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ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。

医心方

医の技(6)孔穴主治法第一 頚部左右諸穴

頭部から部位毎に、下がって経穴を説明している医心方。 多くは黃帝三部鍼灸甲乙経から抜粋しています。 当時も鍼灸の初級から上級への理解、臨床への門が狭く、徒弟制度の中で伝えても、目先の結果だけに走る人が多かったことがうかがえます。 とはいえ初心…

性を養う(11)雑禁第十一

性を養う、最後は養生における諸々の禁止事項について。 毎月の忌み事や一の不当、二の不可、三の愚、四の惑、五の逆、六の不祥、七の癡、八の狂と覚えやすいように書かれています。 他の養生書にも細やかな禁止事項の記載がありますが、本来日本人が一年の…

性を養う(10)居処第十

性を養う(10) 居処第十養生篇第十は住むところに関して。 身体の外の第一防波堤としての衣服の次は第二防波堤としての住むところ。 この時代は、気候や自然現象の影響を身体感覚で感じとれる人も多かった為、様々な注意点を示しています。 実際にはその…

性を養う(9) 服用第九

第九は服用と書かれていますが、薬の服用ではなく、衣服の用い方とでも解釈したほうが良い節です。 基本的に季節に沿った服の厚みについてですが、特に冒頭部分では、春は天氣が温かくなるが、実際には地氣まで温かくはないので衣服を薄くすることで、厥逆が…

性を養う(8)言語第八

言語の養生については、基本妄りにしゃべるのではなく、要点をゆっくりと相手に響くようにしゃべること。 冬であれば気が藏している為、自分からしゃべることは極力少なく、質問に対して答えるようにしゃべること等と書かれています。 又、他の行動と言語を…

性を養う(7)臥起第七

行住坐臥という言葉があるように、本来行止第六と臥起第七は文字数自体も少ないことから纏めても良いと思われます。 敢えて分けたのは行止は動、臥起は静動の終始と考えての事でしょうか。この辺りの考えの深さは未だ分かっていません。 寝相は悪い方が、日…

性を養う(6)行止第六

養性篇第六は、立ち居振る舞いについて、千金方と養生志から引用しています。千金方には「人には4つの正すべき行動がある。正しく歩き、正しく坐り、正しく立ち、正しい言葉を使うことである。空腹時にはじっと止まり、満腹したら歩くようにすること」又云…

性を養う(5)導引第五

さて、導引の節に入ってきましたが、前回の用氣で導引についての基本を説明していた為に、ここでは導引と按蹻を混ぜながら、毎日行う気の整理整頓について具体的に示しています。特に千金方の十八勢等は日々のケアに入れておくと良いですね。養生要集には「…

性を養う(4)用氣第四③

用氣第四の三項目目は、意識の巡らせ方、所謂導引の基礎が主体となっています。 呼吸を止めて意識を巡らせる方法。天候が悪ければ行わないこと。治療に用いるには意念(イメージ、意識)をその場所へ持っていく事。気を修練して効果がある時間帯を生気、ない…

性を養う(4)用氣第四②

気の修練の為の知識と実践について 先ずは、鼻毛のお手入れです。 汚れた気を入れるところは鼻毛がフィルターとなっていますので、定期的に手入れをしていなければ、汚れた気をある程度鼻で浄化するという事ができません。 しっかりと、呼吸を通す為に手入れ…

性を養う(4)用氣第四④

用氣最後の項は、第三項と同様、気を修練する際の詳細について記載されています。 ほとんどが寝室で、ゆったりとした状態で行うべきだと書かれています。 そして、鼻から吸って口から吐く事を基本としており、鼻から吸って、気を口の中に満たないように何度…

性を養う(4)用氣第四①

医心方養生篇四番目は氣を用いるという節です。 槇佐知子氏は「きをおさむ」と訳しておられます。氣という概念を具体的に示し、どうやって考え感じ実践していくべきかを綴っている部分で、筆者も同意見です。 用氣第四の始めは、抱朴子、養生要集、彭祖を引…

性を養う(3)養形第三 ③

養形は細かな養生法がたくさんある為に、項目別に記してくれています。今回は目と髪について。 眼は昔は命門と呼ばれていましたが、東洋医学では現在、腰を命門と呼んでいます。 下半身で火を炊き、お腹に溜めた栄養を沸かして蒸気にし、その中で極めて精錬…

性を養う(3)養形第三⑤

養形第三最後の項目は、沐浴に関する諸々の注意事項が書かれています。 抱朴子に云う、「月が井宿に入った日に沐浴すべきである。長生無病になる」 又十二月の月ごとに沐浴すべき日として、「正月十日の人定(8時〜9時)、二月八日の黄昏時、三月六日の日…

性を養う(3)養形第三 ④

今回は齒について記載されている部分を抜き出しています。 最後の方に寅の日、午の日など日時についての記載がありますが、これは本来養形第三の最後に入れるべきだったのではないかと考えています。 大素経とは、楊上善と書かれている事から、黃帝内経太素…

性を養う(3)養形第三②

養形第三も総論が終わると、各論に入ります。 あらゆる所作における禁忌、慎むべき事項を説明してくれていますが、当然突然始めても、習慣化するのは難しいものもありますので、参考として徐々に行うのが一番良いでしょう。 ここでは、汗、二便についての注…

性を養う(3)養形第三①

養形第三の始めは、<黄帝内経・素問 四気調神大論篇第二>からの抜粋です。 ここから始めに出てくる養生要集の部分までが、養形篇のダイジェスト的な役割を担っています。 即ち、形を養う事の大まかな指標について、内経では四時(四季)に合わせた生活の話…

性を養う(2)谷神第二

養生篇第二は谷神と題されています。 谷神とは文中に出てくるように、身体の神である心を養う事です。大體第一は総論であり、ここから各論に入っていきます。 先ずは老子の道経から神についての定義がなされ、史記を引用して形神を安定させることの重要性を…

性を養う(1) 大體第一④

養生篇大體第一の最後は、神仙について、嗜欲について、抱朴子、荘子、呂氏春秋、顔氏家訓です。顔氏は「周礼」や「春秋左氏傳」を伝える家に生まれ、北齋、北周、隋に仕えたとされる人です。 どれも養生の大切さと、人によっての違い、欲を節制することの大…

性を養う(1)大體第一③

性を養う(1)大體第一③ 仲長統は、後漢末期の学者、昌言二十四篇を著したそうですが現存していません。一部でもこういうのが残っているのが又、医心方の良さですね。 素問・異方法宜論第十二では、五つの方角による特徴を記していましたが、ここでは南北、…

性を養う(1)大體第一②

ここからは幾つかに分けて訳します。今回は文子、養生要集(その中で引用されている中経)、少有経、彭祖の引用です。 文子の引用では、養生の順番、基本を唱え、養生と欲望との関係性をはっきりとさせています。 養生要集では、養生の具体的な方法、人によ…

性を養う(1)大體第一①

本日ふとしたことから、医心方巻二十七養生に目が行き、大體第一を読んでフェイスブックに掲げ、流れでブログに書くことになった為、自力ではなく望月学先生、槇佐知子先生の両先人が書かれた書き下し及び訳を参考しながら、書き下しの現代語調整、独自の見…

医の技(5)孔穴主治法第一 面部諸穴三十九穴 頤下部二穴

医心方では、頭部を頭部、面部、頤下部の三部位に分けて記述しています。 頭部では三部位に分けた後、更に一行、二行、三行と分けていますが、面部では正中線の一行七穴とその他として三十二穴を分け、頤下部では、中矩穴、廉泉穴の二穴だけです。特に中矩穴…

医の技(4) 孔穴主治法第一 頭部三行、その他愚考

頭部は五行に分割して考察していますが、左右対象の為、一つとして捉えると三となります。 一生二、二生三、三生万物と言われている道ですが、三から五を生み陽数の極みが五であることを考えると、臓腑の五行と異なる観点からの五行であることが分かります。…

医の技(3) 孔穴主治法第一 頭部二行 愚考

頭部二行は、所謂足太陽膀胱経の頭頂部周辺の経穴五箇所が記載されている。五処 此れを以て諸々の陽気の熱、衄、善く嚏り、風にて頭痛み、汗出で、寒熱を癃み、脊強 み、頭反り重き、を泻す。承光 風にて眩し、頭痛み、歐かんと欲し、煩心、青盲にして遠く…

医の技(2)医心方巻二 孔穴主治法第一 頭部一行愚考

頭部は五行として前から後へ五本のラインで区切ってそれぞれの取穴部位、症状、主治、鍼の深度、灸の壮数を記載しています。 五行と言っても正中線(矢状縫合に沿った督脈)以外は左右一対なので、実際には三種になります。 この記載の仕方は、黃帝三部鍼灸…

医の技(1) 医心方巻二 鍼灸

医心方巻一の心、志、技、道具の準備を終えたら、いよいよ丹波康頼の本道である鍼灸に入ります。 鍼灸編では、黃帝明堂経、華扁鍼灸法は難しく、又それぞれ分かれていて分かりにくいので、部分別に主治を書きながらも、古人の気持ちと技は壊さないようにした…

医の心(9) 薬畏悪相反法第九及び諸薬和名第十

医心方巻一の最後の篇に当たる、薬畏悪相反法と諸薬和名は、どちらもかなり専門的な薬材のお話しです。 薬畏悪相反法は、漢方の七情の考え方(感情の喜、怒、哀、懼、愛、楽、欲と単行、相使、相悪、相反、相畏、相須、相殺を類似して考え配合に生かす方法)…

医の心(7) 合薬料理法 第六

医心方巻一の第六篇は調合法についての記載になります。 ここでも冒頭に、薬を搗く際には、 先ず香を焚き、水を撒いて清潔にし、雑談をしてはいけない。 幼い子供に薬を搗かせ、努めてこなれさせる。 と、エネルギーの発生する場を浄め、心も浄め、エネルギ…

医の心(6) 服薬中毒方 第五

服薬中毒方では、葛氏方をメインに、集験方、医門方、本草経から引用されています。 様々な誤治による症状を改善する為の処方が書かれています。 冒頭の重態の時の処方である、東壁土をはぎ取って、水三升で飲むという様なものは、現在では非科学的であり、…

医の心(8) 薬斤両升合法 第七 及び 薬不入湯酒法 第八

第七篇薬斤両升合法は、度量衡に関して記載されています。敢えて書くと、度量衡は数字であり、道具です。 本草経、蘇敬の言葉、葛氏方、千金方、経心法、小品方等から引用されています。煩雑な為、要点のみを述べると、現代と当時は量を測る単位が違いますが…

医の心(5) 服薬禁物第四

服薬節度では、養生の大切さと薬の服用基準について書かれていましたが、服薬禁物については、薬を服用する際の食事制限に関して書かれています。服薬しているときは、主に蒜、ぬるぬるしたもの(恐らく、こんぶ、とろろ、おくら等と考えられるが、詳細の記…

医の心(2)治病大体第一 ①

三回目にしてやっと本題に入ってきました、医心方。 治病大体第一に入る前に、医心方全体の構成から。 巻一は治療に必要な事項に関して。 巻二は鍼灸に関して。 巻三から巻二十五までは疾病と治療に関して(他の事項も含まれますが大まかに書いてます)。 巻…

医の心(3) 諸病不治証第二

第二章では、あらゆる病で治癒しないものについて述べています。東洋医学の世界では、生長化老死という人間の誕生から死までのサイクルを表してます。つまり死は必ず訪れるという大前提を全面に出し、それを認識することから養生や病について語っています。 …

医の心(1)序文

医心方は、中国皇帝一族の末裔が、渡来して帰化し当時のあらゆる治療法、養生法を纏めた物であるという事は前回書きました。 序文では、天皇に献上された後、日本の戦国時代頃に正親町天皇が病に倒れ、医療の家系としてはライバルに当たる和気家の系統(当時…

医の心(4) 服薬節度 第三

本章は題名の通り、薬を服用する際の限度について記載しています。 引用は千金方、養生要集、本草経、抱朴子、蒋季琬(唐本草の撰者の一人)、葛氏方、刪繁論(さんはんろん)です。 まずは、扁鵲の言葉から 人は肉体を依り代として生きており、肉体の調和…

医の心(2) 治病大体第一②

治病大体第一の二番目は誤治について張仲景を引用し、誤治した際にはどのような状況になるのかを記しています。「灸するべき時にしっかりとしなければ、寒邪が体内に凝り固まって、時間が経つと更に固くなった後、その気が心を衝き上げ消散するところがない…

温故知新

この言葉の大切さを改めてかみしめる事がありました。 現代医学ではヒポクラテスの誓いという医の倫理を説いた文があり、医師会のHPでも掲げておられます。 一方、東洋医学では、中国の「黃帝内経」という医学書が最も古いとされていますが、日本ではその古…