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ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。

筆者 : 金澤秀光

三才思想①ー理想と現実

東洋医学の基本的な考えに、天人合一思想というものがあります。 天人合一の「天」とは大宇宙・大自然のことで、「人」とは小宇宙・小自然のこと。 自然界の気の動きや変化の法則は、それはそのまま人間にも当てはまるという考えです。 つまり人間をミクロコ…

誇りについて

我々東洋医学をやってる人間は、中国や日本の古典に触れる機会が多いのですが、それらに触れていると、時折著者の『誇り』のようなものを感じるんです。 誇りって、自慢じゃないですよね。 これは、明確に別物です。 誇りと優越感、優越感は劣等感の裏返しで…

新年度に向けて

桜の満開時期もピークを過ぎ、みなさま、新たな気持ちで新年度スタートを切っておられると思います。 「鍼道 一の会」も、多数の参加応募の方々を迎え、いよいよ今月16日(日)基礎講座からスタートいたします。 それに向けて昨日13日午後、幹部講師会議を行…

卜占と医学

このところ、易についてつらつら思うこと、心に思い浮かんで来ることをランダムに書き連ねたいと思います。 前期「一の会」臨床講座で、医学は占いに起源をもって今日に至っている。しかもその占術は、現代行われている四診にもつながっていることを講義しま…

閑話 - 漢方は毒?(最終回)

これまでの稿で筆者が皆様にお伝えしたいことは、本来、鍼や漢方が内包している素晴らしい世界を少しでも知って頂き、みなさまのお役に立てて欲しいとの思いからです。 それとともに、漢方や鍼を含む東洋医学は『体にやさしい』『副作用がない』などというイ…

閑話 - 漢方は毒?(5)

閑話ー漢方は毒?(1) 閑話ー漢方は毒?(2) 閑話ー漢方は毒?(3) 閑話ー漢方は毒?(4) ↑ 前回の続きです。 前回までは、『瞑眩(めんげん)』とよばれる好転反応について書いてきました。 今回は、いわゆる風邪を例にして、どのように瞑眩を起こ…

閑話 - 漢方は毒?(4)

閑話ー漢方は毒?(1) 閑話ー漢方は毒?(2) 閑話ー漢方は毒?(3) ↑ 前回の続きです。 今回は、戦争で邪気に勝てると確信を持ち、一気に勝負に出でるとどうなるの?といういうところまでお話ししました。 一見悪化したかのような、激しい症状が起きま…

閑話 - 漢方は毒?(3)

閑話 - 漢方は毒?(1) 閑話 - 漢方は毒?(2) ↑ 前回の続きです。 漢方は、じっくりじんわり効いてくる? 長く服用しないと効果が現れない? まことしやかに、広く世間で流布している漢方薬のイメージについて書いて参りました。 結論から言えば、確…

閑話 - 漢方は毒?(2)

前回のブログで、漢方薬は毒だと古典に記されていることをお伝えいたしました。 ↓ 閑話 - 漢方は毒?(1) 大半の方は漢方薬は「身体にやさしい」あるいは「副作用が無い」というイメージをお持ちじゃないでしょうか。

閑話 - 漢方は毒?(1)

山茶花 本日より、Hatena Blog に引っ越して参りました。 少々勝手が違うので戸惑い気味ですが、まあ、その内に慣れますでしょう。 前回、「鍼は危険・有害」だからこそ効くのだと申し上げました。 ↓ 『鍼ってなぜ効くの?』 今回も少々過激な表題ですが、い…

閑話 - 鍼ってなぜ効くの?

立春も過ぎ、公園に子供達も帰ってくる頃 『鍼はなぜ効くか』 単純で素朴な問いですが、調べてみると意外と明確にスパッと答えられているものが見当たらないんですよね。 答えは、単純明快。 鍼は、危険で有害だからです。

閑話 - こころの形と五臓の形

お昼に温かいお蕎麦を頂いて、暖かい書斎でつらつらと執筆してると、な~んとなくボ~としてきますね。 で、信号のない泉北1号線をバイクでひとっ走り。 頭がキーンと痛くなりましたが、強制的にリフレッシュ。 さてさて、唐突ですが「こころ」に形って無い…

閑話 ー 経絡ってね・・・?

本日は全国的に休日ですね。 今日、天気は良いのですが、あまりの寒さにひるんで書斎にこもってます。 暖かい部屋、しあわせですねぇ~。 で、来年度「一の会」臓腑経絡学の教科書を執筆中であります。 ちょっと休憩、閑話。 ところで、針灸家の常識でありま…

親切・・・「一の会」特別講座に際して

親切って、親を切ること? 切とは、ぴったりと相手に寄り添うことの字義があります。 親が子を思う気持ちと、子の思いとを一にして、ぴったりと寄り添うことを親切というのですね。 東洋医学では、患者に直接触れて候うことを切診と申します。 切診とは、実…

ランの花と明日の症例

一雨ごとに冬に近づいていくのでしょうか。 次第に寒さを意識するようになって参りました。 昨日、ランの花の贈り物が治療所に届きました。 この数年、毎年この時期に贈ってくださる方からです。 かつて息子さんがクローン病で来院し、約10ヵ月で完治してか…

天体が人体に及ぼす作用

雨上がりの朝 私たちの生活の場は、天体と地球の間にあり、天体から受ける大きな作用を、普段あまり意識することなく暮らしている人も多いのではないでしょうか。 その反面、星座や星の位置関係が、人の心身に影響すると考えられている、星占いに関心を持っ…

暦の基本的な理解・・・<素問・六節蔵象論>より

初秋 まだまだ鮮やかな花々が楽しめます 「一の会」では、内経医学の天人合一思想を中心軸に据えて参加者、講師ともに学びを進めております。 この天人合一の観点から易学と五運六気を医学に応用すべく、永松周二先生に講義して頂いているのですが、まずは基…

背部兪穴と胸腹部募穴(4) 鍼灸と湯液の着眼点の相違

これまで、背部兪穴と腹部募穴について稿を重ねてきました。 この稿では、湯液と鍼灸の着眼点の相違を明確にすることで、鍼灸医学の独自性を高めることをコンセンサスに記述致します。 募穴の存在する腹部は、腹証として湯液家の聖典、『傷寒論』に詳細に記…

背部兪穴と胸腹部募穴(3) 前後の気の動き

これまで、背部兪穴(後)と胸腹部募穴(前)の性質の違いとその用い方について述べて参りました。 今回は、前後の気の動きについて解説いたします。 つまり兪穴と募穴間の、気の動きです。 先ずは『難経六十七難』に、兪募穴についての記載がありますので、…

背部兪穴と胸腹部募穴(2)兪穴について

前回は身体前面・陽明部位に在る募穴について述べましたので、今回は背部兪穴について解説いたします。 先ず、兪穴の「兪」の意味を明確にしてみましょう。 兪は、舟(月)と余とを組み合わせた形。 舟は盤の形、余は把手(とって)のついた手術刀の形で、こ…

背部兪穴と胸腹部募穴(1)募穴について

ここでは、腹部募穴と背部兪穴の違いを明確にし、臨床応用に役立てることをコンセンサスとして書きます。 まず大極両義の陰陽関係から説いていきます。 <淮南子・天文篇>では、天地創造について述べられていますが、その一節が重要ですので、記載しておき…

一般公開動画 「学ぶということ」

2015年度 『一の会・東洋医学基礎講座』より~ 学ぶということ ~ 古典を背景とした『一の会』も、2016年度で3期目を迎えました。 これを記念して、昨年度基礎講座の冒頭、金澤の講義を公開しました。 意欲的に学んでおられる多くの有資格者、これから…

引きつけ直前・・・陽明病の常と変

色鮮やかな季節ですねぇ 昨日は『一の会 基礎講座』の年度最終回でした。 参加者の皆様、お疲れさまでした。 次年度は、いよいよ臨床実技を豊富に盛り込んで参りますので、みんなで真剣に、かつワイワイやりましょう。 ところで12日(土)にもうすぐ7歳に…

東西医学の世界観・人体観

香り立つ・・・ それぞれの国と地域の文化は、気候風土の違いを基盤として成立しており、その世界観は各国の民族医学に色濃く反映されている。 「人間をどう捉えるのか」という命題に対する回答は、医学を志す者にとって、押さえておくべき必須の原点である…

東洋医学の背景

梅も見ごろ 東洋医学の歴史は、三千年とも四千年とも言われている。ことに鍼灸医学においては、石器時代から行われていたことが考古学的にも知られている。 これから鍼灸医学を学ぼうとする諸氏は、黄帝内経が著された古代社会に生きていた人々の目に世界が…

邪気の向かう方向と場所

春 つぼみ あいらしい いよいよ春めいて参りましたね。 これから三寒四温と呼ばれているように、寒暖を繰り返しながら夏に向かって行くわけですが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。 治療家の皆さまの元には、この時期様々な患者さんが来られていると思…

症例の評価での留意点

まるでバラのよう・・・山茶花 14日『一の会 基礎講座』で、筆者の娘が患ったインフルエンザB型が呼吸器症状を呈する間もなく一日で治癒した症例を提出したので、その内容を簡単にまとめて開示し、治療家が症例を通じて見なければならない点について述べてみ…

流れの中に、不変を観る・・・不易流行

陽の光がうれしい・・・ 「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」 鴨長明のみならず、世の無常を説いている人はたくさんいらっしゃいます。 この変化止まない無常=流行の中に、普遍の真理=不易を見出し、医学に用いようとしたのが易学であり…

相生・相剋法則の有効性と限界

光の玉と化した、雨水 まず最初に、五行論的法則性を運用する際に、留意しておくべき提言を挙げておく。 五行論に限らず、対象を認識する場合、絶対的に正しい視点というものは無く、その時々に応じて最も適切な視点を自分の中から瞬時に探し出すことが肝要…

五行色体表の用い方

寒風の中、微笑んでいるよう 五行色体表は、木・火・土・金・水の五つの性質に分類・整理されたものであるが、まず最初に観念的に覚える必要がある。 そしてさらに、一歩踏み込んで五つの属性に分類された理由を捉える。 例1 自然色体表・・・表1 五悪・木…

五行論―五行の特性①

早朝、鳥たちがついばんでいた木・・・生 木は、豊かな大地の水と天の陽光を受け、草木が芽を出し伸び伸びと成長し、青々とした葉を茂らせる様子が連想される。 また幹や枝葉は曲がっていても全体としてはバランスが取れており、大地にしっかりと根を降ろし…

五行論 - 序論

サザンカ ― 愛らしい・・・ 五行論は、陰陽論と同じく認識論のひとつである。 その五行論は、四書五経の内の書経(しょきょう)、またの名を尚書(しょうしょ)の中の洪範に初めて見ることができ、春秋戦国時代に陰陽論と結びつけられ、現在は「陰陽五行論」…

四時と人間の相関― 4.冬ー蔵

冬 鳥たちはどのように過ごしているのだろう 4.冬ー蔵 冬の季節、すなわち立冬から立春までの3ヶ月を、古来これを閉藏(へいぞう)と言います。秋に収穫したものを、蔵の奥深くにしまい込み、堅く門戸を閉ざすという意味です。 虫もカエルも熊も土中に潜…

四時と人間の相関― 3.秋‐収

自然に、美しく枯れていく3.秋‐収 【秋・・・収める気】 秋の季節、すなわち立秋から立冬までの3カ月を、古来これを容平と言います。春に芽生え、夏に盛んに成長し、秋になって万物が堅く引き締まり、形が定まる季節という意味です。 秋は、下図のように春…

四時と人間の相関― 2.夏-長

夏・・・躍動感あふれる季節2.夏‐長 【夏・・・成長の気】 夏の季節、すなわち立夏かから立秋までの3カ月を、古来これを蕃秀(ばんしゅう)と言います。 天と地の気が最も盛んに交流し、花は咲き栄え、万物が盛んに成長する時期という意味です。 夏は生き…

四時と人間の相関― 1.春‐生

春・・・梅の花1.春‐生 【春・・・生まれる気】 春の季節、すなわち立春から立夏までの3カ月を古来、発陳(はっちん)と言います。 自然界のあらゆるものが表面に出てきて、ゆっくりと動き始めるという意味です。 春は冬の寒気が次第に緩み始め、冬の間に…

四時と人間の相関・・・総論

初冬・・・美しく枯れる 各地域の文化は、それぞれの気候風土に適うように形成されてきた。 文化は、衣食住だけでなく、人々の意識の在り様、方向性まで決定づけます。 人が健康に生活していくためには、とりわけ四時の変化に適う生活が最も大切であるところ…

⑦ 不離決

花火の頃を思い出す・・・ 存在に対して陰陽は便宜上、可分して認識するが、実際的には不可分であり不離決である。 例えば、太極としてみれば人類は消長を繰り返しながら増減している。陰陽両儀を可分してみれば、個々の人間は産み育て、そして死んでいく。 …

⑥ 互根・資生

寒気の中の花 つつましくとも陽気が盛ん(平衡) 一個の物体は、形=物質と気=非物質で成り立っている。(互根) 明るさはロウが熱せられ気化し、炎となって陰陽の交流が持続している姿である。図 10 人体においては、気血が熱とロウに相当し、明るさは生…

3.太極陰陽の多面性・・・⑤転化・逆転

ひそやかに・・・ いよいよ寒気到来 ⑤転化・逆転 陰陽の消長・盛衰のところで述べたように、陰陽は、互いに一対となりながら反比例的に盛衰を繰り返す。 転化には、方向性と性質・状態の変化の二つがある。またその転化を起こすポイントは極まるということで…

3.太極陰陽の多面性・・・④ 平衡・循環

うっすらとしたピンクが、つつましい・・・ ④ 平衡・循環 陽は陰を求め、陰は陽を求め、互いに求め合って自ずから平衡をとろうとする。 陰陽の消長は、平衡という性質があるがゆえに、循環するのである。 人間もまた、陽=男と陰=女は互いに求め合い、陰陽…

3.太極陰陽の多面性・・・③ 消長・盛衰

芽を出し、花咲き、枯れて散る・・・そしてまた芽を出し・・・・ ③消長・盛衰 陰陽の消長とは、陽が増えると陰が減り(図3)、陰が増えると陽が減る(図4)というように相対的に盛衰する関係を認識する方法である。 陰陽は、互いに一対となりながら反比例…

一の会・呼吸瞑想 活動内容開示

12日に行いました「呼吸瞑想会」では、いつになく饒舌になってしまいました。 ブログ「いおり日記」で最近書いています「気枯れ」に関して、どのような時に「気枯れ」を起こしてしまうのか、筆者自身の体験からお話しさせていただきました。 太鼓をたたき…

3.太極陰陽の多面性・・・② 可分・相対性

燃えているようだが、なぜか落ち着く色合い ② 可分・相対性 陰陽両義に分けた後、認識の必要度に応じて「陽中の陽」「陽中の陰」「陰中の陰」「陰中の陽」など必要に応じて分割し、理論上では無限に分割することが可能である。<図4> 図 4 表現を変えると、…

3.太極陰陽の多面性・・・① 二分化・属性

さざんか・・・寒気盛んな時期に咲くことができるのは、陽気が盛んであるため日常的に、陰陽を用いて事象を見る目を培うのが肝要 3.太極陰陽の多面性 太極を立てるには、 ①二分化・属性 ②可分・相対性 ③消長・盛衰 ④平衡・循環 ⑤転化・逆転 ⑥互根・資生 ⑦…

2.軸(点・中心)と定位

冬寒さに負けないひたむきな山茶花(サザンカ) 2.軸(点・中心)と定位 図3-太極 陰陽両儀 陰陽論は、単純なモデルでありながら難解とされているのは、 軸をどこに立て、陰陽を論じているかという点である。 ここをしっかりと理解すれば、かなり有意に…

1.無極と太極

冬空に燃えている木の葉 1.無極と太極 無極とは、一元論であり、上下も、中心も軸も無い宇宙そのもの。 認識される以前を「混沌」=無極であるとし、一円で表現される。 図1 一切の観念を用いず、あるがまま宇宙と一体=未分化の状態である。 そして混沌…

陰陽論・・・序論

冬 至りて至らざるを不及と謂う 於:新檜尾台公園 陰陽論は、主に古代中国大陸で起こった哲学を構成する中心的認識論で、起源はよくわかっていないようである。 しかしこの陰陽論は、道家や易学に取り入れられ、様々に変化する自然界の神羅万象の中から一定…

気血と左右差の消長・・・付録

これから咲こうとする、花のうれしさ 前回ブログで『一鍼を下した後の変化をしっかりと捉えると、患者に対する認識はさらに深まり、病の構造も明確になる』と述べたことに関して、例を挙げて説明したい。 例えば、肝鬱気滞と判断される疾患に対して、筋縮穴…

気血と左右差の消長

秋の青空と可憐な花 左右差は、肝胆の作用によるものとしての認識は、かなり以前から持っていた。 実際、上下だけでなく左右差の大きい身体は、意識・無意識であれ気滞の存在がある。 この場合の気滞とは、七情内鬱と限定しておく。 気滞の初期の腹部所見は…