ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。

筆者 : 永松周二

医の技(1) 医心方巻二 鍼灸

医心方巻一の心、志、技、道具の準備を終えたら、いよいよ丹波康頼の本道である鍼灸に入ります。 鍼灸編では、黃帝明堂経、華扁鍼灸法は難しく、又それぞれ分かれていて分かりにくいので、部分別に主治を書きながらも、古人の気持ちと技は壊さないようにした…

医の心(9) 薬畏悪相反法第九及び諸薬和名第十

医心方巻一の最後の篇に当たる、薬畏悪相反法と諸薬和名は、どちらもかなり専門的な薬材のお話しです。 薬畏悪相反法は、漢方の七情の考え方(感情の喜、怒、哀、懼、愛、楽、欲と単行、相使、相悪、相反、相畏、相須、相殺を類似して考え配合に生かす方法)…

医の心(7) 合薬料理法 第六

医心方巻一の第六篇は調合法についての記載になります。 ここでも冒頭に、薬を搗く際には、 先ず香を焚き、水を撒いて清潔にし、雑談をしてはいけない。 幼い子供に薬を搗かせ、努めてこなれさせる。 と、エネルギーの発生する場を浄め、心も浄め、エネルギ…

医の心(6) 服薬中毒方 第五

服薬中毒方では、葛氏方をメインに、集験方、医門方、本草経から引用されています。 様々な誤治による症状を改善する為の処方が書かれています。 冒頭の重態の時の処方である、東壁土をはぎ取って、水三升で飲むという様なものは、現在では非科学的であり、…

医の心(8) 薬斤両升合法 第七 及び 薬不入湯酒法 第八

第七篇薬斤両升合法は、度量衡に関して記載されています。敢えて書くと、度量衡は数字であり、道具です。 本草経、蘇敬の言葉、葛氏方、千金方、経心法、小品方等から引用されています。煩雑な為、要点のみを述べると、現代と当時は量を測る単位が違いますが…

医の心(5) 服薬禁物第四

服薬節度では、養生の大切さと薬の服用基準について書かれていましたが、服薬禁物については、薬を服用する際の食事制限に関して書かれています。服薬しているときは、主に蒜、ぬるぬるしたもの(恐らく、こんぶ、とろろ、おくら等と考えられるが、詳細の記…

医の心(2)治病大体第一 ①

三回目にしてやっと本題に入ってきました、医心方。 治病大体第一に入る前に、医心方全体の構成から。 巻一は治療に必要な事項に関して。 巻二は鍼灸に関して。 巻三から巻二十五までは疾病と治療に関して(他の事項も含まれますが大まかに書いてます)。 巻…

医の心(3) 諸病不治証第二

第二章では、あらゆる病で治癒しないものについて述べています。東洋医学の世界では、生長化老死という人間の誕生から死までのサイクルを表してます。つまり死は必ず訪れるという大前提を全面に出し、それを認識することから養生や病について語っています。 …

医の心(1)序文

医心方は、中国皇帝一族の末裔が、渡来して帰化し当時のあらゆる治療法、養生法を纏めた物であるという事は前回書きました。 序文では、天皇に献上された後、日本の戦国時代頃に正親町天皇が病に倒れ、医療の家系としてはライバルに当たる和気家の系統(当時…

医の心(4) 服薬節度 第三

本章は題名の通り、薬を服用する際の限度について記載しています。 引用は千金方、養生要集、本草経、抱朴子、蒋季琬(唐本草の撰者の一人)、葛氏方、刪繁論(さんはんろん)です。 まずは、扁鵲の言葉から 人は肉体を依り代として生きており、肉体の調和…

医の心(2) 治病大体第一②

治病大体第一の二番目は誤治について張仲景を引用し、誤治した際にはどのような状況になるのかを記しています。「灸するべき時にしっかりとしなければ、寒邪が体内に凝り固まって、時間が経つと更に固くなった後、その気が心を衝き上げ消散するところがない…

温故知新

この言葉の大切さを改めてかみしめる事がありました。 現代医学ではヒポクラテスの誓いという医の倫理を説いた文があり、医師会のHPでも掲げておられます。 一方、東洋医学では、中国の「黃帝内経」という医学書が最も古いとされていますが、日本ではその古…

太極拳 エピソード

現在世界に広まっている太極拳のベースは楊式太極拳です。 楊式太極拳は、陳長興から学んだ楊露禅が広めたものと言われていますが、半ば神格化している楊露禅の功夫の深さを示すエピソードを一つ紹介します。 当時中国では鳥を飼うことが一種のステータスで…