ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。

活動報告ー9月基礎医学講座

 あれほどの猛暑はすっかり影を潜め、台風に地震と自然界は大きく荒れていますね。

 被災された方々には一日も早い復興を願うばかりです。

 ここ大阪も、あちらこちらで台風の爪痕が残っておりますが、こうしていつも通りの生活を送れることに感謝しつつ、しっかりと、自分達の為すべきことをして参りましょう。

 

 9月9日、雨の降る中「鍼道 一の会」基礎医学講座を開催させていただきました。

 

 冒頭は、永松副代表による「易学」講義。

 こんな時こそ この方の元気さ、そして声の大きさに救われる思いがいたします。

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 これまでに、混沌→太極→四象…と解説をされました。

 この「四象」を先ず日常で応用する方法として、人間関係を例にとり、解説してくださいました。

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 さらに、これら四象を臨床に応用すると、どのようなことが見えてくるのかを、腹診を用いて解説して頂きました。

 

 「鍼道 一の会」では、理論の講義はもちろん行いますが、受講者の方々には、これらを踏まえて自分の個性が生きる自分流を築き上げていただくことを目指しております。

 いわゆる「紋切り型」の人材育成でないのが当会の理念のひとつです。

 

 難解な易学、金澤自身も苦戦して参りました。が、いつしか点だったものが線となり、面となり、ルービックキューブの反対側がどうなっているかが見える...そんな日が来ることを楽しみに、みなさま励みましょう。

 

 続きましては、江見木綿子先生による「臓象学」

 今回は、歴代の医家による諸説が入り乱れた「心包」と「三焦」です。

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 心包と三焦の概念を、陽維脉・陰維脉とも関連させ、練りに練った江見先生独自の考えを披露。

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 なかなかひとつにまとまらないもどかしさ。

 しかし最終的には、その時々の臨床像に最もフィットする概念を用いるとすれば、なにも概念はひとつでなくても良いのではないか、という結論に至りました。

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 臓腑の太極という視点に立ち、気・血・水と病邪の兼ね合いによって表現されているその時々の病証に、最も適した概念を用いて認識し、治療するのです。

 

 どちらも「名ありて形無し」と言われる心包と三焦。

 歴代の医家たちが紛糾したほどの難しい領域に、江見先生、良く取り組んでくださいました。参加者の皆様もそれぞれに何かを持ち帰っていただけたのではないかと思います。

 

 そしてお昼の休憩と、気持ちを切り替えるためのリフレッシュ。

 永松副代表による身体学「六字訣」を皆で実践した後、午後からは江見先生と新妻先生によります「経絡学」。

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 デビュー当初は表情も硬く、どことなくぎこちない感じがしていました新妻先生。次第にお顔もほころんで肩の力も抜けて来た感じです。

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 経絡流注は漢文そのまま、参加者のみなさまお一人お一人に、順次声に出して読み下して頂きます。(江見先生が付き添ってくださいますので、安心です)

 学生の方も、よどむことなくスラスラと読み下せるようになっておられましたね。

 素晴らしいです。

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 実は、現代解剖学に基づく経絡流注よりも、曖昧な表現がなされた漢文流注の方がイメージが拡がり、自由な発想が生まれる余地が大きいのです。

 ですから、「鍼道 一の会」では、遠回りなようですが、それぞれが感じたことや発想がドンドン広がっていく漢文流注を採用しています。

 

 そして本日の講座もいよいよ大詰め、稻垣座長による「一の会式・東医理論」。

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 今回は、「五臓」概念についての講義でした。

 中医学では、年を追うごとに詳しく精密な記述が書き加えられているが、それによって反って本来の五臓の本質が見えにくくなるという弊害を生じていると。

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 要は、ひとつの臓に関しては、この一点さえ押さえておけば良い。あとは気の動きを軸にイメージしていけば、臓の本質をとらえた上で十分臨床に応用することが出来ると、従来からの主張を力説。

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 さらに、気・血・水について。

 血を外して「気」「水」概念だけを用いても、病理機序さえ明らかに出来れば、瘀血を除くすべての「血」概念は後から導き出されると。

 鍼灸師は、「気」を扱うのですから、例えば血虚であっても、気を動かして生体が自ずと血を生み出すように気を動かすことこそが主眼となるはずであると。

 湯液治療が得意とする「補血」も、結局は同じ事が言えると、生薬の効能を交えながら解説されました。

 例えば、補血剤の代表格である地黄も、結局は漏れている血を止めることにより、結果として補血になっているに過ぎないのであると。

 

 このような視点で人体の生理を説いている医家は、恐らく他には居ないのではないでしょうか。

 「目からうろこが落ちたよう」と表現される臨床家の先生もいらっしゃいました。  

 

 予定時間いっぱいとなり、最後の身体学はお預けとなりましたが、

 次回の臨床医学講座では、永松副代表による「永松流」を開示していただきます。

 かつて筆者金澤は、永松副代表と出会い、その「触れ方」に非常に感銘を受けたのです。触れ方ひとつで、相手の反応も変わりますし、伝わってくる情報の質と量が大きく変わります。

 参加者全員、永松先生の手ほどきをうけます。

 さてさて、次回もまた盛りだくさんの一日になりそうです。^^

  

 

 次回、『鍼道 一の会』東洋臨床医学講座は9月23日(日)です。

(大阪・南森町の大阪医療技術学園専門学校実技室をお借りして、開催させていただきます。)

 

 『鍼道 一の会』は、随時入会を受け付けております。

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