ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。

筆者 : 金澤秀光

110.太陽病(下)155条 附子瀉心湯

【一五五条】 心下痞、而復惡寒、汗出者、附子瀉心湯主之。方十八。 心下痞して復た惡寒し、汗出づる者は、附子瀉心湯(ぶししゃしんとう)之を主る。方十八。 【一五六条】 本以下之、故心下痞、與瀉心湯。痞不解、其人渴而口燥煩、小便不利者、五苓散主之…

活動報告ー4月 臨床医学講座スタート

好天に恵まれた4月22日、大阪・南森町にあります大阪医療技術学園専門学校の教室をお借りして、2018年度の臨床医学講座が始まりました。 午前中は、稻垣座長による時事講義。 三年間に渡る ある患者様とのかかわりを、ドキュメンタリータッチで披露。 患者の…

109.太陽病(下)153・154条 大黄黄連瀉心湯

【一五三条】 太陽病、醫發汗、遂發熱、惡寒。因復下之、心下痞。 表裏倶虛、陰陽氣並竭、無陽則陰獨。 復加燒鍼、因胸煩、面色青黄、膚瞤者、難治。 今色微黄、手足温者、易愈。 太陽病、醫汗を發すれども、遂に發熱、惡寒す。因りて復た之を下し、心下痞す…

108.太陽病(下)152条 十棗湯方剤吟味

〔十棗湯方〕 芫花(熬) 甘遂 大戟 右三味、等分、各別擣為散。以水一升半、先煮大棗肥者十枚、取八合、去滓、内藥末。強人服一錢匕、羸人服半錢、温服之。平旦服。若下少病不除者、明日更服、加半錢。得快下利後、糜粥自養。 芫花(げんか)(熬る) 甘遂…

107.太陽病(下)152条  十棗湯

【一五二条】 太陽中風、下利、嘔逆、表解者、乃可攻之。其人漐漐汗出、發作有時、頭痛、心下痞鞕滿、引脇下痛、乾嘔、短氣、汗出不惡寒者、此表解裏未和也、十棗湯主之。方十六。 太陽の中風、下利、嘔逆(おうぎゃく)し、表解(げ)する者は、乃ち之を攻…

106.太陽病(下)149条 半夏瀉心湯と小柴胡湯

〔半夏瀉心湯方〕 半夏(半升洗) 黄芩 乾薑 人參 甘草(炙各三兩) 黄連(一兩) 大棗(十二枚擘) 右七味、以水一斗、煮取六升、去滓、再煎取三升、温服一升、日三服(一方用半夏一升)。須大陷胸湯者、方用前第二法。 半夏(半升洗う) 黄芩 乾薑 人參 甘…

105.太陽病(下)149条 半夏瀉心湯

【一四九条】 傷寒五六日、嘔而發熱者、柴胡湯證具、而以他藥下之、柴胡證仍在者、復與柴胡湯。 此雖已下之、不為逆、必蒸蒸而振、却發熱汗出而解。 若心下滿而鞕痛者、此為結胸也、大陷胸湯主之。 但滿而不痛者、此為痞、柴胡不中與之、宜半夏瀉心湯。方十…

104.太陽病(下)147条 柴胡桂枝乾姜湯

【一四七条】 傷寒五六日、已發汗而復下之、胸脇滿微結、小便不利、渴而不嘔、但頭汗出、往来寒熱、心煩者、此為未解也。柴胡桂枝乾薑湯主之。方十三。 傷寒五、六日、已(すで)に汗を發して復た之を下し、胸脇滿微結(びけつ)、小便不利、渴して嘔せず、…

活動報告ー4月 2018年度 基礎講座スタート

先日4/15、あいにくの雨の中ではありましたが、今期も『鍼道 一の会』は新しい会員様をお迎えしてのスタートを切りました。 午前中は、参加者の皆様の現時点での「終始」を順次ご披露して頂きました。 「終始」というのは、易の考え方からの提案で、この道(…

103.太陽病(下)146条 柴胡桂枝湯

【一四六】 傷寒六、七日、發熱、微惡寒、支節煩疼、微嘔、心下支結、外證未去者、柴胡桂枝湯主之。方十二。 傷寒六、七日、發熱、微惡寒(びおかん)、支節(しせつ)煩疼(はんとう)、微嘔(びおう)、心下支結(しけつ)し、外證未だ去らざる者は、柴胡…

102.太陽病(下)145条 如見鬼狀者

【一四五】 婦人傷寒、發熱、經水適来、晝日明了、暮則讝語、如見鬼狀者、此為熱入血室。 無犯胃氣、及上二焦、必自愈。十一。 婦人傷寒、發熱し、經水(けいすい)適(たまた)ま来り、晝日(ちゅうじつ)は明了(めいりょう)なるも、暮(くれ)れば則ち讝…

101.太陽病(下)144条 熱入血室 小柴胡湯

【一四四条】 婦人中風、七八日續得寒熱、發作有時、經水適斷者、此為熱入血室、其血必結、故使如瘧狀發作有時、小柴胡湯主之。方十。 婦人中風、七、八日續いて寒熱を得(え)、發作時有り、經水(けいすい)適(たまた)ま斷つ者は、此れ熱血室に入ると為…

100.太陽病(下)143条 刺期門

【一四三条】 婦人中風、發熱惡寒、經水適来、得之七八日、熱除而脉遲、身涼、胸脇下滿、如結胸狀、讝語者、此為熱入血室也。當刺期門、隨其實而取之。九。 婦人中風、發熱惡寒し、經水(けいすい)適(たまた)ま来る、之を得て七、八日、熱除きて脉遲、身…

99.太陽病(下)141条 文蛤散まとめ

さて、昏迷に昏迷を重ねながら5回シリーズでここまでやってきましたが、ここで一旦まとめまして、後は読者諸氏のコメントを期待したいと思います。 下記の条文、間違いであると思われるところを赤字にしています。 【一四一条】 病在陽、應以汗解之。反以冷…

98.太陽病(下)141条 寒実結胸 白散方

今回から、寒実結胸、三物小陥胸湯証に入って参ります。 大陥胸湯は、水熱互結の結胸でした。 三物小陥胸湯の方剤は、記されていませんし<金匱要略>にも記載がありません。 欠損しているのか、それとも三物備急丸<金匱要略・雑病方>P369 3条なのかは、こ…

人参について(2)

前回ブログ、人参について(1)から随分と日にちが経ってしまいました。 薬用ニンジン、薬徴では、心下が非常に堅く緊張している「心下痞鞕」を主冶するとあります。 これらを併せて単味の独参湯が「大病・久病・大出血・激しい吐瀉などで元気が虚衰して生…

97.太陽病(下)141条 文蛤散(4)類聚方広義 文蛤散と五苓散

今回は、<類聚方広義>の以下のように、五苓散の注釈から141条を見てみます。 「病が陽にあって冷水で治そうとした云々のところは、誤治によって変証となったものである。 P51 29条 傷寒脉浮、自汗出、小便數、心煩、微惡寒、脚攣急、反與桂枝、欲攻其表、…

96.太陽病(下)141条 文蛤散(3)文蛤湯と大青龍湯

<類聚方広義>の文蛤散の注釈のところでは、「文蛤散は文蛤湯に作るべし」と述べられています。 そして文蛤湯と五苓散の注釈にその意図するところが述べられています。 文蛤湯は、<金匱要略・嘔吐噦下利病> P341 19条に記載されています。 吐後渴飲得水而…

95.太陽病(下)141条 文蛤散(2)

前回の投稿で、141条の病理はすでに述べていますので、文蛤散について述べます。 文蛤 中薬名 海蛤殻 ハマグリの殻 中薬学:鹹 寒 清肺化痰 軟堅散結 利水消腫 新古方薬嚢:内に熱がこもりたる為にのどかわきて甚だしく水を欲する者を治す。文蛤の特徴はのど…

94.太陽病(下)141条 文蛤散(1)

【一四一条】 病在陽、應以汗解之。反以冷水潠之。 若灌之、其熱被劫不得去、彌更益煩、肉上粟起。 意欲飲水、反不渴者、服文蛤散。 若不差者、與五苓散。 寒實結胸、無熱證者、與三物小陷胸湯(用前第六方)。 白散亦可服(一云與三物小白散)。七。 病陽に…

93.太陽病(下)138条 小陥胸湯

【一三八条】 小結胸病、正在心下、按之則痛、脉浮滑者、小陷胸湯主之。方六。 小結胸の病は、正に心下に在り、之を按じれば則ち痛む、脉浮滑の者は、小陷胸湯之主る。方六。 短い条文中に、大陥胸湯との違いを端的に書き著わしていると思います。 心下を按…

92.太陽病(下)135~137条 大陥胸湯のバリエーション

【一三五条】 傷寒六七日、結胸熱實、脉沈而緊、心下痛、按之石鞕者、大陷胸湯主之。三(用前第二方) 傷寒六、七日、結胸(けっきょう)熱實(ねつじつ)、脉沈にして緊、心下痛み、之を按じて石鞕(せっこう)の者は、大陷胸湯之を主る。三(用前第二方) …

91.太陽病(下) 大陥胸湯 方剤吟味

今回新しく登場した薬剤は、甘遂です。 甘遂 気味 苦寒 有毒中薬学:瀉水除湿 逐痰滌飲 消腫散結薬徴:水を利するを主る。傍ら掣痛・咳煩・短気・小便難・心下満を治す。新古方薬嚢:胸腹の留飲を下す。故に之に由る短気、胸腹満、を治す。短気は息切れの事…

90.太陽病(下)134条 大陥胸湯(1)

【一三四条】 太陽病、脉浮動數、浮則風為、數則熱為、動則為痛、數則為虛。頭痛、發熱、微盗汗出、而反惡寒者、表未解也。 醫反下之、動數變遲、膈内拒痛(一云頭痛即眩)、胃中空虛、客氣動膈、短氣躁煩、心中懊憹、陽氣内陷、心下因鞕、則為結胸、大陷胸…

22.太陽病(上)25条 桂枝二麻黄一湯

【二五条】 服桂枝湯、大汗出、脉洪大者、與桂枝湯、如前法。若形似瘧、一日再發者、汗出必解、宜桂枝二麻黄一湯。方十二。 桂枝湯を服し、大いに汗出で、脉洪大なる者は、桂枝湯を與うること、前法の如くす。若し形瘧(おこり)に似て、一日に再發する者は…

89.太陽病(下)131∼133条 大陥胸丸 方剤吟味

〔大陷胸丸方〕 大黄(半斤) 蔕藶子(半升熬) 芒消(半升) 杏仁(半升去皮尖熬黑) 右四味、擣篩二味、内杏仁、芒消、合研如脂、和散。取如彈丸一枚、別擣甘遂末一錢匕、白蜜二合、水二升、煮取一升、温頓服之、一宿乃下。如不下、更服、取下為效。禁 如…

88.太陽病(下)128-131条 大陥胸丸

いよいよ辨太陽病脉證并治(下)に入って参りました。 いきなりですが、128条から130条は、後人の攙入と思われますので、最後に原文と読み下し文のみ掲載しています。 ですので、131条から解説を始めます。 【一三一条】 病發於陽、而反下之、熱入因作結胸。…

87.太陽病(中) 125・126・127条 抵當丸

ここは文も短く簡単な内容なので、意訳は必要ないと思います。 125条では、黄疸が現れています。 【一二五条】 太陽病、身黄、脉沈結、少腹鞕、小便不利者、為無血也。小便自利、其人如狂者、血證諦也、抵當湯主之。六十五(用前方)。 太陽病、身黄(おう)…

86.太陽病(中)124条 抵当湯 方証吟味

〔抵當湯方〕 水蛭(熬) 蝱蟲(各三十箇去翅足熬) 桃仁(二十箇去皮尖) 大黄(三兩酒洗) 右四味、以水五升、煮取三升、去滓、温服一升、不下更服。 水蛭(すいてつ)(熬る) 蝱蟲(ぼうちゅう)(各三十箇翅足(しそく)を去り、熬る) 桃仁(二十箇皮…

85.太陽病(中)124条 発狂 抵当湯

【一二四条】 太陽病六七日、表證仍在、脉微而沈、反不結胸。 其人發狂者、以熱在下焦、少腹當鞕滿、小便自利者、下血乃愈。 所以然者、以太陽隨經、瘀熱在裏故也。抵當湯主之。方六十四。 太陽病、六七日、表證仍(な)お在(あ)り、脉微にして沈、反って…