ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。

164.太陰病 279条 桂枝加芍薬湯 桂枝加大黄湯

【二七九条】

本太陽病、醫反下之、因爾腹滿時痛者、屬太陰也、桂枝加芍藥湯主之。大實痛者、桂枝加大黄湯主之。三。

本(もと)太陽病、醫反って之を下し、爾(そ)れに因りて腹滿し、時に痛む者は、太陰に屬するなり。桂枝加芍藥湯(けいしかしゃくやくとう)之を主る。大いに實痛する者は、桂枝加大黄湯(けいしかだいおうとう)之を主る。三。

 太陽病に罹って医師が下したくなるような腹満・便秘があったのでしょう。

 そして医師が誤って下しをかけたところ、腹満して時に痛むようになってきたのですね。

 そこで桂枝湯に芍薬を倍加した、桂枝加芍薬湯です。

 この桂枝加芍薬湯は、小建中湯から膠飴を去ったものです。

 74.太陽病(中)102条と小建中湯の方意

 太陽と太陰の併病と言ったところでしょうか。

 そしてその痛み方が厳しいものは、桂枝加大黄湯で下すとあります。

 恐らく太陽病に罹って、「先表後裏」すべきところを誤って下法を用いて後、桂枝加芍薬湯証になるものは、素体が虚の傾向。

 桂枝加大黄湯になるものは、素体が実の傾向にある者との違いによって生じるのでしょう。

 大黄は、「結毒を通利する」のですから、瀉下剤だからです。

 下図は腹証奇覧翼のものです。

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 図を大きく掲載していますので、図中の注釈も併せて読んで頂けたらと思います。

 せっかくですから、桂枝湯方、改めてご覧頂けたらと思います。

 11.太陽病(上)桂枝湯の方意

 280条は、原文と読み下し文のみの掲載です。

 太陰病は、これで終わりです。

 次回からは、少陰病に入って参ります。

 

〔桂枝加芍藥湯方〕

桂枝(三兩去皮) 芍藥(六兩) 甘草(二兩炙) 大棗(十二枚擘) 生薑(三兩切)

右五味、以水七升、煮取三升、去滓、温分三服。本云桂枝湯、今加芍藥。

桂枝(三兩、皮を去る) 芍藥(六兩) 甘草(二兩、炙る) 大棗(十二枚、擘く) 生薑(三兩、切る)

右五味、水七升を以て、煮て三升を取り、滓を去り、温め分かち三服す。本(もと)云う、桂枝湯に今芍藥を加うと。

 

〔桂枝加大黄湯方〕

桂枝(三兩去皮) 大黄(二兩) 芍藥(六兩) 生薑(三兩切) 甘草(二兩炙) 大棗(十二枚擘)

右六味、以水七升、煮取三升、去滓、温服一升、日三服。

桂枝(三兩、皮を去り) 大黄(二兩) 芍藥(六兩) 生薑(三兩、切る) 甘草(二兩、炙る) 大棗(十二枚、擘く)

右六味、水七升を以て、煮て三升を取り、滓を去り、一升を温服し、日に三服す。

 

【二八〇条】

太陰為病、脉弱、其人續自便利、設當行大黄、芍藥者、宜減之、以其人胃氣弱、易動故也(下利者先煎芍藥三沸)。

太陰の病為(た)るや、脉弱、其の人續(つづ)いて自ら便利す。設(も)し當に大黄、芍藥を行(や)るべき者は、宜しく之を減ずべし。其の人胃氣弱く、動じ易きを以ての故なり(下利する者は先ず芍藥を煎じて三沸す)。