ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。

性を養う(11)雑禁第十一

 性を養う、最後は養生における諸々の禁止事項について。

 毎月の忌み事や一の不当、二の不可、三の愚、四の惑、五の逆、六の不祥、七の癡、八の狂と覚えやすいように書かれています。

 他の養生書にも細やかな禁止事項の記載がありますが、本来日本人が一年の節目節目に行ってきた事が微に入り細に渡って書かれているように感じます。

 現代では、失われゆく感覚とこのような養生の習慣、全てはできなくても、少しずつでも実践できると自分の養生だけではなく、日本に住んで身体と心を適応させている伝統の継承にもなるのではないでしょうか。

最後の訳文は長い事と、書き下し文でも充分に理解できる為、割愛させていただきますが、日常生活に少しでも取り入れていただければ幸いです。


原文及び書き下し文

 養生要集云、神仙圖云、禁无施精命夭。禁无大食、百脉閉。禁无大息、精漏泄。禁无久立、神倦極。禁无大温消髄骨。禁无大飲、膀胱急。禁无久臥、精気厭。禁无大寒、傷肌肉。禁无久視、令目衊。禁无久語、舌枯竭。禁无久坐令氣逆。禁无熱食、生酢五氣。禁无咳唾、失肥汁。禁无恚(い)怒、神不樂。禁无多眠、神放逸。禁无寒食、生病結。禁无出涕、令渋潰。禁无大喜、神越出。禁无遠視勞神氣。禁无久聴聡明閉。禁无食生、害腸胃。禁无噭(きょう)呼、驚魂魄。禁无遠行勞筋骨。禁无久念、志怳惚。禁无酒酔、傷生氣。禁无坐泣、神悲感。禁无五味傷腸胃。禁无久騎、傷経絡。二十八禁天道の忌、不避此忌行道无益。
 養生要集に云う、神仙図が云わく、禁じて精を施すなかれ、命を夭くす。
禁じて大食するなかれ、百脉を閉ざす。禁じて大息するなかれ、精漏泄す。禁じて久しく立つなかれ、神倦極す。禁じて大温なるなかれ、髄骨消す。禁じて大飲するなかれ、膀胱を急にす。禁じて久しく臥すなかれ、精気厭る。禁じて大寒なるなかれ、肌肉を傷なう。禁じて久視するなかれ、目をしてただれしむ。禁じて久しく語るなかれ、舌枯竭す。禁じて久しく坐するなかれ、氣をして逆ならしむ。禁じて熱食するなかれ、五氣を傷なう。菌じて咳唾するなかれ、肥汁を失う。禁じて恚怒するなかれ、神楽しまず。禁じて多眠するなかれ、神放逸す。禁じて寒食するなかれ、病結を生ず。禁じて涕を出すなかれ、渋潰せしむ。禁じて大喜するなかれ、神越出す。禁じて遠視するなかれ、神氣勞す。禁じて久しく聴くなかれ、聡明閉ず。禁じて生を食するなかれ、腸胃を害す。禁じて噭呼(きょうこ・叫んで呼ぶ)なかれ、魂魄を驚かす。禁じて遠行するなかれ、筋骨を勞す。禁じて久しく念うなかれ、志祝惚す。禁じて酒に酔うなかれ、生氣を傷なう。禁じて哭泣するなかれ、神悲感す。禁じて五味するなかれ、腸胃を傷る。禁じて久しく騎るなかれ、経絡を傷なう。二十八の禁は天道の忌むところ、この忌を避けずんば、道を行うとも益なし。

 又云、中経云、射猟魚捕搏喜而大喚者、絶藏氣或有即惡者復令當時未覚一年二年後発病、良医所不治。
 又云う、中経に云わく、射猟、魚捕、搏して喜び大いに喚ぶ者は、臓の氣を絶し、或いは即ちに悪くなる者あり。復たは当時未だ覚らざるも一年、二年の後、病を発し、良医も治せざる所とならしむ。

 抱朴子云、才所不逮而困思之傷也。力所不勝而強挙之傷也。深憂重恚傷也。悲哀、憔悴傷也。喜樂過差傷也。吸々所欲傷也。戚々所患傷也。久談言笑傷也。寝息失時傷也。弓引弩傷也。沈酔歐吐傷也。飽食即臥傷也。跳走喘乏傷也。喚呼哭泣傷也。陰陽不交傷也。積傷至則早々已々非道也。是以養生之方、唾不涎。遠行不疾歩耳。不極聴目不久視坐不至疲臥不及疲先寒而衣先熱而解不欲極飢而食々不可過飽不欲極渇而飲々不可過多凡食過則結積聚、飲過則成淡癖也。不欲甚勞、不欲甚逸、不欲流汗、不欲多唾、不欲奔車走馬、不欲極目遠望、不欲多啖生冷、不欲飲酒當風、不欲数々沐浴、不欲廣志遠願、不欲䂓造異巧冬、不欲極温复、不欲窮涼、不欲露臥星下、不欲眠中見扇大寒大熱大風大霧皆不欲冒之。
 抱朴子に云う、才の逮ばざる所を、而もこれを困しみ思うは傷つくなり。力の勝えざる所を、これを強に挙ぐるは傷つくなり。深憂、重恚は傷つくなり。悲哀、憔悴は傷つくなり。喜楽の過差なるは傷つくなり。吸々として欲なる所は傷つくなり。戚々として患むところは傷つくなり。久談、言笑は傷つくなり。寝息時を失するは傷つきなり。弓を引き弩を引くは傷つくなり。沈醉、嘔吐は傷つくなり。飽食して即ちに臥するは傷つくなり。跳走、喘乏するは傷つくなり。喚呼、哭泣は傷つくなり。陰陽交わらざるは傷つくなり。積傷尽くすに至れば則ち早く亡ぶ、早く亡ぶは道に非ざるなり。

 又云、或云、敢問欲修長生之道何所禁忌。
 又云う、或るひと云えるに、敢えて問う、長生を修めんと欲するの道、何の禁忌とするところぞ。

抱朴子曰、禁忌之至急者、不傷不損而已。案易内戒及赤松子経及河圖紀命府皆云、天地有司過之神随人所犯軽重以奪其算有数百事不可具論若乃憎善好煞口是非背向異辞、反戻真正、虐害其下、欺内其上叛、其所事受恩不感弄法受賂縦曲枉直、廃公為私刑加无辜、破人之家、収人之寶、害人身取人之位。侵剋賢者、誅降、戮服、謗訕仙聖、傷残道士、弾射飛鳥、刳胎、破卵、春夏誅降戮服獠獦、罵詈神霊、教人為惡、弊人之善、減人自益益、人自安逃人之切壊人佳事、奪人所愛、離人骨肉、辱人求勝、取人長銭、決水、放火、以行害人、迫脅尩弱。以惡易好強取強求虜掠致富、不公不平、淫泆傾耶、凌劣暴寡拾遺取、欺殆誰詐好説人、持人長短、招天援地祝詛求直假借不還、換貸不償、求欲無已、憎距忠信不順上命不敬所師笑人作佳、敗人菓稼、損人器物、以窮人用。以不清潔飲食他人、軽称、小斗、狭幅、短度、以偽雑真、採取奸利、誘人取物越井跨竈晦歌朔哭。此一句輙是一罪随事軽重司命奪其筭、算紀盡則人死、若算紀未盡而不自死殃及子孫也。
 抱朴子に曰く、禁忌の至って急なるは、傷つかず損なわざるのみ。易の内戒及び赤松子経及び河図紀命符を案ずるに皆曰く、天地に司過の神ありて人の犯す所の軽重に随いて、以てその算を奪う。諸々の算を奪うべきもの数百の事ありて具に論ずべからず。若乃、善を憎み殺を好み、口は是にして心は非に、異辞に背向し、真正に反戻し、その下を虐害し、その上を欺罔し、その事うる所に叛き、恩を受けて感ぜず。法を弄び賂を受け、曲に従い直を枉げ、公を廃し私の為にし、刑を無辜に加え、人の家を破り、人の宝を収め、人の身を害して人の位を取り、賢者を侵剋し、降れるものを誅し、服せるものを戮し、仙聖を謗訕し、道士を傷残し、飛鳥を弾射し、胎をさき、卵を破り、春夏に獠獦(りょうかつ)し、神霊を罵詈し、人に惡を為すを教え、人の善を弊し、人を減らし自ら益し、人を危うくして自ら安んじ、人の功を盗み、人の佳き事を壊ち、人の愛しむ所を奪い、人の骨肉を離し、人を辱めて勝つを求め、人に取って銭に長じ、水を決し、火を放ち、以て人を害することを行い、尩弱(わうじゃく)を迫脅し、惡を以て好に易え、強いて取り強いて求め、虜掠して富を致し、不公不平、淫泆にて邪に傾き、劣を凌し寡を暴(おか)し、遺を拾いて侈を取り、欺殆誑詐、好んで人に説き、私に人の長短を持り、天を招き地を援き、祝詛して真を求め、假借して還えさず、貸を換えて償わず、欲を求めて已むことなく、忠信を憎距し、上の命に順わず、師とする所を敬わず、人の佳を作せるを笑い、人の菓稼を敗り、人の器物を損し、以て人の用を窮しむ。清潔ならざるを以て他人に飲食し、称を軽くし、斗を小さくし、幅を狭くし、度を短くし、偽りを以て真に雑え、奸利を採取し、人を誘いて物を取る。井を越え、竈に跨り、晦歌し朔哭す。この一句は輒ちこれ一罪なり。事の軽重に随って司令その算紀を奪い、算紀尽れば則ち人死す。若し算紀未だ尽きずして自ら死せざれば、殃は子孫に及ぶなり。

 千金方云、養生之道莫久行久立久臥久坐久聴久視、莫悲愁、莫大歓、莫跳踉、莫多言、莫多笑、莫汲於所欲、莫情懐怨恨、皆損壽命、若能不犯則長生也。
 千金方に云う、養生の道は、久しく行るき、久しく立ち、久しく臥せ、久しく坐し、久しく聴き、久しく視ること莫かれ。再食する莫かれ。強いて食うなかれ。強いて酔うなかれ。重きを挙ぐるなかれ。憂思することなかれ。大怒するなかれ。悲愁するなかれ。大歓するなかれ。跳踉するなかれ。多言するなかれ。多笑するなかれ。欲する所に汲々たるなかれ。悁々として怨恨を懐くなかれ。皆壽命を損す。若し能く犯さざれば則ち長生するなり。

 又云、一日之忌、夜莫飽食一月之忌、暮莫使酔一歳之忌、暮勿遠行終身之忌、莫燃燭行房。
 又云う、一日の忌は夜、飽食するなかれ。一月の忌は暮れに酔はしむるなかれ。一歳の忌は暮れに遠行するなかれ。終身の忌は燭を燃して房を行うなかれ。

 又云、凡人心有所愛、不用深愛。心有所憎、不用深憎。並皆損性傷、神亦不可深讃、亦不可深毀、常須運心於物平等如覚偏頗尋即改正之。
 又云う、凡そ人の心に愛する所あるも、深く愛することを用いざれ。心に憎む所あるも深く憎むことを用いざれ。並べて皆、性を損し神を傷る。亦、深く讃むべからず。亦、深く毀(そし)るべからず。常に須べからく呼kろを運らし、物に於いて平等なるべし。如し偏頗なるを覚れば、尋いて即ちこれを改止せよ。

 又云、凡冬突き忽有大熱之時、复忽有大涼之時、皆勿愛之有患天行時、氣者皆由犯此。
 又云う、凡そ冬月に忽ち大熱の時あり、夏忽ち大涼の時あるも、皆これを愛ずるなかれ。天行、時気を患う者あるは、皆これに犯さるるに由るなり。

 又云、冬月天地閉血気藏、人不可勞作出汗。發泄陽氣損人。
 又云う、冬月は天地閉じて血気藏る。人、労作して汗を出すべからず。陽氣を発泄して人を損なう。

 又云、凡忽見龍虵勿與心驚恠之亦勿住意膽視忽視光恠變異事即強称勿恠之喭云、視恠不恠自壊也。
 又云う、凡そ忽ち龍虵を見て心を興し、これを驚恠するなかれ。亦、意を住めて眈視するなかれ。忽ち光恠変異の事見わるるも、即ち強いて抑えてこれを恠むなかれ。喭に云える、恠を見て恠まずんば、恠自ら壊するなり。

 又云、凡見姝妙美女慎勿熟視而愛之此當是魑魅之物、令人深愛也。無問空山曠野稠人廣衆皆亦如之。
 又云う、凡そ姝妙の美女に見いては、慎みて熟視してこれを愛するなかれ。これは当にこれ魑魅の物、人をして深く愛さしむるなり。空山、曠野、稠人、広衆を問うなく、皆亦、かくの如し。

 又云旦勿嗔忌、勿対竈罵詈、旦勿令髪覆面皆不祥勿煞竈虵、勿陰霧遠行、勿北向唾魁岡神凶、勿臈日哥舞凶、勿塞故井及水瀆令人聾盲。
 又云う、旦には嗔恚するなかれ。竈に対して罵詈するなかれ。旦、髪にて面を覆わしむるなかれ。皆不祥なり。亀虵を殺すなかれ。陰霧に唾するなかれ、凶なり。臈日に歌舞するなかれ、凶なり。故井及び水瀆を塞ぐなかれ、人をして聾盲ならしむ。

 本草食禁雑法云、勿煞竈令人短壽。
 本草の食禁雑法に云う、亀を殺すなかれ、人をして短寿ならしむ。

 養性志云、諸空腹不用見臰尸、尸氣入脾舌上白黄起口常臰(くさい)。
 養生志に云う、諸べて空腹にて臰尸を見るを用いざれ。尸氣脾に入り、舌上に白黄起こりて口常に臰し。

 又云、諸欲見死尸臰物皆須飲酒、酒能避毒氣。
 又云う、諸べて死尸、臰物を見んと欲すれば、皆飲酒を須いよ。酒は能く毒氣を避く。

 枕中方云、勿与人争曲直當減人算壽也。
 枕中方に云う、人と曲直を争うなかれ、当に人の算寿を減ぜん。

 又云、亥子不可唾。亡精失氣減損年命。
 又云う、亥子に唾すべからず。精を亡い、氣を失し、年命を減損す。

 又云、凡甲寅・庚辛日是尸鬼鏡乱精神躁穢之日也。不得与夫妻同席言語會面必須清浄、沐浴、不寝以警備之也。
 又云う、凡そ甲寅、庚辛の日はこれ尸鬼競乱し、精神、躁穢の日なり。夫妻ともに席を同しくし、言語、会面するを得ず。必ず清浄沐浴を須い、寝ずして以てこれを警備すべし。

 又云、三月一日不与婦人同処大凶。
 又云う、三月一日は婦人と同処せざれ、大凶なり。

 又云、八節日勿雑処。
 又云う、八節の日は雑処するなかれ。

 又云、勿以朔晦日怒。
 又云う、朔晦の日をもって怒ることなかれ。

 又云、勿以正月四日北向生煞。
 又云う、正月四日を以て、北に向きて生けるものを殺すなかれ。

 又云、四月八日勿煞伐草木。
 又云う、四月八日には草木を殺伐るなかれ。

 又云、勿以五月五日見血。
 又云う、五月五日を以て血を見ることなかれ。

 又云、勿六月六日起立。
 又云う、六月六日には起立するなかれ。

 又云、勿以七月七日念悪事。
 又云う、七月七日を以て悪事を念ずるなかれ。

 又云、勿八月四日市諸附足之物。
 又云う、八月四日には、諸々の足に附する物を市うなかれ。

 又云、勿九月起床席。
 又云う、九月に床席を起こすなかれ。

 又云、勿以十月五日罰貴人。
 又云う、十月五日を以て貴人を罰するなかれ。

 又云、勿以十二月晦日三日内不齋焼香念道也。
 又云う、十二月の晦日より三日の内を以て、齋せずして香を焼き、道を念ずることなかれ。

 朱思簡食経云、刀刃不得向身大忌令損人年壽。
 朱思簡の食経に云う、刀刃は身に向くることを得ざれ。大忌にて人の年壽を損なわしむ。

 養生志云、男夫勿跋井中、今古大忌。
 養生志に云う、男夫は井の中を跂(つまだ)つことなかれ、今古の大忌なり。

 又云、勿来横口舌。
 又云う、来たりて口舌を横にするなかれ。(勿かれは欠字であり補填)

 又云、諸得重鞭杖創及發背者産婦皆不用見之。
 又云う、諸々の重き鞭杖の創の背に発するに及ぶを得たる者は、産婦皆これを見る事を用いざれ。

 延壽赤書云、八節曰當齋心、謹言必以善事。慎不可以其日震怒及行威刑皆天人之大忌。
 延壽赤書に云う、八節の日は当に心を齋し、言を謹んで、必ず善事を以てせよ。慎んでその日を以て震怒し、及た威刑を行うべからず。皆、天人の大忌なり。

 養身経云、人有一不當、二不可、三愚、四惑、五逆、六不祥、七癡、八狂、不可犯之。
 養身経に云う、人に一の不当、二の不可、三の愚、四の惑、五の逆、六の不祥、七の癡、八の狂あり。これを犯すべからず。

 一不當吉日与婦同床一不當[今案周礼云、一月之吉。注曰吉、謂朔日也。]
 一の不当とは、吉日に婦と床を同じくするは一の不当なり。(今、周礼を案ずるに、一月の吉を云う、と。注に曰く、吉とは朔日を謂うなり、と。)

 二不可飽食精思一不可上曰数下二不可[今案尚書云、正月上日受終干。文祖孔安国云、上日朔日也。正義云、上日言一歳日之上也。]
 二の不可とは、飽食して精思するは一の不可なり。上日に下を数めるは二の不可なり。(今尚書を案ずるに、正月の上日に終干を受くるを云うならん。文祖孔安国が云うに、上日とは朔日なり、と。正義に云う、上日とは一歳の日の上を言うなり、と。)

 三愚不早立切一愚貧他人切二愚受人切反用作切三愚。
 三の愚とは、早く功を立てざる、一の愚なり。他人の功を貪る、二の愚なり。人の功を受けて反って用いて功と作す、三の愚なり。

 四惑、不早学道一惑、見一道書不能破壊二惑、悦人妻而賤已妻三惑、嗜酒数酔四惑。
 四の惑とは、早く道を学ばざる、一の惑なり。一の道書を見て破壊する能わざるは二の惑なり。人の妻を悦びて己の妻を賤むは三の惑なり。酒を嗜みて数酔うは四の惑なり。

 五逆小便向西一逆、向北二逆、向日三逆、向月四逆、大便仰頭、視天日月星辰五逆。
 五の逆とは、小便を西に向かってす、一の逆なり。北に向かってす、二の逆なり。日に向かってす、三の逆なり。月に向かってす、四の逆なり。大便しつ、仰頭して、天の日月星辰を視るは五の逆なり。

 六不祥、夜起裸行无衣一不祥、旦起嗔恚二不祥、向竈罵詈三不祥、挙足内火四不祥、夫婦晝合五不祥、盗恚師父六不祥。
 六の不祥とは、夜起きて裸行して衣ることなきは一の不祥なり。旦起きて嗔恚するは二の不祥なり。竈に向かって罵詈するは三の不祥なり。足を挙げて火に内るは四の不祥なり。夫婦昼合わるは五の不祥なり。師父を盗恚するは六の不祥なり。

 七癡、齋日食薫一癡、借物无功二癡、数貸人功三癡、吉日迷酔四癡、与人争言以身自詛五癡、両舌自誉六癡、詐欺父師七癡。
 七の癡とは、齋の日に薫を食するは一の癡なり。物を借りて功なきは二の癡なり。数人に功を貸るは三の癡なり。吉日に迷酔するは四の癡なり。人と言を争い、以て身自ら詛するは五の癡なり。両舌自ら誉むるは六の癡なり。父師を詐欺するは七の癡なり。

 八狂、私傳経誡一狂、得死罪怨天二狂、立功已恨三狂、吉日不齋四狂、怨父師五狂、讀経慢法六狂、同学仲義相奸七狂、欺詐自称師八狂。
 八の狂とは、軽誡を私伝するは一の狂なり。罪を得て天を怨むは二の狂なり。功を立てて己に恨むは三の狂なり。吉日に齋せざるは四の狂なり。父師を怨むは五の狂なり。経を読みて法を慢りにするは六の狂なり。同学の仲にて相い奸すは七の狂なり。欺詐して自ら師と称するは八の狂なり。


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