ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。

活動報告ー6月 臨床医学講座

 梅雨の中休み、日差しが清々しい天候となりました6月24日。

 もうすっかり恒例の、大阪・南森町にあります大阪医療技術学園専門学校の教室をお借りしての臨床医学講座レポートです。

 

 今年の『一の会』のテーマ。

 「祝由」

 「移精変気」

 「言霊」

 について、座長 稻垣先生がまず前振りを。

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 <病>は現象として現れているのであり、その<背景>こそが、解決すべき問題であります。

 人間を丸ごと捉え、ダイナミックに気を転じ、人生を明るく健やかに生きていくための鍼灸医学。

 『鍼道 一の会』が目指している医療が、次第に具体的な象(かたち)を現し始めています。

 

 そして今回の冒頭、時事講義。

 すでに名コンビとして絶大なる人気の「ハル&ゼッキー」こと、尾関克哉先生(健志堂 院長)とアシスタントの古賀晴美先生による「PEP TALK」についての講義。

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 PEP=ペップとは、元気づける・励ますことです。

 このポジティブな言葉を用いて、患者の「魂」を揺さぶる。

 言葉を「言霊」に変えてしまう、魔法の様な術を開示してくださいました。

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 患者との信頼関係を構築する基本は、まず「受容」と「傾聴」。

 耳+目と心、すべてを駆使して「聴く」。

 その意味はこの文字の指し示す通りであると。

 

 鍼灸医学の世界に入る前は中学校の教師をされていた尾関先生。

 その鮮やかな講義の流れに、筆者もいつの間にか引き付けられ、気がつけばどっぷりと浸かっていた…という感覚でした。

 さすがです! 

 いやそれだけではありません、患者のことを考えに考え、考え抜くという熱い思い。その「思い」こそが伝わってきたというべきでしょう。

 この場で書き切れないほどの、豊富で実践的価値のある講義内容でした。

 

 続きましては、「鍼道 一の会」2年目の永濱先生による脈診術講義。

 朴訥とした語り口調に、今や秘かにファンになったおられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

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 まず、三人の方に「目を閉じてください」と。

 いきなり手渡されたのは、なんと子供さんのおやつのゼリー。

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 そして、お三方それぞれが触れて感じたことを表現していただきました。

 脈は、望診のように目で見て共有することが出来ません。

 個人個人が主観的に感じ取るものです。

 表現方法は異なるものの、同じものを見ている…

 おぉ~、なんと素晴らしい導入! と、筆者金澤は感じ入ってしまいました。

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 脈は目に見えないだけでなく、自分の感じ取ったものが正しいかどうか、確かめようがありませんよね。

 そのために、せっかく自分が感じ取ったものに自信が持てず、苦慮しておられる方がたくさんいらっしゃると思います。

 このハードルを一気に超える試みでした。

 

 そしてこの「感じ取ったもの」を、より確かなものにするには、脉理をもって意味付けし、問診や腹診など、他の証候と照らし合わせることを積み重ねれば、自ずと達人になることが出来ます

 このあたりの事は稻垣座長が講義してくれました。

 また、教科書的な脉理を、どのような着眼点をもってすれば、生命を捉える生きた脈診術となるのかを、あらゆる角度から解説して頂きました。

 

 お昼の休憩を挟み、午後からは実際に脈診実技を行います。

 休憩時間、稻垣流といって差し支えない独自の診法としての脈診術に関して、筆者の疑問などを交えながらしばし稻垣座長と歓談。

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 これねぇ、画期的な脈診術が出来上がるかもしれませんよっ!

 皆様にも開示できる日が、必ずやって来るでしょう。

 

 そして始まりました、実技タイム。

 ひたすら脈を診ます。もちろん必要とあらば他の証候も確認します。

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 実技は毎回、みなさま生き生きと盛り上がります!

 

 これまでの脈診の印象は、

 「難しい」

 「私には無理」

 「今まであまり診たことがない」などなどのネガティブなものだったのが、

 ↓↓

 「心から楽しいと思えるようになった」

 「脈理をイメージすればいいんだ」

 「これから積極的に人の脉に触れたい」

 「脈みて分からなくても続けてみる気持ちになった」などなど。

 実技の後、参加者のみなさまから筆者の元に、次々とポジティブメッセージが届けられました!

 

 手首の橈骨動脈の、たった一寸五分の小さな世界に、その人のすべてが表現されている……あらためて、脉診のすばらしさを思わずにはいられません。

 

 また稻垣座長が申しておりました、「変化の中にある、変化しないもの」

 そこにこそ、解決しなければならない問題の本質があると。

 これは、腹診、背診、原穴診すべてについて言えることです。

 脈ほど速く変化はしないものの、鍼をするたびに動くところと、頑固に動かないところが必ずと言って良いほど在ります。

 我々は、そこにその人の信念、あるいは過去の何かが現在に渡って存在していることを暗示していると考えます。

 

 筆者は、実技中に数人の方に鍼をさせていただきました。

 そして脈の変化だけでなく、気色や身体の変化を共有することが出来ました。

 

 会を終えて、一番楽しんでたのは筆者自身ではないかと思えるほどの充実感。

 参加者の方も同じように感じて下さってるのではないでしょうか(*^^*)

 

 参加者の皆様、そして実技室をお貸しくださっています大阪医療技術学園専門学校の関係者の皆様、今回もありがとうございました。

 

 

 次回『鍼道 一の会』東洋基礎医学講座は7月8日、臨床医学講座は7月22日です。

 

 『鍼道 一の会』は、自由自在に気を扱える、高度なプロ鍼灸師を目指す集団です。

 ご興味のある方は是非、『場の気』を感じにお越しください。

  『鍼道 一の会』についてのお問い合わせは、事務局 大上(おおがみ)まで

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