ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。

第7期 2020年度 講座参加者募集

 本年4月より、カリキュラムを新たに致しまして、7期目の講座を再スタートさせます。

 教科書や中医書、その他の文献で学び、臨床で用いようとして立ちはだかるのが、「気」をどのようにとらえて鍼を施すのかという問題です。

 本来、目に見えないはずの「気」を捉えて術を施す、認識論と方法論を並行して講座を進めて参ります。

 我々が目指している本来の鍼灸医学は、内経医学に基づいた道術としての医学です。

 今回は新たに講師として川村淳子先生が加わり、日常なじみのある話題から医学につなげ、患者さんのお役に立つ話題を提供する予定です。

 加えて、術者は先ず何よりも、自分自身が元気でなければなりません。

 今期も、健志堂・院長,尾関克哉先生による身体学は、術者の身体感覚に重点を置き、鍼の効果を最大限に引き出すコツを、実際に参加者の皆様相互で確認しながら進めて参ります。

 稻垣座長をはじめ、各講師陣も講座内容の装いも新たに、昨年度よりさらに充実度が高まっております。

 各講師のコメントは以下をクリックしてください。

 みなさま、奮ってご参加ください。

 

www.iori-hermitage.jp

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2020年度 第7期募集要項

 

 

感情の取り扱い方 活動報告―1月基礎医学講座

 2020年最初の基礎医学講座では、かねてより要望がありました「七情」をメインに取り上げました。

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 七情とは、人に備わっている感情です。その過不足が病因となりうることを、約2000年前に著された<素問・陰陽応象大論>で説いています。

 

 すごいですよねぇ、ストレス学説よりはるか以前に、すでに ”感情が人を害する” ことを見抜いているのですから。

 

 感情というのは大きな「気」、すなわちエネルギーですので、感情を表現する(=出す、発散する)ということは、我々の医学概念で表現すると自己瀉法=自然瀉法です。

 

 正気が充実しておりますと、感情表現=発散すると「快」となります。

 

 これは七情に限ったことではなく、汗・小便・大便なども、身体から出す際には快感を伴うことは、みなさまも経験がおありでしょう。

 

 しかし七情過多となり、むやみに感情を出しすぎると、瀉法が過ぎるので次第に正気は弱ってきます。

 汗や下痢が止まらないと、いずれ生死にかかわりますよね。感情も同じです。

 

 また逆に七情を抑え込むと、身体内部において気(エネルギー)がうっ滞しますので、非常に苦しい状況を招来します。

 例えが適切でないかもしれませんが、大小便を出さないで我慢し続けるのと同じ状況と考えてくだされば、これもまた深刻な病につながりますよね。

 

 また、感情を抑えることは、胸を閉じることにもなります。

 胸が閉じてしまうと腹の中の代謝も悪くなり、様々な邪気を生じることとなります。

 さらに、胸が閉じると感情は出て行かない代わりに入っても来なくなります。

 言うなれば「こころ」に蓋をした状態と言えるでしょうか。

 結果、深刻な場合は顔から表情が消え、鬱になったり閉じこもるようになったりします。

 

 この感情の過不足は、喘息やアトピー、また癌や脳神経疾患など、多くの病の根底にひっそりと隠れるように存在しています。

 

 そしてこの七情問題が根深く絡んでいる場合、治療をしてもなかなか根治しません。

 

 なぜなら、この七情問題を解決できるのは、その人(本人)以外に無いからです。

 

 東洋医学では、この問題を「四診」を用いて認識し、治療を行います。

 治療により改善する事例も多くありますが、根本的な解決にならない場合もあります。

 

 では、どうするのか。

 まず治療者自身がひとりの人間として、自分自身の問題と向き合うことです。

 その経験を元に、患者本人が問題解決へと向かえるようサポートするのです。

 

 今回の基礎講座では、参加者自身が自分とどのように向き合っているのかを開示し合いました。

 いわば、自分自身のトリセツといったところでしょうか。

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 随分、なごやかな雰囲気となり、あっという間に時間は流れて参りました。

 

 ***

 

 最後に、この「感情」について、筆者なりの見解を開示したいと思います。

 

 感情は、いわば自然現象と考えます。

 風が吹けば水面にさざ波が立つことと同じです。

 この自分の中に湧き起こった感情は、時間と共にまた元の状態に鎮まるのが自然です。

 が、実際はそうならない場合も少なからずありますね。

 いつまでも自分の中をぐるぐる回っているばかりでなく、場合によってはさらに大きくなって嵐になることだってあります。

 

 このさざ波を嵐にまで育て上げるのは、観念と思考です

 (分かったかのようなこと書いてますが、実はこれ仏法の教えです。)

 

 現代社会、特に日本では、感情をあらわにすることはネガティブな事としてとらえられがちですが、この感情こそが人の生き生きさでもあります。

 また、この感情のやり取りにより、人と人との気の交流が深まります。

 

 円滑な感情、和するということは、一体どういうことなのでしょうね。

 

 東洋医学には、終始という思想があります。

 いつまでもその時の思いや感情にしがみつくのではなく、季節が移ろうように流れて行くのを善しとします。

 このあたりのことは、<素問・上古天真論>で『恬惔虚無』という一言で表されています。

 もう少し深く知りたいと思われる方は、ブログ『鍼灸医学の懐』をのぞいてみてください。

上古天真論(一)-天寿を全うする(1)

黄帝内経 素問
 
 





 

『鍼道 一の会』東洋医学講座のご案内

鍼道 一の会

 

 

第1回:東洋医学の世界観 公開動画 全6回

 公開した動画の日付を見ますと、2013年となっていますのであれからかれこれ約7年の歳月を経たことになります。

 視聴者数は1万を超えており、筆者自身非常に驚いているような状況です。

 この度、やはりあの全6回の東洋医学理論の動画が今も一番だとおっしゃって下さる経年受講の先生からお言葉を頂きまして、これはひとつにまとめて掲載しておくべきだと考えるに至りました。

 今から致しますと、筆者自身拙い内容との感もあり、赤面するところもありますが、少しでも皆様のお役に立つのであれば幸甚です。

 お気づきのところやご意見などがございましたら、お聞かせくださると今後の励みになります。

 どうかみなさま、よろしくお願いいたします。

 

第1回東洋医学の世界観

 

 

 

活動報告ー12月 臨床医学講座

 事務局の大上です(*^^*)

 何と半年ぶりの活動報告です。

 実は今年の6月に、「鍼道 一の会」の活動拠点としておりました「いおり鍼灸院」は、新たに『一の会 鍼灸院』と改称、治療院も移転して再出発いたしました。

 引越に伴う諸々ありまして、しばらくブログをお休みしておりましたが、「鍼道 一の会」は地道にコツコツと活動を続けておりますよ!

 

 12/15は今期第9回目の臨床医学講座。

 いつもの 大阪医療技術学園専門学校 の実技室をお借りして開催いたしました。

 

 今回のお題は、

 「”肝気虚”は存在するのか?~検証してみよう!臓腑弁証全体を見渡そう~」

 

 前回12月8日の基礎医学講座で浮き彫りになった課題に、オチをつけようという試みでした。

 臓腑弁証のイロハから、上級者向けの内容まで、稻垣座長ががっつりとしゃべって下さいました!

 

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 以前の基礎講座で、「目から鱗を落とします!」と宣言したものの失敗に終わった経緯もあり、、座長、かなり気合が入っていました(*^^*)

 

 詳しいことはお伝え出来ませんが、(会員の皆さんはぜひ動画を見てくださいね!)

 眼から鱗落としにはほぼ成功したのではないかな?と、大上は感じました。

 

 そして、広くて深くてややこしい…ように見える東洋医学の世界は、極限まで極めるとまたやさしい『一』にもどってくるのだなぁと、改めて感じたのでした。

 

 ***

 

尾関先生の身体学

午後の身体学 今回は「マインドフルネス」について



 今回は、講義が大いに盛り上がったため、その後の実技は1時間ほどしかとることが出来ませんでしたが、わずかの時間をフルに活用して、皆さん熱心に実技に取り組んでくださいました。 

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 最後に、これは何でしょう?↓^^↓

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 前回12/8の基礎医学講座、身体学で取り上げた「両眼視」「ビジョントレーニング」のためのツールです(*^^*) ブロックストリングスというそうです。

 ハル&ゼッキー(@健志堂)のハルさんこと古賀晴美先生が、スタッフおよび受講生全員のために手作りしてくださいました!

 すっごく可愛いんです♡ハルさんいつもありがとうございます!

 

 他にも、以前 講師を務めてくださった川越凌太先生(今は広島でご活躍中です)の突然のご来訪があったり、

 愛媛から通ってくださっていた元会員さん(現在、出産・育児のためお休みされています)からの超絶美味しい有機栽培ミカンの差し入れがあったりと、

 

 令和元年締めくくりの講座は、嬉しいことが満載の一日になりました!

 

 受講生の皆さん、ブログ読者のみなさん、今年も一年お世話になりありがとうございました。

 来たるべき年も、さらに充実し、よりよい内容を提供できますよう努めてまいります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 みなさまどうぞ良いお年を、お迎えくださいね!

 

 最後になりましたが、いつも会場をお貸しくださってます 大阪医療技術学専門学校 関係者の皆様、本日も ありがとうございました。

 

 【次回の基礎医学講座は 令和2年1月12日、臨床医学講座は 1月26日に開催いたします。】

 

 

『鍼道 一の会』は、自由自在に気を扱える、プロの鍼灸治療家を目指す集団です。

 ご興味のある方は是非、『場の気』を感じにお越しください。

  『鍼道 一の会』についてのお問い合わせは、事務局 大上(おおがみ)まで

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四診概論(1)

 四診といえば、望んで、聞いて、問うて、触れてと、いわゆる望・聞・問・切の事だとは、おおよそこの業界の人であるなら、だれでもが知りえていることだと思います。

 この四診の目的は何か?

 最終的には、証を決定して補瀉に集約していく手順であることは、周知のとおりです。

 では気の医学として観た場合はどうでしょう。

 術者と患者は、生命をたずさえた人間同士です。

 一連の行為は、ふたつの生命の間を流れる「気」の交流です。

 四診は、単に情報収集のためにのみ行うものではなく、患者と治療者の気の交流を通じて、徐々に心理的距離を縮める手順だともいえるのではないでしょうか。

 これは何も医学の世界だけでなく、日常生活で人と人との出会いの場合も同じではないでしょうか。

 おおよそ初めて治療所に訪れる患者は、期待と不安がないまぜになっているものです。

 術者自身が、医療機関を受診した時を振り返って頂けたらと思います。

 この四診を通じて、術者と患者との間に、安心と信頼を構築することこそが、四診の第一義だと「鍼道 一の会」では位置付けています。

 

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活動報告ー5月 臨床医学講座

 

 事務局の大上です(*^^*)

 5月26日、今年度第2回目の「鍼道 一の会」東洋臨床医学講座を開催させていただきました。

 

 5月というのに真夏のような暑さでしたね。大阪の最高気温は30度超を記録したようですが、何と北海道では40度近くまで上がったとか。

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 近所のおばちゃんが、「こんなに急にあつなったら、身体がついていかへんわぁ~」ってぼやいてました。

 若い時はあまりそんなこと思わなかったのですが、私も年を取るにつれ、暑さ・寒さに『身体が付いて行かへん』って こういうことなのかと、実感するようになってきました(;^_^A

 

 皆様、体調管理には気をつけましょうね。

 そして、外界の変化に対して〝柔軟に対応できる〟身体を目指したいものです。

 

***

 

 さて今回の臨床講座、当初は「望診」を取り上げる予定だったのですが、

 今年度初参加の方々が相次いで体調を崩されるなどで欠席となったため、

 

 急遽、ちょっと上級者向けの内容となりました。

 

 テーマは、「脈診(稻垣流)」 にまつわるエトセトラと言いましょうか、

 稻垣座長が、これまでの臨床の中で培ってきた脈診術について。

 

 過去の「鍼道 一の会」東洋医学講座の中でも何度か取り上げてきましたが、

 稻垣流脈診、現在は〝ver.5〟くらいになっているそうです。

 現在のバージョンに至るまで、どのような変遷の過程をたどったのかについてもお話しいただきました。

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 座長のお話しを聞いているうちに、ある言葉が私の頭の中でリフレインされていました。

 「信じるな 疑うな 確かめよ」

 

 これは、ヨガの教えの中にあるそうなのですが、まさに座長がそれを体現していると感じました。

 

 古典などに書かれていることを鵜呑みにするのではなく、頭から否定するでもなく、淡々と追試して確かめたことを自分のものにしていく。

 

 座長曰く、「自分の試行錯誤ぶりには、我ながら呆れること多々」とのことですが。

 (一部から”〇態”との評価もあります 笑)

 

 未体験のみなさん、もしご興味があれば ご一緒に稻垣流を探検してみませんか?(*^^*)

 

***

 

 そしてお昼休憩の後は、いつものようにペアを組んでの実技の時間。

 なのですが、今回は その前に少し尾関先生の「治療家のための身体学」を。

 

 前回の基礎講座で習った4スタンス理論を、もう少し深めていただきました。

 自分と相手の身体の使い方のタイプを知ることで、診察(切診)や治療する際、また患者さんのサポートをする際に役立つのだそうです。

 

 タイプ診断って、皆さん盛り上がりますね。

 (大上はビデオ撮りに専念していたため、写真が撮れていないのが残念です。)

 

 次回6月9日の基礎講座「身体学」のキーワードは、
 「クンバハカ」
 「中村天風(先生)」
 「丹田式呼吸」
 「呼吸操練」

 だそうです!

 会員のみなさん、少ーし予習してきてくださいとのことです。

 

***

 

 そして最後は実技の時間。

 みなさん、今日習ったことをいろいろと試しておられました。

 

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 皆様、お疲れさまでした。

 

 最後になりましたが、いつも会場をお貸しくださってます 大阪医療技術学専門学校 関係者の皆様、本日も ありがとうございました。

 

 次回の基礎医学講座は 6月9日、臨床医学講座は 6月23日です。

 

 

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活動報告ー5月 基礎医学講座

5月6日に立夏を迎え、暦の上では夏となりましたね。

 

先日5/12、汗ばむような陽気の中、開催いたしました「鍼道 一の会」東洋基礎医学講座。

ご参加いただいた方の中にも、半袖やノースリーブの方が見受けられました。

 

まずは江見木綿子先生の「臓象学」&「経絡学」から始まりです。

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今回の臓象学は「大腸の腑」と「胃の腑」、

経絡学は「手陽明大腸経」と「足陽明胃経」でした。

受講生さん達とともに形作られていく〝江見ワールド〟

今回も楽しく繰り広げられました(*^^*)

 

経絡学では、流注の漢文を読んでいただいていますが、経年受講者さん達は もうかなり慣れてきておられて、スラスラと読み下してくださいます。

また、既に臨床現場で活躍されている受講者さんから、「理解していたつもりでいたけれど、新しい発見や気づきがあります」との声が寄せられています。

 

お昼休憩をはさんで、尾関克哉先生の「身体学」

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先生 「こんにちは!」

皆さん「こんにちは・・」

先生 「あれ?元気ないですね? もう一度!こんにちは!!」

皆さんんにちは!!!

 

私(大上)にとって、ふだんの尾関先生のイメージは ほんわかとした〝なごみ系男子〟なんですが、

やはり学校の先生ですね。前に出た途端、別のスイッチがあるかのようにモードチェンジされます。

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ワイワイと賑やかに楽しく♪ そして真剣に。

詳しい内容はヒミツですが、ぜひ多くの方に体験していただきたい授業です。

 

続きましては、稻垣座長の「一の会式・東医理論」。

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今回は〝目から鱗が落ちる?〟お話。

前方のスクリーンに映し出された生薬事典(中医臨床のための中薬学)を用いて、逆引きのように東洋医学的な治療全体を俯瞰してみようというお話でした。

 

稻垣座長曰く

皆さんの目から鱗を落とすのには失敗したかもしれない…(;^_^A」とのことでしたが、

座長の引き出しの多さ、その内容の豊富さにはいつも感嘆してしまいます。


いやぁー、東洋医学って、ほんっとに 奥が深いですね!(水野晴郎さん風に)


ご参加くださいましたみなさま、

ありがとうございました。

 

 

 次回『鍼道 一の会』臨床医学講座(第2回)は5月26日、東洋基礎医学講座(第3回)は6月9日、です。

 

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活動報告ー4月 臨床医学講座

 季節が逆戻りしたかのような寒さでした。

 4/28日曜日、天気は晴朗なれど気温低し…といった気候の元、今年度初の臨床医学講座を開催いたしました。

 

 2019年度も、臨床医学講座は、南森町の「大阪医療技術学園専門学校」の実技室をお借りして開催させていただきます。ありがたいことです。

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 午前中は、稻垣座長による弁証学総論。

 

 「医学」というからには、理を以て筋道を立て、矛盾なく、

 患者の表現する様々な症状に内在する 病の本質 を捉える 必要があります。

 

 これを「証概念」と称します。

 そのために、望・聞・問・切といった四診を駆使するのです。

 

 そして治療を行う前に、治療者は治療後の患者の状態を予測し、心内に描けていなければなりません。

 もし、自分の予測通りの結果が得られなかった場合、どこに診立て違いがあったかを明確にし、そこからさらに汲み出せるものに気づくためです。

 

 また同時に、なぜここに1本の鍼を立てるのかを、矛盾なく整然と説明できる必要があります。

 医学なのですから。

 

 今回の臨床医学講座では、まず「八綱」の内、「表裏・寒熱・虚実」(=六変)の意義と使い方について講義。

 

 鍼灸学校の学生さんから、「これは脾虚だ」とか「腎虚だ」など、いきなり臓腑弁証してるかのような発言を耳にすることがありますが、先ずはこの六変弁証を行うことが、基本中の基本になります。

 

 その上で、必要であれば気血弁証、病邪弁証へと進み、さらに必要であればそれらを踏まえた上で臓腑弁証へと、微に入り細に入っていくのです。

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 会場参加の方々からの質問も相次ぎ、午前中は休憩なしで2時間半の講義となりました。

 

 そして午後からは、実際の症例を用いて弁証の手順を解説の後、問診術実技に入ります。

 まずは参加者それぞれの身体の状態を「一の会」カルテに記入していただき、相互にカルテを交換してスタート。 

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 患者の訴えを、そのまま共感を持って聞くのは〝聞診〟に相当します。

(これはこれで、患者の治神に必要なことです)

 

 一方、問診というのは、

 証を得るため、患者から意図的に身体情報を引き出す術法です。

 

 意図的に情報を引き出すには、基礎医学が十分に身についている必要がありますので、初学の方には大変難しく感じられたかもしれません。

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座長をはじめ、経年受講者がサポートします。

 

 インターネットなどで、アンケート形式でチェックを入れると、自動的に体質や証を割り出せるようなものがありますが、実際の臨床では用いることは出来ません。

 

 本来の東洋医学は、そのようなあらかじめ想定された型に、人を当てはめるような医学ではないからです。

 

 例えば、「疲れやすい」という一所見を得ても、

 季節や天候、場所や場面、時間帯、またどのようなことをすれば「疲れやすい」のか?など。

 様々な角度から意図的に問うことによって病の本質に迫ります。

 

 ひとりひとりのオーダーメイド医学とでも言いましょうか、

 自在に思考と技と術を扱える、それが東洋医学の世界です。

 

 初学者の方には、基礎医学の重要性を再認識して頂けたのではないかと感じています。

 

 参加者の皆様、お疲れさまでした。

 

 次回の基礎医学講座は 5月12日、臨床医学講座は 5月26日です。

 

 

『鍼道 一の会』は、自由自在に気を扱える、プロの鍼灸治療家を目指す集団です。

 ご興味のある方は是非、『場の気』を感じにお越しください。

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2019年度 - 年会員用 : 臨床講座の動画・配布教材アドレス集

 

以下は、『鍼道 一の会』東洋臨床医学講座の2019年度・年会員用コンテンツへのリンク集です。
会員の利便性のため、このブログに掲載しております。

(リンク先へのアクセスは、2019年度の会員様のみ可能です)

 

● 配布教材置き場【Google ドライブ「一の会2019」

 

 動画・第1回(2019年4月28日開催)
  • 四診理論<四診と弁証~問診~>前編】【後編】(講師:稻垣順也)
  • 四診実技(講義部分のみ)【問診】(講師:稻垣順也)

 

 動画・第2回(2019年5月26日開催)

 

動画・第3回(2019年6月23日開催)
  • 四診理論<望診~「色」を中心に、証を考えてみよう~>

  【前編】【後編】(講師:稻垣順也)

 

 動画・第4回(2019年7月28日開催)
  • 四診理論<舌診~望診の基礎を踏まえて~> 

  【前編】【後編】(講師:岡田悠作・稻垣順也)

  【補足】~臨床におけるコツ~ (講師:金澤秀光)

 

動画・第5回(2019年8月25日開催)
  • 四診理論<脈診~「総論」および「稻垣流」を含む~>

  【前編】【後編】(講師:稻垣順也)

 

動画・第6回(2019年9月22日開催)
  • 四診理論<脈診~「稻垣流」その人体観と運用法について~>

  【前編】【後編】(講師:稻垣順也)

 

動画・第7回(2019年10月27日開催)
  • 四診理論<切診(原穴診)~原穴の状態から気血津液弁証を考えてみよう~>

  【前編】【後編】(講師:稻垣順也)

 

動画・第8回(2019年11月24日開催)
  • 四診理論<切診(腹診)~腹証による「証」の鑑別~湯液・生薬を絡めて>

  【前編】【後編】(講師:稻垣順也)

 

動画・第9回(2019年12月15日開催)
  • 一の会式・東医理論<「肝気虚」は存在するか?~検証してみよう!臓腑弁証全体を見渡そう~>

  【前編】【中編】【後編(臨床論)】(講師:稻垣順也)

 

動画・第10回(2020年1月26日開催)
  • 時事講義<声を大にして伝えたい 心と体の根っこの話>
    前編】【後編】(講師:尾関克哉)
  • Basic Seven~講義&実践~】 (講師:尾関克哉)
    ※JCCA(一般財団法人 日本コアコンディショニング協会)開発メソッド