ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。

100.太陽病(下)143条 刺期門

一四三条

婦人中風、發熱惡寒、經水適来、得之七八日、熱除而脉遲、身涼、胸脇下滿、如結胸語者、此為熱入血室也。當刺期門、隨其實而取之。九。

婦人中風、發熱惡寒し、經水(けいすい)適(たまた)ま来る、之を得て七、八日、熱除きて脉遲、身涼しく、胸脇の下(した)滿ちること結胸狀の如く、讝語する者は、此れ熱血室に入ると為すなり。當に期門を刺すべし、其の實するに隨って之を取る。九。

 例によってまず意訳します。

 婦人が脉浮緩、頭項強痛、自汗の中風証に罹って悪寒発熱していた。

 ちょうどその時、たまたま来潮して7・8日が経過した。

 熱は退いて脈も数から遅脈となって、身体も涼しく感じるようになった。

 ところが結胸証のように胸脇の下が満となり、讝語するようになった。

 これは熱が血室に入ったためである。

 このような場合は、実している期門を刺すべきである。

 

 病理機序から解説すると、太陽病では発汗解肌すべきところ、たまたま来潮してしまったために自然瀉法となってしまい、邪の一部が内向してしまったのでしょう。

 脉も遅となり熱も除かれて身体が涼しく感じるのですから、一旦は表証を離れていると考えても差し支えないと思います。

 さらに7・8日経過しているのですから、月経も止まったことにより逐次正気の回復も始まる頃です。

 そうしますと内向していた邪気と正気が対抗して、結胸のように胸から脇の下にかけて満となってしまったのですね。

 しかも讝語まで現れるようになって来ましたが、すでに退熱しているので陽明腑実や陽明経証の讝語ではない。

 これは、熱が血室に入ったためであると説明されています。

 この血室、筆者は子宮が思い浮かぶのですが、血に関係する衝脉・肝の臓でもいいかと思いますが、下焦の熱が心神を犯して讝語する様子が想像できます。

 次回、144条にも、血室が出て参ります。

 本条も併せて読み進めたいと思います。