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ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。

温故知新

医心方 筆者 : 永松周二
 この言葉の大切さを改めてかみしめる事がありました。

 現代医学ではヒポクラテスの誓いという医の倫理を説いた文があり、医師会のHPでも掲げておられます。

 一方、東洋医学では、中国の「黃帝内経」という医学書が最も古いとされていますが、
日本ではその古典医書を集めて再編成した日本最古の医学書、「医心方」という書物があるのをご存じでしょうか?

 漢の皇帝の末裔が日本に帰化し、当時古典医籍と呼ばれた様々な医学書を集大成した物が984年天皇に献上されたのが「医心方」です。当時からこれだけの志を持った方がいて、人の生長老死に関わろうとするものには、初めにこの志が必要だという事を説いている事に、温故知新の大切さを感じています。

 現代の情報過多の中、身体に何かあれば病院へ行くと言う事が当たり前になっていますが、現代医学では部分毎に専門が分かれ、病の全体像が見えないだけでなく病気が治らない事も多くなってきています。

 例えば、肩が痛いと思ったときであれば、整形外科又は整骨院へ行きますよね。そしてその症状が改善しなければ病院のせいにして変えたりしませんか。それは延々とどこかの病院に通う事になりますよね、もしくは諦めたり行かなくなったりしますよね。

 私が今なぜこの「医心方」をお伝えしたいかというと、現代医学では人間を全て同じと考え、部分を詳細に数値化して比較する中で診ようとしますが、東洋医学ではその個人の身体全て、または生活の背景を含めた個人の瞬間を知ろうとし、身体全体の調和だけでなく、身体と心を調和させようとしてきた歴史があるからです。

 例えば、私が診た患者さんの中で、PTSDの方で頭が重いと訴えられた方がおられました。

 現代医学では各種検査などをして病名がつき、薬を処方されても、一瞬軽く感じておられたようですが、五年もの間本質的には変わらず、むしろ服薬量が多くなってどうして良いか分からない状態でした。

 私は東洋医学の鍼灸治療で、症状は頭にあっても、時には手、時には足に鍼一本打つだけで徐々に改善していく事が自覚的にも分かっていただけた方もいます。

  医療倫理、鍼灸、漢方、養生、房中術、食養など...人を診るということに関して様々な角度から言語化した膨大な情報量である為、その一端すらどこまで伝えられるかは分かりません。

 しかし、これから提示していく事柄があなたの気づきに少しでも刺激を与えられたらと考えていますので、私の「医心方」ワールドにお付き合いください。