ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。

鍼灸師が読む 『傷寒論』

48.陽病(中)46条・47条 衄血 麻黄湯

【四六条】 太陽病、脉浮緊、無汗、發熱、身疼痛、八九日不解、表證仍在、此當發其汗。服藥已微除、其人發煩目瞑、劇者必衄、衄乃解。所以然者、陽氣重故也。麻黄湯主之。十六(用前第五方)。 太陽病、脉浮緊、汗無く、發熱、身疼痛し、八、九日解せず。表…

47.太陽病(中)43条~45条 桂枝加厚朴杏仁湯~桂枝湯

43条 桂枝加厚朴杏仁湯については、以下の稿で解説済みですので、以下のリンクをご覧ください。 18.太陽病(上)17条~19条 桂枝加厚朴杏仁湯 (リンク、貼っております) 【四四条】 太陽病、外證未解、不可下也、下之為逆。欲解外者、宜桂枝湯。十四(…

46.太陽病(中)42条 外証と桂枝湯

【四二】 太陽病、外證未解、脉浮弱者、當以汗解、宜桂枝湯。方十二。 太陽病、外證(がいしょう)未だ解(げ)せず、脉浮弱の者は、當(まさ)に汗を以って解(げ)すべし、桂枝湯に宜し。方十二。 短い条文ですが、表証ではなく外証と表現されています。 …

45.太陽病(中)41条 服湯已 小青竜湯

【四一】 傷寒、心下有水氣、欬而微喘、發熱不渴。 服湯已、渴者、此寒去欲解也、小青龍湯主之。十一(用前第十方)。 傷寒、心下に水氣有り、欬(がい)して微喘(びぜん)し、發熱して渴せず。 湯を服し已(おわ)り、渴する者は、此れ寒去りて解せんと欲…

44.太陽病(中)40条 小青龍湯(4)薬剤吟味

今回は小青龍湯で新たに出てきた薬剤の解説にとどめます。 細かく見るときりがないので、ざっくりと参ります。 ①桂枝・麻黄 辛温で表を解きます。 ②細辛・乾姜・半夏 辛温で裏の水と痰を動かします。 酸温の五味子の働きが、今ひとつしっくりとしないのです…

43.太陽病(中)40条 小青龍湯(3)「或~」の兼症病理

【四〇】 傷寒、表不解、心下有水氣、乾嘔、發熱而欬、或渴、或利、或噎、或小便不利、少腹滿、或喘者、小青龍湯主之。方十。 傷寒、表解(げ)せず、心下に水氣有り、乾嘔(かんおう)し、發熱して欬(がい)し、或いは渴は(かっ)し、或いは利(り)し、…

42.太陽病(中)40条 小青龍湯(2)水と痰の混在

【四〇条】 傷寒、表不解、心下有水氣、乾嘔、發熱而欬、或渴、或利、或噎、或小便不利、少腹滿、或喘者、小青龍湯主之。方十。 傷寒、表解(げ)せず、心下に水氣有り、乾嘔(かんおう)し、發熱して欬(がい)し、或いは渴は(かっ)し、或いは利(り)し…

41.太陽病(中)40条 小青龍湯(1)金匱の記述

【四〇】 傷寒、表不解、心下有水氣、乾嘔、發熱而欬、或渴、或利、或噎、或小便不利、少腹滿、或喘者、小青龍湯主之。方十。 傷寒、表解(げ)せず、心下に水氣有り、乾嘔(かんおう)し、發熱して欬(がい)し、或いは渴(かっ)し、或いは利(り)し、或…

40.太陽病 39条 乍有輕時 大青龍湯

【三九】 傷寒、脉浮緩、身不疼、但重、乍有輕時、無少陰證者、大青龍湯發之。 傷寒、脉浮緩、身疼(いた)まず、但だ重く、乍(たちま)ち輕き時有り、少陰の證無き者は、大青龍湯之を發す。 この条文の矛盾にも、すぐに気が付かれると思います。 傷寒証で…

39.太陽病(中)38条 大青龍湯(2)越婢湯加桂枝杏仁

まずは大青龍湯の方剤構成を見てみます。 〔大青龍湯方〕 麻黄(六兩去節) 桂枝(二兩去皮) 甘草(二兩炙) 杏仁(四十枚去皮尖) 生薑(三兩切) 大棗(十枚擘) 石膏(如雞子大碎) 右七味、以水九升、先煮麻黄、減二升、去上沫、内諸藥、煮取三升、去滓…

38.太陽病(中)38条 大青龍湯(1)

【三八】 太陽中風、脉浮緊、發熱、惡寒、身疼痛、不汗出而煩躁者、大青龍湯主之。 若脉微弱、汗出惡風者、不可服之。服之則厥逆、筋惕肉瞤、此為逆也。大青龍湯方。 太陽中風、脉浮緊、發熱、惡寒し、身疼痛し、汗出でずして煩躁する者は、大青龍湯之を主る…

37.太陽病(中) 37条 太陽病、十日以去

【三七】 太陽病、十日以去、脉浮細而嗜臥者、外已解也。設胸滿脇痛者、與小柴胡湯。脉但浮者、與麻黄湯。七(用前第五方)。 太陽病、十日を以て去り、脉浮細にして嗜臥(しが)する者は、外已(すで)に解(げ)するなり。設(も)し胸滿脇痛する者は、小…

36.太陽病(中) 36条 太陽と陽明の合病

【三六】 太陽與陽明合病、喘而胸滿者、不可下、宜麻黄湯。六(用前第五方)。 太陽と陽明の合病、喘(ぜん)して胸滿する者は、下すべからず、麻黄湯に宜し。 太陽と陽明の合病ですので、邪の勢いが非常に強かったのか、もしくは素体として内熱・便秘傾向で…

35.太陽病(中) 35条 麻黄湯

これまでは、主に以下の太陽中風について論述されていました。 【二条】太陽病、發熱、汗出、惡風、脉緩者、名為中風。 この35条麻黄湯証は、以下の太陽傷寒の条文を前提にして論じられたものです。 【三条】太陽病、或已發熱、或未發熱、必惡寒、體痛、嘔逆…

38.太陽病(中)34条 葛根黄芩黄連湯(2)

喘ぎと自汗の病理を理解するために、黄連と黄芩の薬能から解いて参ります。 黄連 気味 苦寒 燥湿清熱 薬徴:心中煩悸を主るなり。傍ら心下痞、吐下、腹中痛を治す。 増補薬能:心熱を去る。 黄芩 気味 苦寒 燥湿清熱 薬徴:心下痞を主治す。兼ねて胸脇満、心…

37.太陽病(中)34条 葛根黄芩黄連湯(1)

【三四】 太陽病、桂枝證、醫反下之、利遂不止、脉促(促一作縱)者、表未解也。喘而汗出者、 葛根黄芩黄連湯主之。方四。 太陽病、桂枝の證、醫反って之を下し、利遂に止まず、脉促の(促一作縱)者は、表未だ解(げ)せざるなり。喘(ぜん)して汗出ずる者…

36.太陽病(中)33条 葛根加半夏湯

33条は、葛根湯の変方になります。 【三三】太陽與陽明合病、不下利、但嘔者、葛根加半夏湯主之。方三。 太陽と陽明の合病、下利せず、但だ嘔する者は、葛根加半夏湯(かっこんかはんげとう)之を主る。方三。 太陽と陽明の合病で、自下利が無い代わりに、…

35.太陽病(中)31~32条 葛根湯証 自下利

いよいよ<辨太陽病脉證并治中>に入って参りました。 冒頭の葛根湯、一般に良く知られた方剤です。 過去ブログ<14.太陽病(上)13~14条>で、すでに葛根湯と桂枝加葛根湯の違いについて述べていますので、もう一度復習して頂けたらと思います。 【三一…

34.太陽病(上)30条 攙入の条文

いよいよ<辨太陽病脉證并治上>の最後の条文になりました。 ところがこの条文、どうも意味が通じません。 一般には、錯簡があるだろうと言われていますがどうなのでしょう。 著者、張仲景の筆法が簡略なものとすると、この30条は後人の書いたものが紛れ込ん…

33.太陽病(上)29条 疑似桂枝湯証と壊病(5)

いよいよ最後の四逆湯証のところに参りました。 「若し重ねて汗を發し、復た燒鍼(しょうしん)を加うる者は、四逆湯之を主る」 これは最初の「傷寒の脉浮、自ずと汗出で、小便數(さく)、心煩、微惡寒し、脚(きゃく)攣急(れんきゅう)」に桂枝湯で一度…

32.太陽病(上)29条 疑似桂枝湯証と壊病(4)

さて、「若胃氣不和讝語者、少與調胃承氣湯」は、どこからの続きとして考えればいいのかを考察して参ります。 さて、このテーマでここまで来たわけですが、そもそも「傷寒の脉浮、自ずと汗出で、小便數(さく)、心煩、微惡寒し、脚(きゃく)攣急(れんきゅ…

31.太陽病(上)29条 疑似桂枝湯証と壊病(3)

前回、甘草乾姜湯で陽気が回復したにもかかわらず、脚の引きつりが治まらない場合は、芍薬甘草湯を用いて陰気が回復すると脚の攣急も治まるということでした。 もう一度条文を見て下さい。 この後に続く条文「若胃氣不和讝語者、少與調胃承氣湯」は、どこか…

30.太陽病(上)29条 疑桂枝湯証と壊病(2)

さて、元々の病態に、桂枝湯を与えてさらに発汗させると、下肢が冷え上がり(厥)、清陽も上らないので口中に唾が出なくなり(咽中乾)、手足を動かしもだえ苦しむ煩躁が現れ、吐き気や嘔吐するようになると書かれています。 煩燥も、虚実は別にして熱ですよ…

29.太陽病(上)29条 擬似桂枝湯証と壊病(1)脚攣急

この条文は、桂枝湯証によく似た証を誤治し、壊病となってしまった証とその対処法について書かれています。 文章が長い上に、対処法の四方剤が挙げられていますので、何部かに分けて解説していきます。 【二九条】 傷寒脉浮、自汗出、小便數、心煩、微惡寒、…

28.太陽病(上)28条 桂枝去桂加茯苓白朮湯

【二八条】 服桂枝湯、或下之、仍頭項強痛、翕翕發熱、無汗、心下滿微痛、小便不利者、桂枝去桂加茯苓白朮湯主之。方十五。 桂枝湯を服し、或は之を下し、仍(な)お頭項強痛し、翕翕(きゅきゅう)として發熱し、汗無く、心下滿微痛(まんびつう)し、小便…

27.太陽病(上)桂枝二越婢一湯(3)再考

前回の投稿で、越婢湯は、内熱傾向の人が風湿の外邪に侵され、上半身を中心に浮腫が現れた病態に用いられると考えられることを述べて参りました。 そこで元に戻って、27条の桂枝二越婢一湯を再考することにします。 25条の桂枝二麻黄一湯、26条の白虎加人参…

26.太陽病(上)桂枝二越婢一湯(2)越婢湯 風水

桂枝二越婢一湯を理解するために、今回は越婢湯証をみてみます。 <金匱要略・水気病脉証并治 23条> 風水、悪風、一身悉腫、脉浮、不渇、続自汗出、無大熱、越婢湯主之。 風水、悪風し、一身ことごとく腫れ、渇せず、続いて自ずと汗出で、大熱無きは、越婢…

25.太陽病(上)27条 桂枝二越婢一湯(1)熱多く寒少なし

【二七条】 太陽病、發熱惡寒、熱多寒少、脉微弱者、此無陽也。不可發汗、宜桂枝二越婢一湯 太陽病、發熱惡寒し、熱多く寒少なく、脉微弱なる者は、此れ陽無きなり。發汗すべからず、 桂枝二越婢一湯(けいしにえっぴいっとう)に宜し。 23条の桂麻各半湯、2…

24.太陽病(上)26条 白虎加人参湯方意

〔白虎加人參湯方〕 知母(六兩)石膏(一斤碎綿裹)甘草(炙二兩)粳米(六合)人參(三兩) 右五味、以水一斗、煮米熟、湯成去滓、温服一升、日三服。 知母(ちも)(六兩)石膏(一斤、碎(くだ)き綿もて裹(つつ)む)甘草(二兩を炙る)粳米(こうべい…

23.太陽病(上)26条 白虎加人参湯 煩渇

【二六条】 服桂枝湯、大汗出後、大煩渴不解、脉洪大者、白虎加人參湯主之。方十三。 桂枝湯を服し、大いに汗出でたる後、大いに煩渴して解せず、脉洪大なる者は、白虎加人參湯(びゃっこかにんじんとう)之を主る。方十三。 桂枝湯を服用して、大いに発汗し…