ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。

閑話 - こころの形と五臓の形

 お昼に温かいお蕎麦を頂いて、暖かい書斎でつらつらと執筆してると、な~んとなくボ~としてきますね。

 で、信号のない泉北1号線をバイクでひとっ走り。

 頭がキーンと痛くなりましたが、強制的にリフレッシュ。

 さてさて、唐突ですが「こころ」に形って無いですよね。

 「こころ」を、気持ちを目の前の「ここに」出せって言われても、気持ちを何らかの形で表現するしかないですよね。

 また話が、ちょっと飛びます。ついてきてくださいね。 (*^^)v

 「ほとけ」を具体的に表現したものに、観音像とか阿弥陀仏像とか色々ありますが、いずれも誰しもが心の中に既に持っている仏性、様々な現れ方をする仏性をそれぞれに表現したものですよね。

 形は無くても、確かに存在する仏性。

 何が言いたいかと申しますと、東洋医学の五臓概念も仏像と同じということなのです。

 命が表現するものを、5つの要素でつかもうとして、五臓が想定されたのです。

 我々現代人の頭の中には、医学と言えば西洋医学がびっちり入り込んでいますので、五臓といえば、いわゆる実体のある臓器を思い浮かべてしまいますよね。

 実は筆者も、初学の頃はそうでした。

 東洋医学には、五臓という実体は無いんですよ。

 びっくりぽん! じゃないです?

 実際に解剖して、臓象図とのあまりの違いに驚いたと言われている「解体新書」の杉田玄白くん、ちょっと惜しかったね。

 臓象図とは、臓器の絵じゃなかったんですよ (^_-)-☆

 いわゆる臓器とは全く別のもの、世界観が全く異なるので接点は無いと考えるのが正解なんですよね。

 とはいってもね、それではとらえどころが無い、頼りない。

 そこで解剖的・写実的な臓器の形を元にして、なんとか『気の働き』を表現しようとしたのが、あの奇妙な『臓象図』と呼ばれるものなんですね。

 唯一、接点というならこの点だけですね。

 

『十四経発揮』本間祥伯著 より

上の図は、肝の臓と胆の腑の臓象図です。

 
 筆者から見ると、よくもまあこれだけ意味深長な図に仕上げたものだと感嘆してしまいますが、分からない人は子供の絵の方がまだ上手いと笑われるかもしれませんね。
 
 五臓には、実体がない?
 
 では、五臓に連なるとされてる、経絡の存在はどうなるの・・・!?
 
 経絡の実在が危うい?
 
 じゃあ、経絡上に在るって言われてる、経穴(つぼ)はいったいどうなるの?
 
 当然、そうなりますよねぇ (^^)/
 
 おぉ~、急に吹雪いてきました!
 
 
 鍼道 一の会
 


閑話 ー 経絡ってね・・・?

 本日は全国的に休日ですね。

 今日、天気は良いのですが、あまりの寒さにひるんで書斎にこもってます。

 暖かい部屋、しあわせですねぇ~。

 で、来年度「一の会」臓腑経絡学の教科書を執筆中であります。

 ちょっと休憩、閑話。

 ところで、針灸家の常識であります『経絡』というもの。

 これって、ほんまに経絡流注に沿って気血が秩序立って流れているんだろうか。

 下図は、足少陽胆経の顔面部流注です。

経絡学 中医薬大学全国共通教科書 浅野周翻訳
  素直に見て、図のように気血が流れてるって、自分自身の体感的に実感できるでしょうか?

実はね、これってずーっと自分の中でくすぶっていた疑問なんですが、やっぱり違うと思うんですよね。

 かといって、現代医学的な血管や神経の走行とも違いますしね。

 
 こんなこと、どうでもいいと言われれば、確かにそうなんですけれど・・・
 
 それにこんなこと書くと、初学者は勉強の意欲を無くすかもしれませんが・・・
 
 でもまれに、経絡現象を感じる方もいらっしゃいます。
 
 筆者も、足三里からお湯のような熱いものが胃経に沿って下に流れていく感覚がする時が、たまにあります。
 
 大体、このような現象の後は体調が良いです♪
 
 が、経絡現象を単に経絡に気血が流れているからと理由付けするのも、やはりなんとなく安易な感じがするんですよね。
 
 他にも常識とされてる理論に、疑問はいっぱいあります。
 
 例えば衛気と栄気は調和して、常に内外同時に流れているというのも、ほんとかな?って思うのですよね。
 
 衛気は日中は体表を循り、夜は体内に入るというのも同じです。
 
 単に気の流れが切り替わるだけだと思うのですが・・・
 
 恐れ多くも、黄帝内経に反した考えではありますが・・・
 
 インド医学にチャクラがあって、経絡がないのはどうしてなのだろうとかもね。
 
 それに湯液家は、経絡概念がなくても治療できますしね。
 
 おそらく、人間を認識する視点が異なるからなのでしょうけど、ある視点では存在しているのに、違う視点からは存在していない。
 
 それでも共通認識は、頭はひとつで手足はよっつ。
 
 やはり、人間って面白いですね。
 
 で、ここに来て鍼灸家にとって、経絡概念はやはり必須ですね。
 
 ただ、概念を再度はっきりさせる必要があると。
 
 筆者は、肉体に重なっているもう一つの身体が存在すると想定すると、なんとなくすっきりしそうなのですが・・・
 
 読者諸氏は、どのようにお考えでしょうか。
 
 
 鍼道 一の会
 
 
 

親切・・・「一の会」特別講座に際して

 親切って、親を切ること?

 切とは、ぴったりと相手に寄り添うことの字義があります。

 親が子を思う気持ちと、子の思いとを一にして、ぴったりと寄り添うことを親切というのですね。

 東洋医学では、患者に直接触れて候うことを切診と申します。

 切診とは、実際に相手に触れた手から伝わってくるものを、心を平らかにして察知する診察法です。

 このあたりの消息は、素問<平人気象論十八>
「常以不病調病人.醫不病.故爲病人平息.以調之爲法」
 常に病ざるを以て病人を調う。醫は病まず。故に病人の爲に息を平らかにし、以て之を調うを法と爲す。
 
 に、如実に語られている通りです。これって、あまり注目されていませんが、極意と言えば極意です。


 2月5日の「一の会」では、稲垣学術部長の実技披露にモデルを買って出たのですが、参加者の切診を通じて伝わってくるものを、実は観察していました。

 結果は、素晴らしいものでした。

 みなさん、学術が自分のものになっておられると感じました。

 「触れる」という行為には、互いの気の交流が行われています。

 触れて触れられて、快に感じるか不快に感じるか。

 これが答えであり結果です。

 お互いの総体としての在り様が、直接肌を切っする接点において、瞬時にやり取りされるのが、実際に触れ合うということの意味合いです。

 筆者は、目を閉じて唯々触れられる手から伝わってくるものを受け取っていたのですが、一年目の方、二年目の方、それぞれに個性を感じつつ、それぞれに出来上がりつつあるものを感じ取れて、とてもうれしく思えました。

 触れることから、何を読み取ろうとするのか。

 それぞれの人間理解の視点と学んだ学理がどれだけ心になじんでいるかが、如実に伝わってくるものです。

 どれだけ学理を積んだとしても、最後には切して刺鍼し、切して抜鍼します。

 この点は湯液の世界とは大きく異なります。

 鍼灸医学は、最後の最後まで術者の在り様がそのまま結果につながる医学です。

 この最初から最後までのアプローチの在り様は、永松先生による『身体学』が多くの示唆を与えてくれます。

 4月からの新講座に向けて、我々講師陣も区々精進中であります。

 鍼道 一の会

2016年度 第11回特別回「一の会・東洋医学講座」活動報告

 鍼道 一の会スタッフの大上です。

 あっという間にもう2月。

 昨年4月から始まりました今期の東洋医学講座も、おかげさまで無事最終回を迎えました。

 ついこの間始まったばかりのような気がしますが・・(^_^;)

 過ぎていく一日一日を大切に過ごしたいと改めて感じる今日この頃です。


 さて、今期の講座の最終回、大トリを飾るのはこの人↓
稲垣順也 先生
稲垣順也 先生


 我らが一の会の学術部長にして金澤代表の愛弟子でもあります稲垣先生です。

 以前より、本講座において予告されていました秘蔵の脈診法を初公開していただきました!


 「焦らして焦らされ続けた」とおっしゃいます永松副代表が急遽、前座を務めてくださり、金澤代表がモデルを務めて下さるという熱の入れよう(*^^*)

 動画撮影担当の私も気合が入りました!

 そして、ゆっくりと分かりやすく話す稲垣先生の言葉に、受講生の皆様もグイグイ引き込まれていくのがよく分かりました。

脈診指導中の稲垣先生
脈診の指導をする稲垣先生


 未だ門外不出でありますこの脈診法について、ここで詳しく記述することは出来ませんが、興味を持たれた方はぜひ、『鍼道 一の会』東洋医学講座で ご一緒に勉強いたしましょう!

稲垣先生・永松先生・金澤先生
最後に講師3人よりご挨拶

 一年間ありがとうございました!


 そして、2017年4月からの次期講座の募集も始まっております。

 募集要項はこちらです↓↓


 ▶▶『鍼道 一の会』東洋医学講座 2017年度 募集要項




鍼道 一の会


少陰病について


 今月の鍼道・一の会『東洋基礎医学講座』では、私・稲垣は、『中医学』の「不内外因」と『傷寒論』の「少陰病」を題材にしました。

 この記事では、冬という季節柄、傷寒論の少陰病について、講義内容を紹介してみたいと思います。

 対象は、専門家を想定しております。



 少陰病とは、病証としては「陽虚」あるいは「陰虚」の人が、外寒の影響を受けて「ひたすら寝たがっている」という状態です。

 学校教育では、陽虚と言えば「冷え」、陰虚と言えば「ほてり」というイメージが付きやすいかと思いますが、それだけでは臨床の指針としては心もとないことでしょう。



 陽虚とは、体内の陽気(エネルギー)が不足して、津液(水)を自力では動かせなくなってきている状態です。

 陽虚について考える時、この、自力では動かしきれなくなった津液を視野に入れることが重要だと思います。

 ここを押さえれば、陽虚の症状である未消化便や体の冷え・しびれ・動かしにくさなどや、少陰病の症状である活動性の低下は、一人の人間に併発し得ることとして納得できるかと思います。

 更に、他の併発症状についても、理解や類推がしやすくなるでしょう。



 一方、陰虚とは、陰液(血や津液)の漏出が続いて不足に陥り、自分の陽気(エネルギー)を落ち着けられなくなってきている状態です。

 そのため、ほてりや乾燥と共に過度な興奮が生じ、睡眠の質も低下して、結果的に日中の活動性が低下してしまいます。

 よって、陰虚の人を治すには陰液の漏出を止める必要がありますし、漏出が見られないなら、それは陰虚ではないかも知れないのです。



 以上、陽虚と陰虚について掘り下げてみると、普段から鼻水やむくみなどが出やすい人は陽虚を経由して、不正出血や尿崩症などを起こしやすい人は陰虚を経由して、少陰病に陥る恐れのあることが分かります。

(注:鼻水は、本来は出るべきでないところから水があふれている状態ですので、漏出ではなく、むしろ停滞を問題視すべき症状となります)

 現在、インフルエンザの流行が心配されており、インフルエンザは東洋医学で言うところの「外寒」に基づく疾病ですから、上記のような症状のある人たちが感染した際の危険性はよく認識しておくべきでしょう。

 なぜなら、「少陰病」は病の最終段階の一つであり、そこでは生死が問題となるからです。

 「ひたすら寝たがる」という少陰病の定義は、実はそれなりの危機的状況を表現しています。

 逆に言えば、東洋医術に生きる我々や皆様が、日々の臨床で、陽虚傾向あるいは陰虚傾向の人を改善し続けることは、インフルエンザの被害の軽減に貢献する貴重な行為でもあるはずです。

 同業の皆様がこれまでなさってきた貢献、あるいはこれからなされていく貢献が、どうか感謝で彩られたものであるよう願っております。



一の会

活動報告(ダイジェスト動画)―「鍼灸師のための勉強会」 大阪医療技術学園専門学校にて―

 早いもので、もう12月。今年も残すところあとひと月となりました。

 先日11月27日(日)に、大阪医療技術学園専門学校において行われましたセミナーの様子を、約14分のダイジェストにまとめました。

 今回のテーマは、『鍼はこんなにも効くんだ!』 『鍼って面白い!♪』 でした。

 それを実感するためには、

  • 刺鍼前にしっかりと見るべきところを診ておく。
  • あらかじめ、どのように気を動かすのかを計画しておく。


 この2点に集約されるのではないでしょうか。

 是非、動画内容をご覧ください。

 当日は本降りの雨の中、ご参加くださいました皆様、ありがとうございました。

 そして、セミナー準備に携わっていただいた 奈良上眞先生をはじめ教員の皆様、ブログでの公開を快諾して下さった参加者の皆様に、この場をもちまして厚く御礼申し上げます。




 『鍼道 一の会』 2017年度 第4期生

募集要項はこちらへ ▶▶ http://www.iori-hermitage.jp/enlightenment/japanese_medical_class/schedule_2017.html


鍼道 一の会

ランの花と明日の症例





 一雨ごとに冬に近づいていくのでしょうか。

 次第に寒さを意識するようになって参りました。

 昨日、ランの花の贈り物が治療所に届きました。

 この数年、毎年この時期に贈ってくださる方からです。

 かつて息子さんがクローン病で来院し、約10ヵ月で完治してから毎年贈ってくださるのです。

 手書きで、最近の息子さんの様子なども書き添えられており、しばし医療人冥利に浸らせて頂きました。

 治療は、もちろん息子さん本人に行ったのですが、筆者の眼目は、いつも母としての悲しみと難病と診断され出口の見えないお母さんの不安を治めることでした。

 息子さんの病気よりも、お母さんの心に安心を見つけてもらうことの方が優先順位としては先だったのです。

 不思議と思われるかもしれませんが、息子さんが廃薬を決めいよいよ完治に向かった時期と、お母さんの心に安心が訪れる時期とは同時進行でした。

 なつかしいなぁ、あのころ。

 不安と葛藤を抱えつつ、互いに真剣に取り組んだあの時が。

 あっ、今も真剣にやってますよ。

 明日の『鍼道 一の会』の症例は、少々古いですがこの病の証治を解説することにします。

天体が人体に及ぼす作用

雨上がりの朝


 私たちの生活の場は、天体と地球の間にあり、天体から受ける大きな作用を、普段あまり意識することなく暮らしている人も多いのではないでしょうか。

 その反面、星座や星の位置関係が、人の心身に影響すると考えられている、星占いに関心を持っておられる方も、意外に多いのではないでしょうか。

 実際に、地球も含めて人間は、天体から様々な影響を受けています。

 東洋医学は、個人の体調や病だけでなく、精神情緒にまで影響することが前提で組み上げられた医学です。

 筆者のいおり鍼灸院でも、月齢カレンダーを置いて毎日月齢を確認していますし、日々の天候・気象変化と体調・精神情緒との関係を常に意識して治療を行っています。

 おそらく、東洋医学系の鍼灸院では、どこでも常識レベルのことだと思います。

 と、豪語いたしましたが、運気学説は今現在取り込み中です。



 それはさておき、筆者が目にしたことのある天体が地球や人体に影響している例をいくつか挙げてみますね。

 かつて高速道路交通警察隊を退官された方の本を読んだことがあるのですが、満月と新月の日に死亡事故が多発しているそうです。(書名は、忘れました)

 満月の時は、うっかり型、新月の時は暴走型の死亡事故が集中すると書かれていたのを、記憶しています。

 みなさま、満月と新月の夜の運転には、気をつけましょうね。


 またサンゴの産卵は、必ず満月、大潮の日にされます。

 筆者も沖縄・阿嘉島で遭遇したことがあります。港内は、サンゴの卵でピンク色の潮で一杯でした。

 さらに潮の大小は、月と太陽の位相(黄経差)でほぼ決まるらしいのですが、東京湾では最大潮位差が15mを超えたこともあるそうです。

 東京湾の海水を15mも引き上げるって、とんでもない大きなエネルギーですよね。

 
 またあの怖い地震も、天体の影響が作用しているとの観測もあります。

 以下、ウィキペディア 潮汐 から引用してみました。
 
 地震の発生とは有意な関係があるとされる。
 それは潮汐力は地球内部の岩盤にも影響を与え上下伸縮を引き起こしているためで、特に断層の方向と地球潮汐の方向が一致し力が最大となったときに、地殻変動ひずみの限界と重なり最後の一押しとなって地震を誘発するものと考えられている[16]。潮汐が地震の引き金になったとみられるケースは世界における地震全体の5%程である。

 そういえば、阪神淡路大震災前日の夜空は、澄み切った夜空にきれいな大きな月が出ていた記憶があります。

 人体との関係では、かつてメニエル氏病を発症して救急搬送された患者さんから聞いたことです
が、搬送先の看護師が「今日に限ってなんでこんなにメニエルが多いの」ってつぶやいていたそうです。

 この日もちょうど満月でした。

 恐らくこの日に発症した人は、水邪が関係しているタイプのメニエル病ではないのかと推測しています。

 少なくともこの患者さんは、ワインを多飲して水邪を溜め込んでおられましたね。


 もっと身近なところでは、女性の月経は月齢周期に同期していることは、結構知られていると思います。

 もう20数年前のことですが、ある体育系の女子大生が、「生理って感染するんです。ひとりが生理になると、部員が次々と生理になるんですよ。」というではありませんか。

 調べてみると、はやり満月の前後に集中していました。

 また女性は月経前後に、特に精神情緒の変動が大きい傾向にあります。

 現代医学では、ホルモンが・・・なんていうのでしょうが、それは結果であって本当の原因ではないと東洋医学では考えます。

 その他にも、見渡せば天体の作用に同期した、動物や植物などは無数にあるはずです。

 これら天体の作用をしっかり認識して、健康に生きるために考え出されたのが東洋医学的養生法の基本になります。

 運気学説は、自然界の気を認識し、未来を予測するための道具です。

 さらに具体的に人体の気の変化に当てはめ、現在から未来を認識するためのアイテムとなります。


 一の会

 

暦の基本的な理解・・・<素問・六節蔵象論>より

初秋 まだまだ鮮やかな花々が楽しめます
 
 



 「一の会」では、内経医学の天人合一思想を中心軸に据えて参加者、講師ともに学びを進めております。

 
 この天人合一の観点から易学と五運六気を医学に応用すべく、永松周二先生に講義して頂いているのですが、まずは基本的な暦と陰陽の変化を、筆者の復習として解説いたします。

 暦に関しては、たくさんの種類があるのですが、ここでは<素問・六節蔵象論>に記載されています太陽暦「六六を以て節とする」という部分を中心に解説したいと思います。

 「六六の節」は、1年を360日として計算されたものです。

 一般的に知られている24節気は、太陽暦で計算すると360日÷24節気=15日と非常に分かりやすいですね。

 この1年360日の起源は、紀元前5000年ころメソポタミアのバビロン人によるものだそうで、太陽は天度1度ずつめぐるので、360度を一年と定められたことに始まるのだそうです。

 円周が360度なのはバビロニア人が作った暦が起源で、数学的に割り切れて便利なことから、現在も用いられています。


 1時間60分とされてる60進法も、ここに起源があったのですね。

 さて、現在は1年365日となっており、五運六気も1年365日で計算されていますが、ここでは<素問・六節蔵象論>1年360日「六六の節」を説明して参ります。


<素問・六節蔵象論>の一部抜粋です。いきなり漢文ですが、読み飛ばして頂いても結構です。

 以下のブログに、分かりやすく全文を意訳していますので、ご興味のある方は以下をクリックしてご覧ください。

 
 
 「一の会」の皆様は、今後の講義がより深く理解することが出来ますので、是非一読しておいてください。


天以六六爲節.地以九九制會.天有十日.日六竟而周甲.甲六復而終歳.三百六十日法也.
 天は六六を以て節と爲し、地は九九を以て制會す。天に十日有り。日に六竟して甲を周る。甲六復して歳を終える。三百六十日の法なり。

五日謂之候.三候謂之氣.六氣謂之時.四時謂之歳.而各從其主治焉.

 五日これを候と謂う。三候これを氣と謂う。六氣これを時と謂う。四時これを歳と謂う。しかして各おの其の主治に從うなり。


 甲と記されているのは、甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸の天干=十干の最初を指しています。
 この天干=十干に、いわゆるエトと呼ばれる 、地支=十二支である子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥を掛け合わせたものが、いわゆる甲子表と言われるものです。



 
 見てのとおり、天干と地支の組み合わせは、2つずつずれるので、天干は6周、地支は5周でちょうど60通りの組み合わせが出来上がります。

 還暦と呼ばれているのも、生まれた暦歴に還(かえ)ることから由来しています。

 壬申の乱であるとか、辛亥革命とか歴史で習っていると思いますが、現代の西暦の代わりに年号を現すために使われていたのですね。

 さてこの天干は、太陽を観察して得られた暦です。

 (ちなみに十二支は、月の周期と北極星の動きを観察して得られたものです。)

 古代中国では、圭表(けいひょう)という道具を用いて太陽を観察し、表(棒)の影の長さを圭(目盛盤)で観測していました。
 
圭表
 
 
 そしてまず、影が最も長い時を冬至とし、影が最も短い時を夏至と定めます。
 
 これで冬至と夏至の二至で、円が二分割されます。(図1)
 
図ー1


 次に最も長い影と短い影の中間をそれぞれ春分と秋分と定めます。
 春分と秋分の
二分を加えると、円が四分割されます。
 
 ここまでの作業は、二至二分と称されています。(図2)
 
図ー2  四季・四時 二至二分
 

 これで、
四季四時が明確になります。一季・一時は90日となり、四季・四時を掛け合わせると360日となります。
 

 ここからさらに四時の中間に立春・立夏・立秋・立冬を立てて八節にします。これを四立と称します。(図3)
 
 八節は、一時90日の半分なので、45日になります。従って45日×8節=360日となります。
 
 
 
図ー3 八節


 

 さらにこの一節を15日ずつ三等分します。
 
 この3等分の1を素問では、「気」と称しているのですが、現在では節気と称され24節気として一般に広く知られています。(図4)  15日×24節気=360日
 
 
 
図ー4 24節気
 
 
 そしてこの節気をさらに三等分したものを候と称します。つまり5日を一候としますので一年は72候となります。(図5) 5日×72候=360日
 
 
 
 

図ー5

 
 1候は、まず天の気が先行します。次に天の気を受けた地の気が変化し、そして天地の間の人の気に変化が及ぶことを示しています。(図5)
 
 具体的に昼間を例にすると、まず天の太陽の陽気が高くなると、少し遅れて大地が温められます。
 
 すると温められた大地から地気が立ち上ります。そしてようやく天地の間の人の気(百葉箱)の陽気が上がってきます。
 
 太陽高度が最も高くなる正午の気温よりも、少し遅れて私たちが生活している場の気温が上がることを説明したものです。
 
 陰気の消長も、同じように考えます。
 
 
 
 
 
図ー5 三才陰陽変化
 
 

 そして太陽暦を365日にした上で、月の満ち欠けと北斗七星の柄の部分の位置を掛け合わせて、現在の太陰太陽暦が出来上がったのですね。
 
 詳しくは、ブログ鍼灸医学六節蔵象論 をご覧ください。

 
 「六六の節」は、五運六気の考え方を大雑把に述べたもので、五運六気論では60日と87.5刻を1気としています。
(一日=100刻)
 
 これから筆者自身の理解のために、少しずつまとめて参りたいと考えております。
 
 読者諸氏からも、ご指導を賜れば幸せです。
 
 
 一の会

国際東洋医療学院 OB会セミナー


 10月2日、国際東洋医療学院のOB会へ行ってきました。

 一の会幹部総出の、本年度・第一回目のセミナーでした。

 今回もまた、「一の会」でお伝えしていることの一端を、みなさまにお話しする内容となりました。


 受講者の方々には、東洋医学で人を診るとはどういうことなのかを、実演を通して体感していただきました。


 すぐれた施術は、理論に基づいた気の読み取り術と感覚との調和から導き出されます。

 術者の心持の大事、気の置き所、気の使い方については、副会長の永松周二先生がご教授されました。


 理論と実践においては、会長の金澤秀光先生が担当してくださいました。


 鍼灸臨床の実演の中で、金澤先生は患者役を担当してくださった先生の心身の近況を、不問診で占い師のように当てていかれました。

 それは体が表現している気象・シグナルを東洋医学理論を用いて読み取っていった結果なのです。



 稲垣も、経穴のアプローチの仕方・触れ方・診察法を指導してまいりました。


  
 次回は11月13日(日)に、再度 国際東洋医療学院 でセミナーを行います。

 既に臨床に携わっておられるOBの先生方には、自分の手で絶対に治したい人がいる、治したい病がある。

 参加される在校生の学生さん方には、どこに梯子をかけて学べばいいのか。

 このような皆様のご要望に、お応えできる内容にしてまいりますので、是非 次回もご参加ください。

 そしてセミナーの準備だけでなく、終始お立会いくださいました安達先生、本当にありがとうございました。

 そしてご参加くださいましたみなさま、ありがとうございました。