医療技術学専門学校 関係者の皆様、本日も ありがとうございました。

 

 次回の基礎医学講座は 6月9日、臨床医学講座は 6月23日です。

 

 

『鍼道 一の会』は、自由自在に気を扱える、プロの鍼灸治療家を目指す集団です。

 ご興味のある方は是非、『場の気』を感じにお越しください。

  『鍼道 一の会』についてのお問い合わせは、事務局 大上(おおがみ)まで

  詳細はこちらへ↓

 

活動報告ー5月 基礎医学講座

5月6日に立夏を迎え、暦の上では夏となりましたね。

 

先日5/12、汗ばむような陽気の中、開催いたしました「鍼道 一の会」東洋基礎医学講座。

ご参加いただいた方の中にも、半袖やノースリーブの方が見受けられました。

 

まずは江見木綿子先生の「臓象学」&「経絡学」から始まりです。

f:id:yinandyang1008:20190514142931j:plain

 

今回の臓象学は「大腸の腑」と「胃の腑」、

経絡学は「手陽明大腸経」と「足陽明胃経」でした。

受講生さん達とともに形作られていく〝江見ワールド〟

今回も楽しく繰り広げられました(*^^*)

 

経絡学では、流注の漢文を読んでいただいていますが、経年受講者さん達は もうかなり慣れてきておられて、スラスラと読み下してくださいます。

また、既に臨床現場で活躍されている受講者さんから、「理解していたつもりでいたけれど、新しい発見や気づきがあります」との声が寄せられています。

 

お昼休憩をはさんで、尾関克哉先生の「身体学」

f:id:yinandyang1008:20190514143003j:plain

先生 「こんにちは!」

皆さん「こんにちは・・」

先生 「あれ?元気ないですね? もう一度!こんにちは!!」

皆さんんにちは!!!

 

私(大上)にとって、ふだんの尾関先生のイメージは ほんわかとした〝なごみ系男子〟なんですが、

やはり学校の先生ですね。前に出た途端、別のスイッチがあるかのようにモードチェンジされます。

f:id:yinandyang1008:20190514143026j:plain

ワイワイと賑やかに楽しく♪ そして真剣に。

詳しい内容はヒミツですが、ぜひ多くの方に体験していただきたい授業です。

 

続きましては、稻垣座長の「一の会式・東医理論」。

f:id:yinandyang1008:20190514143048j:plain


今回は〝目から鱗が落ちる?〟お話。

前方のスクリーンに映し出された生薬事典(中医臨床のための中薬学)を用いて、逆引きのように東洋医学的な治療全体を俯瞰してみようというお話でした。

 

稻垣座長曰く

皆さんの目から鱗を落とすのには失敗したかもしれない…(;^_^A」とのことでしたが、

座長の引き出しの多さ、その内容の豊富さにはいつも感嘆してしまいます。


いやぁー、東洋医学って、ほんっとに 奥が深いですね!(水野晴郎さん風に)


ご参加くださいましたみなさま、

ありがとうございました。

 

 

 次回『鍼道 一の会』臨床医学講座(第2回)は5月26日、東洋基礎医学講座(第3回)は6月9日、です。

 

 『鍼道 一の会』は、自由自在に気を扱える、プロの鍼灸治療家を目指す集団です。

 ご興味のある方は是非、『場の気』を感じにお越しください。

  お問い合わせは、事務局 大上(おおがみ)まで

  詳細はこちらへ↓

 



 

活動報告ー4月 臨床医学講座

 季節が逆戻りしたかのような寒さでした。

 4/28日曜日、天気は晴朗なれど気温低し…といった気候の元、今年度初の臨床医学講座を開催いたしました。

 

 2019年度も、臨床医学講座は、南森町の「大阪医療技術学園専門学校」の実技室をお借りして開催させていただきます。ありがたいことです。

f:id:yinandyang1008:20190430073044j:plain

 

 午前中は、稻垣座長による弁証学総論。

 

 「医学」というからには、理を以て筋道を立て、矛盾なく、

 患者の表現する様々な症状に内在する 病の本質 を捉える 必要があります。

 

 これを「証概念」と称します。

 そのために、望・聞・問・切といった四診を駆使するのです。

 

 そして治療を行う前に、治療者は治療後の患者の状態を予測し、心内に描けていなければなりません。

 もし、自分の予測通りの結果が得られなかった場合、どこに診立て違いがあったかを明確にし、そこからさらに汲み出せるものに気づくためです。

 

 また同時に、なぜここに1本の鍼を立てるのかを、矛盾なく整然と説明できる必要があります。

 医学なのですから。

 

 今回の臨床医学講座では、まず「八綱」の内、「表裏・寒熱・虚実」(=六変)の意義と使い方について講義。

 

 鍼灸学校の学生さんから、「これは脾虚だ」とか「腎虚だ」など、いきなり臓腑弁証してるかのような発言を耳にすることがありますが、先ずはこの六変弁証を行うことが、基本中の基本になります。

 

 その上で、必要であれば気血弁証、病邪弁証へと進み、さらに必要であればそれらを踏まえた上で臓腑弁証へと、微に入り細に入っていくのです。

f:id:yinandyang1008:20190430080009j:plain

 

 会場参加の方々からの質問も相次ぎ、午前中は休憩なしで2時間半の講義となりました。

 

 そして午後からは、実際の症例を用いて弁証の手順を解説の後、問診術実技に入ります。

 まずは参加者それぞれの身体の状態を「一の会」カルテに記入していただき、相互にカルテを交換してスタート。 

f:id:yinandyang1008:20190430083957j:plain

 

 患者の訴えを、そのまま共感を持って聞くのは〝聞診〟に相当します。

(これはこれで、患者の治神に必要なことです)

 

 一方、問診というのは、

 証を得るため、患者から意図的に身体情報を引き出す術法です。

 

 意図的に情報を引き出すには、基礎医学が十分に身についている必要がありますので、初学の方には大変難しく感じられたかもしれません。

f:id:ichinokai-kanazawa:20190429102113j:plain

座長をはじめ、経年受講者がサポートします。

 

 インターネットなどで、アンケート形式でチェックを入れると、自動的に体質や証を割り出せるようなものがありますが、実際の臨床では用いることは出来ません。

 

 本来の東洋医学は、そのようなあらかじめ想定された型に、人を当てはめるような医学ではないからです。

 

 例えば、「疲れやすい」という一所見を得ても、

 季節や天候、場所や場面、時間帯、またどのようなことをすれば「疲れやすい」のか?など。

 様々な角度から意図的に問うことによって病の本質に迫ります。

 

 ひとりひとりのオーダーメイド医学とでも言いましょうか、

 自在に思考と技と術を扱える、それが東洋医学の世界です。

 

 初学者の方には、基礎医学の重要性を再認識して頂けたのではないかと感じています。

 

 参加者の皆様、お疲れさまでした。

 

 次回の基礎医学講座は 5月12日、臨床医学講座は 5月26日です。

 

 

『鍼道 一の会』は、自由自在に気を扱える、プロの鍼灸治療家を目指す集団です。

 ご興味のある方は是非、『場の気』を感じにお越しください。

  『鍼道 一の会』についてのお問い合わせは、事務局 大上(おおがみ)まで

  詳細はこちらへ↓

 

2019年度 - 年会員用 : 臨床講座の動画・配布教材アドレス集

 

以下は、『鍼道 一の会』東洋臨床医学講座の2019年度・年会員用コンテンツへのリンク集です。
会員の利便性のため、このブログに掲載しております。

(リンク先へのアクセスは、2019年度の会員様のみ可能です)

 

● 配布教材置き場【Google ドライブ「一の会2019」

 

 動画・第1回(2019年4月28日開催)
  • 四診理論<四診と弁証~問診~>【前編】【後編】(講師:稻垣順也)
  • 四診実技(講義部分のみ)【問診】(講師:稻垣順也)

 

 動画・第2回(2019年5月26日開催)

 

動画・第3回(2019年6月23日開催)
  • 四診理論<望診~「色」を中心に、証を考えてみよう~>

  【前編】【後編】(講師:稻垣順也)

 

 動画・第4回(2019年7月28日開催)
  • 四診理論<舌診~望診の基礎を踏まえて~> 

  【前編】【後編】(講師:岡田悠作・稻垣順也)

  【補足】~臨床におけるコツ~ (講師:金澤秀光)

 

動画・第5回(2019年8月25日開催)
  • 四診理論<脈診~「総論」および「稻垣流」を含む~>

  【前編】【後編】(講師:稻垣順也)

 

動画・第6回(2019年9月22日開催)
  • 四診理論<脈診~「稻垣流」その人体観と運用法について~>

  【前編】【後編】(講師:稻垣順也)

 

動画・第7回(2019年10月27日開催)
  • 四診理論<切診(原穴診)~原穴の状態から気血津液弁証を考えてみよう~>

  【前編】【後編】(講師:稻垣順也)

活動報告ー4月 基礎医学講座開始

 2019年度、新しく加わった方々を交えて、

 気分も新たに「鍼道 一の会」東洋医学講座のスタートを切りました。

 

 初回は、恒例の自己紹介タイムから始まります。

 参加者のみなさまの「過去・現在・未来」を語っていただきました。

 

 まずは僭越ながら、代表であります金澤から。

 

 過去、どのような動機で鍼の世界に足を踏み入れ、どのような道をたどって現在に至ったのか。

f:id:yinandyang1008:20190425141432j:plain

 

 そしてこれからの未来に、どのような自分の鍼の世界を描いているのか。

 今現在 取り組んでいる自分の課題を開示させて頂きました。

 

 

f:id:ichinokai-kanazawa:20190422154707j:plain

 

 みなさまのお話をお聞きしてますと、ひとりひとりの人生の歴史、その道のりは当然ですが異なっています。

 

 皆それぞれに味のある人生を歩んでこられてます。

 

 そして、ご縁により「鍼道 一の会」で出会い、仲間になりました。

 

 患者さんに良くなって頂くために、治療家としての学と術を高めたい!

 

 その一点は皆同じです。

 

 今年度も、みなさまとともに精進してまいります。

 

 よろしくお願いいたします! 

 

 ***

 

 さて第1走者は、講師・江見木綿子。まずは臓象学から。 

f:id:ichinokai-kanazawa:20190422154711j:plain

江見木綿子先生 臓象学

 毎回、新しい視点から〝自分の言葉〟で臓象学を語ってくださるためでしょう、経年者の中にフアンの方が多いです。

 

 今期初参加の先生方からも多くの発言がありまして、いきなり会場は盛り上がりました。

 

 つづいて経絡学。

f:id:ichinokai-kanazawa:20190422154715j:plain

江見先生と筆者 経絡学

 

 鍼灸医学における経絡の位置づけと意味合いは、臨床に根差した「一の会」独自の見解があります。

 筆者も、思わず前に出て語ってしまいました。

 いずれ一般にも公開したいと考えておりますので、お楽しみに。

 

 

 そして長時間の座位で滞った気血を、一気に巡らせて下さったのはこの方、尾関克哉先生。

f:id:yinandyang1008:20190425144220p:plain

尾関先生「治療家のための身体学」実技

 今年度、治療家の身体作りを目的とした「身体学」の講師を引き受けてくださいました尾関先生。

 さすがは元体育教師、参加者相互のコミュニケーションをさらりと促し、会場からは賑やかな笑い声と活気が溢れたのでありました。

 

 さあ、「身体学」で盛り上がった会場の雰囲気のバトンを引き継いで、お次はアンカー、稻垣座長による「一の会式・東医理論」へ。

f:id:yinandyang1008:20190425152327p:plain

稻垣座長「一の会式・東医理論」総論

 

 今回は、「東洋医学で観る "正常な人体"とは?」と題しまして、我々の医学で扱う身体観の総論・俯瞰でした。

 

 先ずは、太極観をしっかりさせることが目的です。

 

 これを踏まえたうえで、次第に微に入り、細に分け入っていくわけですね。

 そして最後に、また太極に戻ってくる。(ここ、ひじょう~に大事です!)

 

f:id:ichinokai-kanazawa:20190422155343j:plain

 

 今回の稻垣座長の講義では、中医学用語を使いながらも、

 五臓の概念や捉え方などについて、中医学とは明らかに決別した内容となりました。

 

 中医学では あたかも「五臓」というそれぞれ異なった五つの臓があるかのように論述されてますが、素手で体表からアプローチする鍼灸師にとって、中医学的な五臓は 絵に描いた餅 になりがちです。

 

 そうではなくて、

 気一元の視点から

 全身をくまなく巡っている気血の〝所在している場所・位置〟によって

 その動き・働きが、名称として五臓として語られているに過ぎない

 

 「一の会」では、そのような視点で人体・五臓を捉えます。

 先ずは観る目を養い、実践へとつなげていきましょう!

 

 今回は、参加者の方から多くの質問・発言が寄せられ、終了が定刻を過ぎてしまいましたが、大いに盛り上がった初回となりました。

 

 ご参加くださいましたみなさま、お疲れさまでした。

 

 ありがとうございました。

 

 次回『鍼道 一の会』臨床医学講座(第1回)は4月28日、東洋基礎医学講座(第2回)は5月12日、です。

 

 『鍼道 一の会』は、自由自在に気を扱える、プロの鍼灸治療家を目指す集団です。

 ご興味のある方は是非、『場の気』を感じにお越しください。

  お問い合わせは、事務局 大上(おおがみ)まで

  詳細はこちらへ↓

 



 

2019年度 - 年会員用 : 基礎講座の動画・配布教材アドレス集

 

以下は、『鍼道 一の会』東洋基礎医学講座の2019年度・年会員用コンテンツへのリンク集です。
会員の利便性のため、このブログに掲載しております。

(リンク先へのアクセスは、2019年度の会員様のみ可能です)

 

● 配布教材置き場【Google ドライブ「一の会2019」

 

動画・第1回(2019年4月21日開催)

 

動画・第2回(2019年5月12日開催)

 

動画・第3回(2019年6月9日開催)
  • 臓象学【脾の臓・前編】【後編】(講師:江見木綿子)
  • 治療家のための身体づくり【身体学1】(講師:尾関克哉)
  • 経絡学【足太陰脾経】(講師:江見木綿子)
  • 一の会式・東医理論【八綱弁証・気血津液弁証を使えるようになろう前編 】【後編 】(講師:稻垣順也)
  • 治療家のための身体づくり【身体学2】(講師:尾関克哉)
 
動画・第4回(2019年7月14日開催)
  • 臓象学【心の臓・前編(基礎編)】(講師:江見木綿子)
  • 経絡学【手少陰心経】(講師:江見木綿子)
  • 治療家のための身体づくり【身体学1】(講師:尾関克哉)
  • 一の会式・東医理論【基礎的な病証・病因について~「心」「神」を中心に~前編】【後編】(講師:稻垣順也)
  • 臓象学【心の臓・後編(応用編)】(講師:江見木綿子)
  • 治療家のための身体づくり【身体学2】(講師:尾関克哉)

 

動画・第5回(2019年8月11日開催)

 

動画・第6回(2019年9月8日開催)
 
動画・第7回(2019年10月6日開催)

 

動画・第8回(2019年11月10日開催)

活動報告ー3月 臨床特別講座

 春陽の気に満ち溢れるような3月3日、「鍼道 一の会」2018年度の締めくくりとなる特別講座を開催しました。

 

 今回は、代表である金澤が担当させていただきました。

 テーマは「問診と弁証」です。

f:id:ichinokai-kanazawa:20190308105753j:plain

 

 すでに臨床医学講座では問診について一通りの解説および実践を行って参りましたが、今回は「耳閉・耳鳴り」の症例を提示して、参加者のみなさまと一緒に四診から病理機序を導き、治療方針決定に至る過程を一緒にたどりました。

 

 問診は、いわゆる「医療アンケート」ではなく、証を決定するために必要な情報を引き出すための問いかけです。

 

 問診に必要とされるのは、基礎医学を熟知していることは言うまでもなく、

 ・相手の話を聞きながら

 ・同時に病理機序の流れを組み立てる

 という、智力と洞察力などの総合力です。

 

f:id:ichinokai-kanazawa:20190308113421j:plain

 

 午前中に、問診のキモになる所をざっと解説し、午後から具体的に医案記録表(カルテ)を開示して、どのように問診を進めて治療につなげていったのかを解説しました。

 

 皆様にお伝えしたことは<耳閉・耳鳴りの治し方>ではありません。

 

 気血・病邪・臓腑など、身体全体の時空的偏在を捉え、調えていくと、症状や病名にとらわれることなく、患者さんの生命力=自然治癒力が最大限に発揮され、自然に治ってしまうのだということです。

 

 いうなれば、治療の目標は病気を治すことではなく、患者さんに元々具わっている生命力をいかんなく発揮できる状態に導くことです。

 

 病気が治るのは、その結果に過ぎないということです。

 「鍼道 一の会」では、そのように考えています。

 

f:id:ichinokai-kanazawa:20190308110135j:plain

 

 講義終了後は、臨床実技。

 いつもながらみなさま、生き生きされてます。

 

f:id:ichinokai-kanazawa:20190308114043j:plain

 

 今回、初めて参加してくださった先生は、一本の鍼でこんなにも生体が変化するのかと、大変驚いておられました。

 受講生の皆さんは、もうお分かりですね。

f:id:yinandyang1008:20190308145059p:plain

 

 鍼術が上達するには、いくつかのポイントがあります。

  1. 刺鍼前に、見るべきところをしっかりと見ておく。
  2. 必ず、意図的に鍼をする。⇒なぜここに鍼をするのか、何を期待して何を目標に鍼をするのかを、術者の中で明確にしておく。
  3. 刺鍼後に、意図したとおりに気が動いたか否か、を確認する。
  4. 術者の意図と異なった動きをした場合、なぜそうなったのかを振り返る材料を持ち得ている。

 

 これを繰り返すことにより、今まで観えなかったものが次第に観えてくるようになります。

 これは黄金律ですよっ。

 

 そして2018年度の最終回にあたり、金澤、永松、稻垣の三名で今期の振り返りを致しました。

f:id:ichinokai-kanazawa:20190308141247j:plain

 

 振り返るとあっという間の一年でしたが、みなさましっかりとついて来てくださいました。

 来期からは永松副代表は相談役に退き、縁の下からグッと若手を支えてくださいます。

 また、これまで永松先生がご指導くださってました「治療家のための身体学」は、

長年 体育畑を歩いてこられ、体育教師でもありました尾関克哉 先生が担当してくださいます。

 来期『鍼道 一の会』東洋医学講座は、従来の内容に加え、弁証トレーニングなどの より臨床実践的な講義を充実させて参ります。

 

 伝統鍼灸にご興味のある方、ぜひ一度足をお運び頂いて、会の「気」を感じてください。

 

 受講生の皆様、一年間ありがとうございました。

 また4月にお会いできることを楽しみにしております!

 

 2019年度『鍼道 一の会』東洋基礎医学講座(第1回)は4月21日、臨床医学講座(第1回)は4月28日です。

 

 『鍼道 一の会』は、自由自在に気を扱える、プロの鍼灸治療家を目指す集団です。

 ご興味のある方は是非、『場の気』を感じにお越しください。

  お問い合わせは、事務局 大上(おおがみ)まで

  詳細はこちらへ↓

 2019年度の募集要項はこちらです↓

www.ichinokai.info


  最後になりましたが、会場をお貸しくださいました 大阪医療技術学園専門学校 関係者の皆様、本日もありがとうございました。

臓腑弁証の要領

 2月10日(日)は、今期「一の会」、基礎医学講座の最終回でした。

 

 永松副代表による易学講義、江見木綿子先生による奇経八脉講義。そして稻垣座長による東医理論の講義がそれぞれなされました。

 

 その中で、「一の会」の座長を務めております稻垣順也先生の講義が、最終講義にふさわしく、豊富な内容の正確さを損なうことなく簡素で、かつ総括にふさわしい講義でした。

 

 その臓腑弁証の要領とキモになるところを公開いたします。

 

 ご覧下さいましたみなさまのお役に立てるものと思います。

 

                                           youtu.be

 

 2019年4月より、カリキュラムを新たに講座を行います。

 同時に参加者の募集を行っておりますので、ご興味をお持ちの方は、下記募集要項をご覧下さり、メールでお問い合わせください。

 

 募集要項

■ 対象:鍼灸医学に対する理解と技術を深め、社会に貢献する意志のある方。
■ 年間受講料(年会費): 一般100,000円 学生50,000円

単回参加料:一般10,000円 学生5,000円 

■ 使用テキスト: 「鍼道一の会」教科書及び配布資料
■ お申し込み・お問合せ

住所、氏名、職業(学生・医療資格者 等)、連絡先を明記の上、メールにてお申込ください。

(当方からの返信メールを受け取れる設定をお願いいたします)

Email: seminar☆ichinokai.info メールの際は、☆を@に置換して下さい。

 

活動報告ー1月 臨床医学講座

 大寒の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 世間ではインフルエンザが大流行とのこと。皆様、うまく養生して、来たるべき春には良き芽を出せるよう、この時期を過ごして参りましょうね。

 

 さて、先日1月27日、今期第10回目の「鍼道 一の会」東洋臨床医学講座を開催させていただきました。

 今回の時事講義は、本講座を受講して下さってます開業歴14年のベテラン、尾関克哉先生(健志堂 院長)に、独自の臨床論を開示していただきました。

 

 尾関先生は、網膜色素変性症により視力を失っておられます。

 子どもの頃に持病を指摘され、盲学校への進学を考慮するよう勧められたそうですが、教師になる夢を抱いて日本体育大学を卒業。その後、中学校の体育教師として奉職中に悪化し、現場を退く決断をされました。

 退職後は教育委員会への道も選択肢としてあったそうなのです。けれども、学生時代に受けた鍼灸治療と、施術をされた先生のことがとても印象に残っておられたことからこの医学に志し、現在はご自身の治療院を拠点に、東洋医学の道を邁進しておられます。

 

 講座の中では、先生が教育現場で体験として培ってこられた「教育=共育」ということ。教育は、上から下へというものではなく、教師と生徒が共に学び合い、共に成長するためのものだと力強く話されました。

 その共育理念の軸である「感動の共有」。

 そして、開業後のテーマとして追及してこられた「発育発達の過程に沿った治療」。

 

 お話を伺っていると、それらを見事に統合されておられると感じました。

f:id:ichinokai-kanazawa:20190129121929j:plain

尾関先生の治療理念

 

 先生が鍼灸医学にたどり着くまでの流れ、そして免許取得後すぐに開業されて今日に至るまでの歴史を聞いて、魂が震えるのを感じました。

 障害を障害としない生き方。尾関先生の『命の衝動』を感じたからです。

 不屈の精神です。 

f:id:ichinokai-kanazawa:20190129103746j:plain

尾関流 空間論

 これは何でしょう?

 会場に入って真っ先に目についたものは、凧のようなものと、ルービックキューブ。

 凧は、人体の軸のずれを確認するためのツールです。

 そして2個のルービックキューブは、左右の空間です。

f:id:ichinokai-kanazawa:20190129123408j:plain

 尾関先生、楽しそうでしょう(*^ ^*)

 ルービックキューブは6面体。その各面に天地人の”三才”と”九宮”を見立てておられます。

 そして先生には、この6面体の中に1本の木が生い茂っているのが見えると。

 この空間の「四隅」を先ず定めて調え、その後に東西南北の「四正」を調えるのだそうです。

 永松先生の易学を応用されています。素晴らしい!

 

 

 また、寝たきりの赤ん坊が歩くようになるまでの身体の発育は、生物2億年の歴史をたどる過程だと、実際に行って下さいました。

f:id:ichinokai-kanazawa:20190129124128j:plain

両生類

f:id:ichinokai-kanazawa:20190129124213j:plain

爬虫類

 このような過程を経て、直立二足歩行を獲得した人類。その身体の構造は、直立2足歩行を行うために最適なようにデザインされている。

 

 また、先生はこうも仰いました。

 「体は、自身をいじめるために変化することは絶対にない。」と。

 

 こうした様々なことを踏まえ、直立姿勢の歪みから その背景にあるものを読み取って治療に用いておられるのですね。

 本当に、尾関先生の「深さ」に、グイグイと引き込まれる時間でした。

 

 

 その後、実際に尾関流の空間認識の方法を開示していただき、午後からは実技に入りました。

 教わった「目の付け処」をチェックした後、実際に鍼を施してどのように変化するのかを確認。

 ここは、大事なところです。

 施術前に、診るべきところをあらかじめきちんと押さえておいて、鍼を施した後の効果判定を行う。流儀は違えども、ここは一つです。

 もし、あらかじめ意図した通りに気が動かない場合、その理由にこそ進化発展のカギが潜んでいるのですねぇ。

 

f:id:ichinokai-kanazawa:20190129125938j:plain

 

 みんな楽しそうでしょう♪

 勉強は、楽しみながらやる!これが何よりの秘訣ですね。

 

 ご参加くださいました皆様、寒い中、お疲れさまでした。

 尾関先生、そして終始 先生をサポートし、見守って下さっていますハルさんこと古賀晴美先生、ありがとうございました!

 

 そして会場をお貸しくださいました 大阪医療技術学園専門学校 関係者の皆様、本日もありがとうございました。

 

 次回『鍼道 一の会』東洋基礎医学講座(特別回)は2月10日、臨床医学講座(特別回)は3月3日です。

 

 『鍼道 一の会』は、自由自在に気を扱える、プロの鍼灸治療家を目指す集団です。

 ご興味のある方は是非、『場の気』を感じにお越しください。

  『鍼道 一の会』についてのお問い合わせは、事務局 大上(おおがみ)まで

  詳細はこちらへ↓

 

活動報告ー12月 臨床医学講座

 今期第9回目の「鍼道 一の会」東洋臨床医学講座は12月16日、いつもの大阪医療技術学園専門学校 の教室をお借りして開催いたしました。

 今年は暖かいためか、年末という気があまりしませんが、何かとあわただしい中、講座終了から早10日が過ぎてしまいました。

 

 今回の時事講義は、かねてより予告していました「呼吸法」です。

 筆者金澤は「喜びとやすらぎの呼吸法」と題しました。

 自身に何かを取り入れること、例えば食べることって、喜びですよね。

 そして出すこと=排泄は、やすらぎをもたらします。

 呼吸も同じです。

f:id:ichinokai-kanazawa:20181217100802j:plain

 

 「呼吸」、これはなかなか奥の深いテーマでして、単に息を吐いたり吸ったりする生理機能にかかわることだけを指すのではありません。

 神道や禅、ヨーガをはじめ、世界各地で呼吸の重要性が説かれていることは皆さん既にご存知だと思います。

 

 ”息が合う”とは、こころや気持ちが通じ合ってひとつになることを表現していますし、”阿吽の呼吸”とは、気の交流によって互いの意識や行動がぴたりと噛み合う状態を表現しています。

 

 また、黄帝内経・素問では<患者のために息を平らかとし、医は病まず>という言葉があります。

 「息を平らかにする」とは、精神的にも肉体的にも穏やかで万全の状態になること。そして人を癒す医療者は、健康でなくてはならないと言っています。

 

 

 今回は、治療者自身のために、以下の二つの方法を取り上げました。

① 膈を開く呼吸法

 東洋医学における「膈」とは、

 消化器官が無い清らかな部分(上焦)と、食べたものを消化したり排泄したりする、清濁入り混じった部分(中焦・下焦)の仕切り板のようなもの。さらに、清らかなものしか通さないフィルターのような機能を兼ね備えたもの。

 と、説明できます。

 ゆえに、何らかの要因によってフィルターの目詰まりを起こしてしまう場合があります。

 この呼吸法は、膈を開いて気血の通りをスムーズにする目的で行います。

 

② 丹田に「気」を落とし込む呼吸法

 永松副代表による身体学においては基本中の基本になりますが、「臍下丹田」に気を納めること。それに特化した方法です。

 古神道やヨーガ、道教的にも用いられていますが、それらをさらに簡素化して、いつでも、どこでも、誰にでも行えるようにしました。

 

 

 普段ほとんど無意識的に行われている「呼吸」に意識的になることで、今 現在の自分の状態に気づくことが出来ます。

 自分自身の手を、胸や腹に当てて呼吸をしてみるだけでも何かが感じられると思います。

f:id:ichinokai-kanazawa:20181217102317j:plain

 また相手の身体に触れながら呼吸を観察していますと、相手の「気の重心」がどこに偏っているのかを知ることが出来ます。

 さらに、経験を積めば身体の状態や精神状態までも読み取れるようになります。

 

f:id:ichinokai-kanazawa:20181217102552j:plain

 

 呼吸法を行う前に、顔面の気色や脉、腹部の状態をあらかじめ観察しておき、後に再度観察すると、皆さんもれなく気血の通りが良くなっていることが確認できました。

 

f:id:ichinokai-kanazawa:20181217103010j:plain

f:id:ichinokai-kanazawa:20181217103154j:plain

f:id:ichinokai-kanazawa:20181217103222j:plain

 

 そして最後に、呼吸に意識を向けながらの瞑想(呼吸瞑想)をみんなで行いました。

 ポイントは、呼気と吸気がそれぞれ切り替わる瞬間です。

 課題は、「私は誰か?」です。

 理屈ではなく、感覚で。

 終了後には参加者全員の感想をシェアし合いました。

  • 自分の心の中の雑念の多さに気がついた。
  • 何かが身体の上に抜けて行きたがってると感じた。

 など、ご自身と向き合って得られた気づきが寄せられました。

 中には、自分がこれまで持っていた「神」という概念が、ガラリと変わったとおっしゃる方もいらっしゃいました。

f:id:ichinokai-kanazawa:20181217105148j:plain

 参加者のみなさまのこころとからだに、今後どのような変化が訪れるのかが、とても楽しみです。

 

 そして午後からは、臨床実技です。

 今回は、めずらしく稻垣座長がモデルとなりました。治療は学生の稲垣さんが担当しました。f:id:ichinokai-kanazawa:20181217105811j:plain

 

 金澤は、顔・舌・脈・お腹→背中と切して、もう一度仰向けになってもらい・・・とやっているうちに、もうすでに鍼が必要のない状態にまで良くなっている事があります。

 治療は、鍼灸だけで行うとは限りません。

 本当に上手に触れて差し上げると、ただそれだけでも「気」は本来あるべき方向へと動き出します。

 今回、鍼をしなくても、膝の痛みが無くなった方もいらっしゃいました。

 四診の過程においてすでに治療は進行しており、実際に鍼するときには、「効くべくして効く状態」に持って行くのが理想的です。

 これは「鍼道 一の会」の鍼の流儀でもあると、筆者金澤は感じています。

 

 今回は2018年最後の講座でした。

 今年一年の締めくくりとして、金澤、永松、稻垣の3人がそろって、それぞれの思いを語らせて頂きました。

f:id:ichinokai-kanazawa:20181217110900j:plain

 以下、「鍼道 一の会」年会員用サイトで述べましたことをシェアします。

 

 鳥たちの群れは、まるでひとつの生き物のように姿を変えながら飛びます。

 群れの先頭は、その時々で入れ替わります。

 群れは「個」の集まりですが、彼らは「俺が!私が!」と先頭を争うようなことはしません。

 個として存在していても、それぞれが繋がっていて、それぞれの「ぶんざい」を意識することもなく調和の世界が保たれています。

 

 古代の人間社会も同じだったと思うのです。

 統(す)べる命=皇(すめら)が命は、「おれがおれが」ではなく、自然とそうなる役割のものが長になっていたと思うのです。

 長は長で、下々のものがあっての自分と言う事をわきまえていたので、政(まつりごと)は誰もが納得するものであったのだろうと思います。

 我々の身体に置き換えると、足の指一本でもかけがえなく大切ですよね。

 そんな感覚だったと思うのです。

 時代が下ると、様々な知識や技術が入ってきます。

 それにつれて次第に我欲も強まってきたのでしょう、おそらく。

  そして個々のつながりである霊性も薄れ、自らの「ぶんざい」も感じられなくなり、次第に争いごとが増えていたのではないでしょうか。

 現在の我々の社会も、争いごとが絶えませんね。

 並行して、病も複雑化、増加の一方です。

 このような現代であるからこそ、人が自分の霊性に目覚める”宗教医学”としての鍼灸の重要性が高まっていると、金澤は個人的に感じています。

 現世利益的な医療も必要かもしれません。

 ですがそれよりも、病的な状態から抜け出す過程において、治療者にも患者にも 共に霊的成長が訪れる、そのような関係性こそが何よりも大切だと感じています。


 ご参加くださいました皆様、長時間お疲れさまでした。でも、楽しかったですね。

 会場をお貸しくださいました 大阪医療技術学園専門学校 関係者の皆様、本日もありがとうございました。

 

 そして2018年、お世話になりました皆さま、本当にありがとうございました。

 2019年が皆様にとって素晴らしいものとなりますよう、お祈り申し上げます。

 

 長文になりましたが、最後までお読みくださりありがとうございます。

 

「鍼道 一の会」代表 金澤秀光

 

  (次回基礎医学講座は 2019年1月13日、臨床医学講座は1月27日です。)

 

 『鍼道 一の会』は、自由自在に気を扱える、プロの鍼灸治療家を目指す集団です。

 ご興味のある方は是非、『場の気』を感じにお越しください。

  『鍼道 一の会』についてのお問い合わせは、事務局 大上(おおがみ)まで

  詳細はこちらへ↓

活動報告ー11月 臨床医学講座

 二十四節気では「小雪」に入り、朝晩の冷え込みに冬の到来を感じるようになって参りましたね。

 そんな中、爽やかに晴れわたりました11月25日、いつもの大阪医療技術学園専門学校 の教室をお借りして、今期第8回目の「鍼道 一の会」臨床医学講座を開催いたしました。

 午前の時事講義は、代表である筆者金澤が座長を務めまして、参加者のみなさまと一緒に「感情」について、ディスカッションさせて頂きました。

f:id:ichinokai-kanazawa:20181127091643j:plain

 感情は、人が伸び伸び・生き生きと生きて行くためには、欠かすことのできないものです。

 幼い子どもは、何物にもとらわれず自由に喜怒哀楽を表現していますね。

 これに「制限」が加わると、気が堰き止められて停滞を起こし、ひいては万病を生じることになります。

 感情を発しますと、大きく気が動きます。そしてその影響は周囲にも及びます。

 感情の大きなエネルギーは、自分だけでなく他人をも動かす力を持ちます。あるいは関係性を破壊する力も内包しています。

 自分の持つ この大きなエネルギーに、多くの人が恐れを抱くのも当然と言えましょう。

 

 東洋医学では、感情を怒・喜・思・悲・憂・驚・恐の七種類に分けて(七情)、それぞれの気の動きを捉えます。

 

 七情は、五臓の気そのものでもありますから、臓腑機能とも密接な関係にあります。

 ゆえに感情の過不足は、腹診や背診にも表現されます。それらを読み取り、治療に生かしていくのです。

 

 また、感情の過不足は病の原因に大いに関係するのですが、中医学的な弁証論治では認識不足のように感じています。

 例えば「肝鬱気滞」と言っても、鬱している中身は「怒り」とは限りません。

 また、肺気で肝気を抑え込んでいる場合もありますので、治療の目標が肝とは限りません。

 そこには、鬱して気滞としなければならない、その人その人なりの様々な要因があります。

 神気を動かさなければならない場合もあります。

 

 ディスカッションでは、参加者おひとりおひとりの”感情の取り扱い方”、またその治め方を開示して頂きました。

 みなさん、自分の心に生じる感情を「気」=心のエネルギーとして感じておられました。

 

 幼児のように自由に表現することはできなくとも、自分にとっても相手にとっても有益となる感情の発露を探る。これも治療者としてのレベルアップにつながります。

 

 近未来には、七情の取り扱いとその処方箋が出来上がると思います。

 みなさま、どうぞご期待を!

 

 

 

 そして午後からの臨床実技。

 ペアを組んで、お互いに診察から治療まで行います。

 

 今回は、望診術に七情診を加えました。

 顔面の気色診も大切ですが、表情の奥に在るその人の今現在の「思い」を汲み取ろうとする視点を入れてみました。

 ベットに横たわると肝腎が弛みますので、立位では伺えないものが観えてきます。

 筆者は、学生の稲垣くんと一緒に気を読んだのですが、主観的であっても、互いに通じる感覚を得てもらえたのではないかと感じています。

f:id:ichinokai-kanazawa:20181127095058j:plain

 

 私事ですがこの日、筆者金澤は疲労困憊しておりまして、絶不調。

 学生の岡田君を指名して治療してもらうことに。

f:id:ichinokai-kanazawa:20181127094616j:plain

 (こうやって自分の写真を見ますと、なんだか死体のようですねぇ~ 笑)

 江見先生に見守られながら、彼なりに一生懸命切診して、考えに考えて右列欠瀉法、左照海補法して頂きました。

 よ~く効きました♪ ありがとうね。

 

f:id:ichinokai-kanazawa:20181127094854j:plain

 そして副代表の永松先生も体調不良のため患者役に。

 治療に当たった永濱先生、緊張されたのでは・・・

 

f:id:ichinokai-kanazawa:20181127095629j:plain

 患者役の古賀先生をみつめる岩下先生の温かいまなざし。

 (筆者もモデルになりたい!と感じてしまいました。)

 

f:id:ichinokai-kanazawa:20181127095833j:plain

 ベテランの尾関先生。いつも何かに挑戦している姿が、とてもかっこいいです。

 

f:id:ichinokai-kanazawa:20181127100042j:plain

 学生の岡田君。鍼の面白さ、楽しさにどうやら目覚めたようです。

 最初の入り口は困難でも、一旦分かり始めるとグンと楽しくなりますよ。

 

 来月12月の臨床医学講座の時事講義は「呼吸法」をテーマに、金澤が担当いたします。

 目標は、「自身に内在する神を自覚する」です。

 我々一人一人に具えられた”神”を、呼吸法を通じて参加者のみなさまに実感して頂く予定ですので、ぜひ楽しみにしていらしてくださいね。

 

 

 皆様、お疲れさまでした。

 そして会場をお貸しくださいました 大阪医療技術学園専門学校 関係者の皆様、本日もありがとうございました。

 

 次回『鍼道 一の会』東洋基礎医学講座は12月2日、臨床医学講座は12月16日です。

 

 

 『鍼道 一の会』は、自由自在に気を扱える、プロの鍼灸治療家を目指す集団です。

 ご興味のある方は是非、『場の気』を感じにお越しください。

  『鍼道 一の会』についてのお問い合わせは、事務局 大上(おおがみ)まで

  詳細はこちらへ↓

活動報告ー11月基礎医学講座

 立冬を過ぎ、これからいよいよ冬に向かってまっしぐら・・・という時節ですが、この日は暖かい日差しに恵まれました。

 11月11日、「鍼道 一の会」基礎医学講座を開催致しました。

(ちなみに2018年の2+0+1+8を足すとこれまた11になるという、特別なぞろ目の日だったようです^^)

 

 今回の易学は、「八卦九宮図に、自分の身近な人間関係を配置してみる」という、永松副代表が先月出された宿題の提出から。

f:id:yinandyang1008:20181113105641p:plain

 トップバッターとして指名されたのは、岩下先生。

 「前に出て話すと体調が悪くなります><;」と仰ってましたが、なんのなんの、堂々とした発表をしていただきました。

f:id:yinandyang1008:20181113105320p:plain

 つづいて筆者も含め各先生方も。

f:id:ichinokai-kanazawa:20181112092506j:plain

 一人一人、配置した意図をお聞きしていると、それぞれの方の置かれている今現在の状況が読み取れて、いやー楽しかったです。

 自分に関わっている人たちが、今の自分にとってどのような存在なのかを客観的に観ることが出来て、気づきも多かったとの声が寄せられました。

 

f:id:ichinokai-kanazawa:20181112093004j:plain

 学生とは思えない貫禄の稲垣さん。

 ご自身の学生生活や直近の未来に対して非常に肯定的感触を持たれたようで、ますます易学に対する興味も深まったご様子。

 

 次回は、ここからさらに七情へと発展させる宿題が出ています。何が出てくるか、楽しみです。

 

 

 続きましては、江見木綿子先生による「臓象学」

 前回ですべての臓象の解説が終わりましたので、今回は具体的に「臓象を用いて生理現象を考察してみよう」と言う内容でした。

 

 例として、尿意を催してから排尿に至る過程を、臓象で解いてみようという試みです。

f:id:ichinokai-kanazawa:20181112093535j:plain

 学生の岡田くんも前に出てもらい、津液について知り得ていることを列挙してもらいました。

 それを手掛かりとして、頻尿、癃閉、寝小便など、様々な病態における臓腑間のかかわりなどにまで及んで、ディスカッションしました。

f:id:ichinokai-kanazawa:20181112094118j:plain

 学生さんからは、

「学校で学んだ東洋医学用語が、具体的にどういう現象として臨床的に現れるのかが分かった。」「様々な意見や考え方、捉え方があることを知って、とても面白く勉強になった。」などの感想が寄せられました。

 またすでに臨床に入っておられる先生方からは、「病態把握のトレーニングになった」とお聞きしています。

 

 机上の学びではなく実際の臨床で使える学びとなるよう、知識とイメージ力を駆使して、繋げていきましょう。日常の中で題材を見つけ、トレーニングを重ねていくと必ずや広がりを持って見えてくるものがあるはずです。

 

 

 そして本日の最後、稻垣座長による「一の会式・東医理論」。

f:id:ichinokai-kanazawa:20181112094920j:plain

 「病因」がテーマでしたが、今回も非常によく練られており、しかもすっきりと洗練されてまとまっていると感じました。

 外感病ひとつを取り上げても、主な病因が時候にあるのか その人の内傷に在るのかなど、あいまいな部分を見分けるポイントを明確に解説して頂きました。

 

 おそらく来期には、中医学とは一線を画した「一の会 東洋医学理論」の教科書が出来上がるだろうと思います。

 これからの活躍が、とても楽しみです。

 

 参加者の皆様、本日もお疲れさまでした!

 

 次回、『鍼道 一の会』東洋臨床医学講座は11月25日(日)です。

(大阪・南森町の大阪医療技術学園専門学校実技室をお借りして、開催させていただきます。)

 

 『鍼道 一の会』は、随時入会を受け付けております。

 興味が湧いた、面白そう、ピン!と来た方、どうぞお問い合わせください。

 お問い合わせは

 『鍼道 一の会』 事務局 大上(おおがみ)まで

  詳細はこちらへ↓

陰陽別論篇第七

 黄帝が問うて申された。

 人に四経、十二従有りというのは、何を言っているのであろう、と。

 

 岐伯がそれに対して、以下のように申された。
 肝・心・肺・腎の四経は、四時に応じており、十二従とは、十二月に応じておりまして、十二月は手足の三陰三陽の十二経脈に応じているのであります。

 脈にもまた、陰陽が有りまして、脈の陽を知るということは、当然陰を知るということになりまして、その逆もまた然りです。つまり、陰陽はひとつであるからです。


 五臓の陽気は、五行の移り変わりと共に変化するのですから、五×五の二十五に分類することが出来ます。

 ここでいうところの陰は、五臓の陽気が全く無い、いわゆる純陰=真臓のことであります。これが見れると貝が真二つに割れるように、陰陽が交流することが出来なくなるので、必ず死に至るのであります。

 脈のどの部位に胃の陽気が欠けているかを、審らかにすることによって病んでいる処を知ることが出来るのであります。


 また、脈のどの部位に真臓の脈が現れているかを、審らかにすることによって、病んでいる臓を特定し、四季の変化によって盛衰する臓気との関係から、死生の時期を割り出すことが出来るのであります。

 三陽の状態は、頭部の人迎の脈に現れ、三陰の状態は、手の寸口部位に現れますので、両者を合わせて身体の太極を察するのであります。


 この陽の人迎脈診に熟達したものは、病が何時起こるのかを知り、陰の寸口脈診に熟達したものは、死生の時期を知ることが出来るものであります。


 心を謹しんで細心にし、心と手が一致して瞬間に動く程に、陰陽変化の理に熟達していなければならないのであります。


 そして診断に際しては、迷って周囲の者たちに、あれこれと相談して決めるようであってはならないのであります。

 一般的な脈状を陰陽で表現すれば、脈の去来して去ろうとする時は陰であり、脈が至る時は陽であります。

 おおよそ、胃の気の無い真臓の脈を得た場合について述べます。

 肝の脈である純弦の脈を得て早く感じる場合は、18日で死にます。

 心の脈である純鈎の脈を得た場合は、9日で死にます。

 肺の脈である純毛の脈を得た場合は、12日で死にます。

 腎の脈である純石の脈を得た場合は、7日で死にます。

 脾の脈である純緩の脈を得た場合は、4日で死にます。

 純というのは、胃の気の無い臓そのものの脈象であります。

 二陽である手足の陽明の病が、心脾に影響して病を発すると、細々としたことができなくなり、しかも人に話そうとしなくなるものです。女子は月経が止まります。

 このような状態が長引くようであれば、思慮過多が鬱熱を生じ、肌肉が痩せ衰えていく、風消となります。

 もしくは、鬱熱が激しく昇って上焦を襲えば、息が詰まって苦しくなる息賁となります。このような状態になってしまうと、治すことができないので死亡します。

 三陽である手足の太陽の病というのは、上にあるときは悪寒発熱し、下にあるときはおできができます。また足が萎えて冷え、足のふくらはぎがだるく痛みます。

 さらに悪化して長引くようでありますと、熱のために精血を消耗してしまい、皮膚は乾燥して光沢を失い、陰嚢に異常を来たすようになります。

 一陽である手足の少陽の病というのは、呼吸が浅くなり、よく咳をしたり下痢をするようになります。さらに悪化して長引くようですと、胸が押さえつけられるように痛んだり、膈がふさがって飲食が下らず、呼吸するのも困難になります。

 二陽一陰である手足の陽明と手足の厥陰が病を生じると、ちょっとしたことにビクッついたり驚きやすく、背中が痛んで、よくゲップをしたりあくびをするようになります。肝気の亢ぶりが、胃の和降に影響して厥するので、風厥と称します。

 二陰一陽である手足の少陰と手足の少陽が病を生じると、よく腹部が脹り、心下から胸にかけて満ちたようになり、大きなため息のような息をします。

 三陰三陽である手足の太陽と手足の太陰が病を生じると、半身不随となり萎えて力が入らなくなり、手足が挙がらず不自由になるものです。

 春の一陽の気が鼓動すると、絃という脈象を見わし、秋に一陰の気が鼓動すると、毛という脈象を見わします。

 陽が鼓動して陰に勝ち急である脈象は絃であります。

 陽が鼓動して至ってはいるが、絶えたようで深く按じて得られる脈象は石であります。

 そして陰陽が柔和して調和がとれている時の脈象は、滑らかに流れているものです。この脈象を滑と申します。

 陰気が内部で調和を失い争うようになると、陰の使いである陽は体表において擾れてしまいます。

 したがいまして、肺気を含んだ汗が漏れるに任せて止めることが出来なくなり、手足が冷え上がる症状が起こります。

 手足が冷え上がって肺に追いやられた陽気は、もはや巡るところを失っているので肺に集まり、まるで薫(いぶ)されたかのようになって、喘ぎにゼロゼロという音を発するようになるのであります。

 陰が万物を生じる本、つまり陰陽が調和している状態を和と申します。

 このようでありますから、剛と剛がぶつかりますと、陽気が過剰となって破れて散ってしまいます。そうなると陰陽の平衡を失い、陰気もまた消滅してしまうのであります。

 また陰気があふれるように盛んでありますと、剛柔の調和が失われ、経気も絶えてしまうのであります。

 死陰のたぐいは、三日を過ぎずに死にます。

 生陽のたぐいは、四日を過ぎずに已む。

 いわゆる生陽と死陰というのは、肝が心に相生関係で伝わることを生陽と言い、心から肺へと相剋関係で伝わることを死陰と言います。

 肺・収から腎・蔵と陰気に陰が重なるように伝わることを重陰と言います。腎から脾に相侮関係で伝わることを辟陰と言います。これらは、治らないので死に至ります。

 陽気が結ばれるように停滞すると、手足に浮腫が生じます。

 陰気が結ばれるように停滞すると、鬱血して血便が一升下ります。再び結ぶと2升、さらに結ぶと3升というように、次第に悪化します。

 陰陽が偏って結ばれ、陰が多く陽が少ないと、石水と称される少腹が石のように固く腫れる病となります。

 手足の陽明の二陽が結ばれる時には、痩せていく消となり、手足の太陽が結ばれると膈が塞がって飲食が下らず、便も出ないようになります。

 手足の太陰の三陽が結ばれると、水液の代謝の異常が起こり、手足の少陽である一陽と手足の厥陰である一陰が結ばれると喉を流れる気血が鬱滞して腫れ痛む喉痺となります。

 陰である尺中の脉の搏ち方と陽である寸口の脉とがはっきりと区別されるようであれば、妊娠しています。

 陰陽の両脉が共に虚しており、痢疾があれば止まらないので死に至ります。

 寸口は陽、尺中は陰であります。陰気に陽が加わったものを、これを汗と言います。

 陰が虚し、相対的に陽が盛んとなって搏ち迫れば、堤防が決壊するように子宮出血が起こります。

 三陰である手足の太陰が、ともに搏つようであれば、二十日目の夜半に死にます。

 二陰である手足の少陰が、ともに搏つようであれば、十三日目の夕刻に死にます。

 一陰である手足の厥陰が、ともに搏つようであれば、十日目に死にます。

 三陽である手足の太陽が、ともに搏ち、さらに激しい時には、三日目に死にます。

 三陰三陽である手足の太陰と手足の太陽がともに搏つと、心腹が満ちて鬱滞し、気血を発すると尽きてしまって細々としたことができなくなると、五日目に死にます。

 二陽である手足の陽明が、ともに搏ち、温病となれば治療法は無く、十日を過ぎることなく死にます。

陰陽離合論篇第六

 黄帝が問うて申される。

 余は、天を陽とし、地を陰とし、日を陽とし、月を陰とする。この天地・日月の陰陽変化で月の大小が生じ、そして三百六十日を一年としてまた循環する。人もまた自然界の陰陽変化に応じていると聞いている。

 ところが今、人体の三陰三陽は、このような陰陽変化と符号していないが、その理由は、どのようであるのか。

 

 岐伯がその問いに対して申された。

 陰陽というのは、これを十に分けて数えることが出来ますし、これを推測して分割し、百にすることも出来ます。これを陰陽可分の法則と申します。

 ですからさらに細かく、千に分けて数えることも出来ますし、推測して萬にすることも出来るものであります。

 さりながら、萬よりさらに細かく分けることは、実用的でなく、そもそもそのようなことは、荘子<内篇、応帝王篇、第七>の最後にあります「混沌」のように、実存からかけはなれてしまい、無意味であります。

 なぜならば、元々は一つであるものを細かく分析すればするほど、実態とはかけ離れたものになるからであります。

  対象とすべき実存はひとつであり、陰陽変化の要もまた『ひとつ』であります。

この陰陽変化の要さえ体得すれば、細かく分析してあれこれと、考える必要は無いのであります。

 

 天はこの世の全てを覆い、地もまた全てを載せている。このような天地・陰陽の気の交流によって万物は生まれるのである。

 地に潜んで地表に出てこないものを、陰処と言い、陰中の陰と名づける。

 しかるに、地より出たものは、陰中の陽と名づける。

 天地の間に生じる万物は、天の陽気がこれを育て、万物の大元は陰である。

 

 この陰陽の消長変化によって、春は生じ、夏は長じ、秋は収め、冬は蔵するのである。

 ところが天地の陰陽変化が正常でなくなれば、天地四季の気は塞がって生長収臓と循環しなくなるのであります。

 自然界の四季を、陰陽で捉えることができるように、人体における陰陽変化も同様にして捉えることができるのであります。

 

 帝が、『三陰三陽が、それぞれ分かれて機能し、分かれていながら一つに集約し、協調して生命を維持している様。つまり陰陽の離合について聞きたく思う』、と申された。

  岐伯が申された。

 聖人が南面して立たれました場合、最も日光が当たる身体表面を広明と称し、反対に日が届かない内面を太衝と称します。

 内面の太衝は、陰であるため大地に相当し、これを少陰と名づけます。これは先に述べました「未だ地を出でざらぬもの」であるので陰中の陰であります。

  地を出ずる気と同様に、少陰の気が体表に現れたものを太陽と名づけます。

 太陽の経絡は、足の小指の先端の至陰穴から起こり、顔面部の清明穴に結びます。これは陰中の陽であります。

 身体の中心の表は、広明と名づけます。

 この広明の裏は、太陰と名づけます。

 そして太陰の気が体表に現れたものを、陽明と名づけるのであります。

 陽明の根は、厲兌に起こります。これは陰中の陽であります。

 厥陰の気が体表に現れたものを、少陽と名づけます。

 少陽の根は、竅陰に起こります。名づけて陰中の少陽と名づけます。

 なぜなら、半分は地に残り、半分は地を出ているからであります。これを半表半裏と申します。

 いうなれば、陰に根ざした三陽を一陽で括れば、太陽は陽中の陽、陽明は陽中の陰、少陽は半表半裏となるからであります。

 これらのことを理解したうえで、離合の『離』を説明致します。

 太陽は、衛気を巡らし、陽気を汗と共に散ずるので『開』であります。

 『開』が失調して閉じてしまうと、陽気が内鬱して発熱してしまいます。

 陽明は、陽気を固持して汗の出過ぎないようにし、衛気の元になる陽気を養うので『合』であります。

『合』が失調して開いてしまうと、太陽の『開』が開きっぱなしになってしまい、気が散じてしまって死に至ってしまうのであります。

 このように『開』と『合』は、陰陽互根・拮抗関係にあって、その時々の外界の変化に対応して恒常性を維持するのであります。

 そして少陽は、太陽と陽明の間にあって、開合の軸のような働きをするので、『枢』であります。

 扉で例えるのなら、扉が開いた状態が太陽であり、閉じた状態が陽明であり、少陽は扉と壁の両方にくっついている蝶番のようなものであります。

 太陽・陽明・少陽の働きが、それぞれぶつかり合ってちぐはぐになり、三陽経のどれかが突出して現れ浮かび上がって、孤立するようになってしまってはならないのであります。。

 なぜなら、この三者は、一陽であるからであります。

 

 帝が申された。『願わくば、三陰についても聞かせてもらいたい』と。

  岐伯が申された。

  身体の外部は陽であり、内部は陰であります。そうでありますから体の中焦の中心部は、陰ということになります。

 その陰の根源的な気は、下の足先にあります。名づけて太陰と称します。

 太陰の根は、隱白に起こります。名づけて陰中の陰です。

 太陰の根の後を、名づけて少陰と称します。

 少陰の根は、涌泉に起こる。名づけて陰中の少陰です。

 少陰の根の前を、名づけて厥陰と称します。

 厥陰の根は、大敦に起こります。

 陰の大敦は、六陽経の最後の少陽経を受けて始まるので、陰中の絶陽であります。

 また大敦は陰経最後の経絡の出発点であるので、これを名づけて陰中の絶陰であります。

 このように、陰陽の使い方は、縦横無尽でなくてはなりません。

 これらのことを踏まえて三陰の離合を述べますと、太陰は地気である飲食物を受け入れ、その精徴なるものを全身に行き渡せるので「開」である。

 厥陰は、血を蔵し防衛のために身を引き締める作用があるので「合」である。

 厥陰の陰気は少陰の陰気に根差し、太陰の陽気は少陰の陽気に根差している。

 なぜなら、少陰は先天の気を蔵しているからであります。

 したがって、少陰は「枢」となります。

 この太陰・厥陰・少陰の三陰経が、それぞれぶつかり合ってちぐはぐになり、三陰経のどれかの機能が突出して欠け、沈み込んで孤立するようになってしまってはならないのであります。

 なぜならば、この三者は、一陰であるからであります。

 一個の生命(合)は、これら、開・合・枢の三つの働きに分けて(離)考えることができるのであります。

 陰陽の気の往来は一時も止まることなく、天地の気を身体に蓄えながら全身を巡り、表面的に目に見える身体という「形」と、背景に存在している形を形たらしめいている目には見えない「気」と、陰陽互根の法則で成り立っているものであります。