ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。

筆者 : 金澤秀光

活動報告ー1月基礎講座

歳が明け、新たな気持ちで今年最初の基礎講座を行いました。 学生の皆さんは試験中ということもあり、今回は欠席者が目立ちましたが、新しい内容が盛りだくさんとなりました。 まずは斬り込み隊長を買って出てくださる、副代表の永松周二先生による易学講義…

人参について(1)

薬用人参について調べてみると、なかなかこれが厄介だと気が付いたのはここ最近のことです。 一口に人参といっても、竹節人参、御種人参、田七人参と、筆者が知りうるだけでも三種類あります。 しかも修治(加工)も様々あり、どのように区別して用いていた…

23.太陽病(上)26条 白虎加人参湯 煩渇

【二六条】 服桂枝湯、大汗出後、大煩渴不解、脉洪大者、白虎加人參湯主之。方十三。 桂枝湯を服し、大いに汗出でたる後、大いに煩渴して解せず、脉洪大なる者は、白虎加人參湯(びゃっこかにんじんとう)之を主る。方十三。 桂枝湯を服用して、大いに発汗し…

21.太陽病(上)24条 桂枝湯と鍼

【二四条】 太陽病、初服桂枝湯、反煩、不解者、先刺風池、風府、却與桂枝湯則愈。十一(用前第一方)。 太陽病、初め桂枝湯を服し、反って煩し、解(げ)せざる者は、先ず風池、風府を刺し、却って桂枝湯を與(あた)うれば則ち愈ゆ。十一(前の第一方を用…

20.太陽病(上)23条 (2)桂枝麻黄各半湯 読み飛ばし文の解説

前回の続きです。 前回読み飛ばした条文を解説します。 以下にもう一度削った文を三つに分けて書き足してみますね。 太陽病、得之八九日、如瘧狀、發熱惡寒、熱多寒少、其人不嘔、清便欲自可、一日二三度發。 ①脉微緩者、為欲愈也。 ②脉微而惡寒者、此陰陽倶…

19.太陽病(上)23条(1)桂枝麻黄各半湯 痒みと小発汗

【二三条】 太陽病、得之八九日、如瘧狀、發熱惡寒、熱多寒少、其人不嘔、清便欲自可、一日二三度發。脉微緩者、為欲愈也。脉微而惡寒者、此陰陽倶虛、不可更發汗、更下、更吐也。面色反有熱色者、未欲解也、以其不能得小汗出、身必痒、宜桂枝麻黄各半湯。方…

18.太陽病(上)22条 桂枝去芍薬加附子湯

【二二条】 若微寒者、桂枝去芍藥加附子湯主之。方九。 若し微寒する者は、桂枝去芍藥加附子湯(けいしきょしゃくやくかぶしとう)之を主る。方九。 〔桂枝去芍藥加附子湯方〕 桂枝(三兩去皮)甘草(二兩炙)生薑(三兩切)大棗(十二枚擘)附子(一枚炮去…

17.太陽病(上)21条 桂枝去芍薬湯ー胸満

【二一条】 太陽病、下之後、脉促(促一作縱)、胸滿者、桂枝去芍藥湯主之。方八。 太陽病、之を下したる後、脉促(そく)(促を一つは縱と作す)、胸滿する者は、桂枝去芍藥湯(けいしきょしゃくやくとう)之を主る。方八。 〔桂枝去芍藥湯方〕 桂枝(三兩…

16.陽病(上)20条 桂枝加附子湯

【二〇条】 太陽病、發汗、遂漏不止、其人惡風、小便難、四肢微急、難以屈伸者、桂枝加附子湯主之。方七。 太陽病、發汗し、遂に漏れ止まず、其の人惡風し、小便難、四肢微急(びきゅう)し、屈伸以て難き者は、桂枝加附子湯(けいしかぶしとう)之を主る。…

15.太陽病(上)17条~19条 桂枝加厚朴杏仁湯

この17条~19条は、後人の覚書が紛れ込んだものと思われます。 筆者は初学の頃、この条文を恐れて桂枝湯を服用できませんでした。 この条文に記されていることは、おそらく桂枝湯を服用して実際に生じた事例だと考えています。 順次、意訳と解説をしていきま…

14.太陽病(上)16条 隨證治之

16条から19条は、おそらく後人の覚書が紛れ込んだものだと思います。 それでも16条は、大切なことを伝えていると思いますので、少し解説します。 【一六条】 太陽病三日、已發汗、若吐、若下、若温鍼、仍不解者、此為壞病、桂枝不中與之也。 觀其脉證、知犯…

桂枝と肉桂

桂枝と肉桂 熱帯に生育するクスノキ科の常緑樹の樹皮で、一般的にはシナモンとして知られています。 桂枝は樹木の細枝の部分、肉桂は幹の皮で、市販されているシナモンパウダーやシナモンスティックは、肉桂です。 歴史は相当古いようで、wikipediaによると…

13.太陽病(上)15条 合病と併病 桂枝上衝

太陽病篇には、いきなり少陽病・陽明病・少陰病などが出てきます。 条文の数が、太陽病に最も多いのはこのためです。 (テキストの目次を見てくださいね) これは、太陽病位から一気に病位が落ちたり、病変が複数の経にまたがる合病や併病となることが多々あ…

太極定位

中医学にない、太極定位という言葉。 難しく感じますよねぇ。 易学では、このような言葉を使うのです。 筆者も、永松先生の易学講義で知ったのですがね。 太極の前には、混沌があるのですが、これはいわば人の影のような感じです。 得体が知れない・・・とい…

12.太陽病(上)桂枝加葛根湯と葛根湯

桂枝加葛根湯と葛根湯の共通点とその違いを明確にすると、どのように鍼治療に生かせるか・応用するのかが見えてきます。 もう少し詳しく論じてみたいと思います。 桂枝加葛根湯と葛根湯の共通点をまとめます。 二剤はともに太陽病位であること。 悪風がある…

12.太陽病(上)13条~14条 桂枝加葛根湯

【一三条】 太陽病、頭痛、發熱、汗出、惡風、桂枝湯主之。方二(用前第一方)。 太陽病、頭痛、發熱、汗出で、惡風するは、桂枝湯之を主る。方二(前の第一方を用う)。 この条文中には、12条とは違って悪寒がありません。おそらく、自汗がみられるものは、…

11.太陽病(上)桂枝湯の方意

方剤の中身を俯瞰しますと、甘味の剤が2味、辛味の剤が2味、酸味の剤が1味ですね。 ここからは、筆者のイメージですので、みなさまどうぞご意見くださいね。 酸味芍薬で気を中焦に集め(主に陰気)結びを解き、凝り固まって動かなくなった胃気を緩めます。 …

9.太陽病(上)12条~14条と中医の八綱について

前回の桂枝湯方、いかがでしたでしょうか。 2条太陽中風証は、中医学では表寒虚。 3条太陽傷寒証は、表寒実と規定されています。 筆者が初学の頃、太陽中風証は、中医学では「調和衛営」と習いました。 表は病位を、寒は邪気の種類・病の性質を、それに虚実…

8.太陽病(上)桂枝湯方の意訳

桂枝湯方は長いので、今回は薬剤の意訳に留めます。 12条と併せて、この桂枝湯方をしっかり読み込まれると、後々の湯液の作り方や服し方から見えてくるものがあります。 エキス剤を服用する場合も、この桂枝湯方にならって服用するのがより効果的だと思いま…

6.太陽病(上)4条~10条 後人の攙入部分

今回4条から11条までは、後人の覚書と注釈が攙入したものと考えられますので、必要なとことだけ解説を加えます。 さらっと参ります。 【四条】 傷寒一日、太陽受之。脉若靜者、為不傳。頗吐欲、若躁煩、脉數急者、為傳也。 傷寒一日、太陽之を受く。脉若し…

健全な代謝と無病息災

みなさま、新年明けましておめでとうございます。 元旦から、お屠蘇を頂きながら改めて古方派・吉益東洞全集を読み返しておりましたところ、目が止まってしまったところをご紹介したいと思います。 その全集の中の「気血水腹診候」吉益東洞著の冒頭部分をご…

5.太陽病(上)2・3条 中風と傷寒症状の意味

まだまだ、2条と3条にこだわって書き進めます。 2条太陽中風証には、悪風とあります。 悪風とは一体、具体的にどのような状態なのでしょうか。 肌表=毛穴は開いていて自汗しています。 風邪を嫌う=汗と共に正気が出ていく・散じてしまうことを恐れる感覚で…

4.太陽病(上)2条と3条 体表観察の要点

今回は、太陽中風証と傷寒証の体表観察の要点です。 鑑別要点は、有汗・無汗でした。 さて、太陽中風証の場合、脈診をする際に寸口(大淵穴)が湿っていると肺兪を中心とした背部も発汗しています。 大淵穴と肺兪穴付近は、絶対的ではないものの、高確率で相…

10.太陽病(上)桂枝湯方の古方・後世的解釈

今回は12条の後に記されています桂枝湯の方剤構成と気味・薬能の解説を行います。 15条に「気上衝するもの」と記されていますが、桂枝の働きをよく示しています。後の条文に出てきますのでその時に解説いたしますね。 ・桂枝の気味辛温 辛いので散じる働きが…

7.太陽病(上)12条 桂枝湯

ここからは、太陽中風証=桂枝湯証から始まり、誤治の対処や虚実のバリエーションとその対処法などが後に続く条文で順次述べられています。 ではみなさま、ご一緒に参りましょう。 【一二条】 太陽中風、陽浮而陰弱、陽浮者、熱自發。陰弱者、汗自出。 嗇嗇…

3.太陽病(上)2~3条(3)脉証と体表の相関

【一条】 太陽之為病、脉浮、頭項強痛而惡寒。 太陽の病為(た)るや、脉浮、頭項強痛して惡寒す。 【二条】 太陽病、發熱、汗出、惡風、脉緩者、名為中風。 太陽病、發熱(ほつねつ)、汗出で、惡風し、脉緩(かん)なる者は、名づけて中風と為(な)す。 …

2. 太陽病(上)1~3 条(2)中風証と傷寒証

【一条】 太陽之為病、脉浮、頭項強痛而惡寒。 太陽の病為(た)るや、脉浮、頭項強痛して惡寒す。 【二条】 太陽病、發熱、汗出、惡風、脉緩者、名為中風。 太陽病、發熱(ほつねつ)、汗出で、惡風し、脉緩(かん)なる者は、名づけて中風と為(な)す。 …

1.太陽病(上)1~3条 太陽病綱領(1)

※ ・底本は、現在最も一般に流布している明の趙開美刻『傷寒雑病論』東洋学術出版 社を用いています。 ・解説は、錯簡・後人の注釈が挿入したものと思われるところは省いています。 ただし、後人の挿入であっても有益と判断したところは、解説を加えています…

経絡学(1) 経絡は存在するか

経絡についての解説は、ほぼ語りつくされているのではないでしょうか。 にもかかわらず、何を書こうとしているのか。 思うままに書いてみます。 筆者の場合、実際の臨床で経絡の存在を意識して臨床を行う場合もあり、そうでない場合もあります。 経絡とは、…

補瀉論(4)で、補瀉とは?

補瀉論(1)補瀉の字義 補瀉論(2)虚実の字義 補瀉論(3)虚を補う? これまで、少々回りくどく書いてきましたが、「一の会」で認識している補法と瀉法の考え方を明確にしたいと思います。 補瀉ともに、それぞれ一点に集約されます。 補法とは、身体のど…