ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。(当ブログ内の一切の著作権は一の会に在ります。流用される方はご一報ください。)

筆者 : 金澤秀光

肝の臓象ー結語

中医学では、肝気鬱結という概念があるが、そもそも肝の臓は鬱するのが肝の仕事である。 なぜならば、昇発するためには一旦溜める=鬱することが必要であるからである。 天人相応的に考えると、腎陽によって蒸された気が立ち上るのはいわば自然なことで、発…

胆の臓象

胆の生理機能は臨床上、非常に重要であるにも関わらず、中医学的解釈は極めて西洋医学的であり、鍼を握るものにとっては、あまりにも心もとない薄っぺらな内容である。 一の会では、気機を主る中心的な臓腑としては、肝の臓よりもむしろ胆の腑を重要視してい…

四季と人体(5) 五節句ー弥生の節句

今回は3月3日、弥生の節句について川村淳子先生が、内経医学の自然と人間との関りという視点から講義してくださいました。 3月3日といえば、女の子のお祭り・ひな祭りがピンと来られる方も多いと思います。 元々は紀元前300年頃、中国で行われていた…

腎の臓象

基礎医学講座で、臓象学を講義している江見先生のイメージでは、腎の臓はダンベルが想起されるという。 一身の重心が丹田であることを思えば、至極当然なのであるが筆者はやはり三才の大地がイメージされる。 そして腎の陰陽の消長を考えるときに、天の気と…

四季と人体(4)五節句ー人日

我々が内経医学に触れる際には、当時の人の目に世界がどのように映っていたのだろうと思いを馳せながら学び進めるのが、個人的意見ですが順当であるように思います。 古代人は自然の移ろいに寄り添うように生きていました。 自然界に逆らっては、生きていけ…

膀胱の臓象

膀胱募穴・中極、心募穴・巨闕。 位置関係を天地陰陽・心腎相交の時空間で観ると面白い。 大腸募穴2穴・天枢。 小腸募穴1穴・関元。 中極と巨闕の間にある天枢・関元。 これを時空間と臓象をからめて観ると、何かが観えて来ると思うのです。 もう少し広げて…

小腸の臓象

小腸の扱いは、中医学的にはわずかに触れられているのみである。 しかしながら心の臓との表裏関係に目をやると、それだけでは収まらない重要な働きがある。 穀道の腑はご承知の通り、胃→小腸→大腸という流れである。 しかし足陽明に存在する下合穴は、大腸の…

意念 中る弾と中らない弾

意念って書くと、なんか怪しい感じがする方もいらっしゃるでしょう. ですが、フトした時に感じる人の視線や何となくピ~ンと来る感じなどは、この飛んできた意念をみなさま、感知してると思うのですよね。 いかがでしょうか。 このことについて、興味深いお…

五臓と五神

五臓に内包されているといわれている、魂・魄・意・神・志の五神。 この五神は、五臓それぞれの生理機能の現れであるのですから、いわば臓象学の範疇に属しますね。 この五神の働きを、五臓の生理特性を背景に稻垣座長が具体的に解説しています。 するとどう…

観る側と観られる側

前回、「見ると変化する経穴」ということを書きました。 なぜこのような現象が起きるのかを続けて書いて参りたいと思います。 この原理は、非常に簡単なことであります。 私たちの日常でも、だれにどのように見られるかによって、気持ちや態度を変えませんで…

見ると変化する経穴

臨床に携わっていると、触れるだけで相手が次々と変化していく状況を体験されてる方も多いと思います。 触れて変化が遅いところや変化しないところが目付どころとなったりするのですが、それはさておいて。 ある時、足三里の左右差の大きな方がいらっしゃい…

四季と人体(3)五節句

今回は五節句と避邪について。 節句は、節供ともいわれ、神と共に食す行事食の意味合いがあるそうです。 神道で神と人が一緒になって自然の気を取り入れる「直会(なおらい)」という行事がそうですね。 人が無病息災で生きていく願いと季節の節目に行う行事…

百会の対極…失眠穴

百会の対極といえば会陰に当たるのですが、場所的には使えませんよね。 では空間を体幹部から手足にまで広げてみればいいわけですよね。 百会と手の井穴は共に陽極です。 すると会陰は、足の井穴としたいところですが、足底が位置的に最も下位になります。 …

百会と坊主頭

頭を丸めて意識するようになったのが、一般の方もよくご存じの百会です。 少し前からシェーバーでさらにスキンヘッドにしてからは、より一層百会の存在を意識するようになりました。 筆者の百会と申しますのは、河童のお皿のように広い範囲です。 天使の輪と…

髪の毛の意味するところ

表題を、「髪の毛の意味するところ」としてますが、このお話は治療者として「気を感じる」という点に絞って思うところを書いてみたいと思います。 筆者は、今月62歳になるのですが、還暦を迎える前に当たって「なんとなく」丸坊主にしました。 ですので頭…

心の臓象

先天の元気は腎に蔵されていると言う。 <素問・宣明五気篇>では、心は神を蔵すと記されている。 さて、この神をそのまま中医学的に解釈しても良いのだろうか? 素問・上古天真論では七損八益論が展開されているが、これは腎を太極軸にして論じられたもので…

五行と蔵象について

五行が最も早く表れたのは、尚書(書経)・洪範であるとされている。 (おおよそ紀元前5世紀以降の書であるとされている) 以来、世界のありとあらゆる現象の奥に潜む気の働きをとらえるためにこの五行論が、いわゆる百家争鳴のように用いられ論じられてきた…

五行と気味

五行とは、みなさまご存知のように、木・火・土・金・水ですね。 そして四季を通じて天の気は、生・長・化・収・蔵します。 一方、地の気である、酸(収)・苦(降)・甘(緩)・辛(散)・鹹(軟)は、天の気と真逆に作用します。 なぜ天の気と地の気は相反…

脾の臓象

脾の臓は、後天の元気の源であるため非常に重要な臓であるが、卦を見ると坤地である。 このことから脾の臓に陽気は存在せず、常に心腎の陽気によって生理機能が営まれていると理解することが出来る。 つまり、円滑な心腎(神志)相交によって受動的に生理機…

四季と人体(2)24節気

昔の人は季節の変化をあらかじめ知るために暦を使っていました。 暦の有益な使い方は様々ありますが、我々東洋医学を行っている者にとっても必要不可欠なものです。 季節の移ろいや天気の状態によって体調や病気・症状が様々に変化する方が実際にいらっしゃ…

胃の臓象

内経医学では、「胃の気」を重視しているが、中医学ではその概念がすっぽりと抜け落ちている。 「胃の気」に関しては、「一の会」四診実技理論の教科書で詳述しているので、いずれ公開したいと考えています。 経絡的には、足陽明胃経上に大腸・小腸の下合穴…

大腸の臓象

肺と大腸は表裏関係であることは、どなたも十分ご承知のことだと思います。 では、上焦に位置する肺の臓と、下焦に位置する大腸の腑の生理的整合性をどのように捉えるかが重要なことになって参ります。 しかも手の陽明大腸経は主に、上焦に流注していながら…

肺の臓象

肺の臓は、植物の葉に象られています。 葉と言えば、風で揺らぎます。 風と言えば、肝の臓ですね。 風は、寒熱の気が交流する際に生じます。 まるで連想ゲームのようですが、このように気の動きを先ずはイメージできるようになることが肝要です。 また『気一…

 臓象とは

臓象とは 東洋医学における五臓の概念は、いわゆる「臓器」とは全く別のものであり、「気」を象徴的に描いたものであり、実体の無いものであるという点を、まずはしっかりと認識する必要があります。 黄帝内経を読み解き臨床に応用するには、すでに易学・陰…

四季と人体(1)導入

この度、「鍼道 一の会」基礎医学講座の内容の一部を公開いたします。 内経医学は、天人合一・天人相応思想がその基本中の基本でありまして、伝統医学に法ってこの医学を行おうとするに際しては、暦は必須のものとなります。 この暦を元にしてあらかじめ予測…

局所治療をしない理由

この投稿は、2020年5月に行いました「鍼道 一の会」基礎医学講座で、筆者・金澤がお話しした内容です。 表題は、「局所治療をしない理由」としておりますが、症状は表に現れて来た現象に過ぎないわけです。 現象を引き起こした原因というものが、必ず存在す…

コロナ治療の経済性

ウイルスといえども生物ですから、殺される側からすれば何とか生き延びようとするのは、ある意味当然です。 細菌だってそうです。 殺され続けると、そのうち耐性菌が現れるのはすでに既知・周知のことです。 それでも薬剤での殺菌一本やりがやめられないのは…

コロナの治療

コロナですが、新型といわれてますが、東洋医学的には新型も旧型も無いのですねぇ。 これまで巷で流れてる症状をずっと見てきたのですが、治療に関しては、傷寒論的病態把握と治療法で十分対応できるなと。 風寒の外邪が襲ってると。 この風寒の邪の勢いと素…

症例検討 3月 臨床医学講座(1)

3月1日は今期第12回目の臨床医学講座。 世はまさに、自粛ムードに突入しようかという状況の中、いつもの 大阪医療技術学園専門学校 の実技室をお借りして開催いたしました。 (この時期、まだ他の教室でも、セミナーやっておられるところありましたねぇ) 午…

膝陽関穴 考(4)完結 沢田流「鍼灸治療基礎学」から

資料画像は、昭和の時代を席巻しました澤田流、「鍼灸治療基礎学」(医道の日本社)からです。 順番に見て行きましょうか。 先ず紫線のところです。 <甲乙経に「禁じて灸すべからず」> <医学入門に「鍼を禁ず」> <甲乙経に「禁じて灸すべからず」> <…