一源三岐理論と重ねてみると、足の三陰三陽と一源三岐理論は、腎の陰陽の基本的機能が足の三陰・三陽でどのように展開しているのかを述べていることがわかる。
さて、この開・合・枢理論をいかにして臨床に応用するかということが重要になってくるが、必要とされるのは、理論を具体的事例にまで落とし込むことである。
そこで開とは、ひらいて何を解放するのか。
合とは、何をあわせて維持するのか。
このようなことを明確にする必要がある。
そこでまず足の三陽である。
開である足太陽は、体表・背面から、余分な陽気の発泄を主る。
合である足陽明は、陽気が漏れないように体内・腹面に固摂することを主る。
枢である足少陽は、その時々の環境・状況変化に適応すべく、またその軸になることを主る。
人体は、環境や取り入れる飲食物の性質などにより、まるで扉が開閉するように足太陽から陽気を発泄(開)し、足陽明に固摂(合)するのである。
イメージとして枢というのは、ドアの蝶番に相当する。壁が陽明でドアが太陽である。
以下のようにまとめると。
太陽 開 体表・背面を主り、陽気を発する。
陽・天・覆 陽明 合(闔) 体内・腹面を主り、陽気を内れる。
少陽 枢 開合の調節役、要となる。
枢は、太陽と陽明にしっかりと密接に関係し、その機能を全うする。
その密接度を経絡的に見ると、体幹部では一目瞭然であるが、下肢の経絡流注もまた拡大解釈すると面白いものが見えてくる。