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ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。

2015年度 一の会・東洋基礎医学講座(第1回) 2015.4.19

2015年度の東洋医学講座が始まりました。

今年度より、本会は「基礎講座」「臨床(応用)講座」「養生講座」の三部制になり、一の会・年会員の方はいずれの講座にも自由に参加していただけることになりました。


東洋医学の基礎をしっかりと固め、いかに臨床に応用していくかということを、この一年間、ともに学んでいきましょう。そして治療家として、人を治療するに相応しい身体を作るということは、洋の東西を問わず最も重要な部分です。日々の修練にぜひとも取り入れていただきたいと思います。


以下、講座の概要を報告いたします。


新年度第1回目ということで、新しい受講生の方が多数お見えになり、講師の面々にもいささか緊張感が漂っています。これから回を重ねるごとにみなさんと打ち解けていきますが、春のこの独特の緊張感はなんとなく心地の良いものですね。


1限目: 基礎医学でおさえておくべき点について  金澤代表

まずは金澤代表から「学ぶということ」は如何なることか。この講座において学ぶべきことの方向性が示されました。
「言葉」の持つ力、言葉により物事の概念は固定(規定)され、認識されるにいたる。言葉が存在しなければ、何かの概念を認識することはできない。認識できない=存在しないと同じことである。

したがって、東洋医学を学ぶにあたっては、まずは言葉(用語)の概念をしっかりとつかむこと。

しかし反面、言葉などの道具により物事を規定・固定化することにより、その本質からは遠ざかるということが示されました。物事はすべて流動的であること、『真理は、言外にある』=「荘子」内篇:応帝王篇にある、渾沌の話から解説が行われました。

学ぶとは、まずは言語をはじめとした道具を自由に使いこなせるように練習すること、そして「理」を積み重ね、その後「理」を離れる境地を目指すこと。「理」を離れ『道』に法れば、力は自由闊達・無限に発揮されると説かれました。



2限目:中医学から学ぶ東洋医学用語 『気・血・津液について』   稲垣学術部長


中医学が生まれた背景には、中国伝統医学を現代の主流である西洋医学に対抗させるため、その理論体系が整備されてきたという面があるそうです。

稲垣先生の中医学講義では、「言葉」の概念をしっかりとつかむべく、中医学用語の解説が行われます。中医学用語を自由に使いこなせるようになることは、また現代西洋医学的な世界観と東洋医学的世界観とをつなぐための架け橋にもなるであろうと。

まずは「陰陽で人体を考える」、生体を構成する要素を陰陽というツールを用いて分けていくことから、用語を使いこなす練習を行いました。




3限目:経絡学 『経絡とは何か / 経絡系統について Ⅰ』 西岡講師


昨年度までは受講生として、今年度からは講師としてご参加くださっています西岡先生。
「私はまだ初学者です。」とおっしゃる先生。もし今、国家試験に合格したばかりの自分ならどんな講義を受けたいだろうかと、丁寧に練りこんだ講義をしてくださいました。

今回は「経絡学」の第1回目、この講義の目標として、”経絡の概念・走行・流注の属絡部位、交会穴を学ぶことはもとより、自分自身の心・体や日常的に身の回りにある物事・事象と経絡の概念を結びつけて考えられるようになること”を挙げられ、経絡の意義・歴史・働きなどについての解説がなされました。



4限目:傷寒論から学ぶ六経病 『傷寒論とは何か』 稲垣学術部長


前年度一通り講義をされた傷寒論について、今年度も稲垣先生の鋭い切り口が楽しみです。
湯液家(漢方薬を用いた治療)の聖典である傷寒論を学ぶことは、鍼灸治療において大きな意義があります。方剤を用いた治療と同じことが鍼灸を用いても行えるからです。

張仲景の生きた時代、親族を多数亡くすこととなった傷寒という病から人々を救うべく、様々な古典から広く方を採ったとされている傷寒論。
その傷寒論に収められた方術に対し、陰陽や六経を用いて理解していこうとする試みです。
難解ではありますが、必ず臨床に役立ちます。こつこつと、取り組んでいきましょう。



5限目:臨床実技―基礎理論と実技 『四診実技理論の俯瞰』 金澤代表



四診(望診・聞診・問診・切診)を用いて、つかみたいことは何か?
答えは「気の偏在」という一点に集約されます。それを前提に、四診におけるポイントを解説されました。西洋医学は”客観性”を重視しますが、東洋医学においては術者の主観および患者の主観が診断・治療に非常に重要性を持ちます。

さらに、気血の状態を捉えるだけではなく、その状態が何を表現しているのか、つまりは人間相互の理解が非常に大切であるということを、臨床例を交えて示されました。



6限目:治療家の身体作り 永松副代表


この講義では、煉丹術の中の内丹法・小周天を練習していきます。まずは腹式呼吸と、動作・イメージを一致させ、清気を練り、丹田から労宮へつなぐ練習。
また、ちょっとしたことで気のバランスが大きく変わることを皆で体験しました。

治療家が、人の治療を行うためにはそれに相応しい体を作らなければなりません。
「医は病まず」を体現するため、永松先生の身体学で学んだことを日常に生かしていきましょう。


永松先生の'技'に驚きの声が上がります
皆で確かめてみましょう










代表、他スタッフも楽しんでいます

次回、「一の会・東洋臨床医学講座」は4/26(日)です。
(「養生講座」は4/25(土)に行います。)