6月14日(日)、梅雨時期に入りムシムシとした天気が続く中、今年度第3回目の『一の会・東洋 基礎 医学講座』が行われました。
以下、スタッフ大上が概要をレポートいたします。
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金澤代表 「人間理解と探求の医学」 |
1限目:中医学から学ぶ東洋医学用語 『五藏について』
稲垣学術部長
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稲垣順也 先生 |
前回の基礎医学講座では、陰陽論を生体に適用することで生まれた理論の解説がありました。
それに引き続き、今回は五行説から観ていきます。
「五臓」という概念がどのようにして生まれ発展してきたのか、また『黄帝内経・素問』各論に記されている、五季・五味・五志などの持つ意味合いから「五行」と「五藏」の関連について解説されました。
2限目:経絡学 『大腸経流注 / 陰陽五行論と経絡の関係』
西岡講師
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西岡利子 先生 |
質問の内容をシェアしていただき、皆で考えることが出来たと思います。
今回のテーマは「手陽明大腸経」
正経・経別・絡脈・経筋について、随所に前回(肺経)の復習を取り入れながらの講義を行っていただきました。
流注は繰り返し繰り返し覚えることはもちろん、蔵象との関連付けや漢字の成り立ちなどから様々なイメージを膨らませていくことで、自分の手の中に入ってくるのだと思います。
西岡先生自身も、この講義を担当するようになってからますます新たな発見があり、深いところに気づくようになったと仰っています。
3限目:傷寒論から学ぶ六経病 『太陽病について』
稲垣学術部長
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「傷寒論」は面白いですねぇ |
中国医学における三大古典の一つとされる「傷寒論(傷寒雑病論)」を学ぶことは、鍼灸師にとって必須であることは既にお伝えしている通りです。
今回より、いよいよ各論に入っていきます。まずは『太陽病篇』。
外邪に侵される最初の段階である太陽病とは、いかなる病態であるか。
基礎中医学的解釈に加え、臨床で見られる特徴的な症状・脈の状態などについての解説。
さらに生薬学的解釈として、太陽病に対し用いられる方剤に特徴的な「桂枝」と「甘草」について、それらがどのように作用するのかを「傷寒論」の条文から幾つかの例を挙げて解説していただきました。
4限目:臨床実技―基礎理論と実技 『八綱と補写論』
金澤代表
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鍼の妙は補瀉に尽きる |
「現在の私の状態を"卦"で表すと、これです」→

臨床医学講座において易学を学んでおられる受講生の皆さんには、察しがつかれることと思います。
ますます絶不調、真っ只中の金澤代表。今日も吠えます。
午前・午後の先生方の講義に関して、補足と私見を述べられた後、今回のテーマである「補瀉と八綱概念~因と果と縁の法則」へ。
補瀉の極意・命題とは何であるか。
何を目的に、何を補い、何を瀉すのか。
何を目的に、何を補い、何を瀉すのか。
毎回のように説かれていますが、ここでも「陰陽」の用い方について、固定的に捉えずいかに柔軟に用いるかがポイントであることについて触れられました。
続いて八綱概念について。
弁証論治(辨証施治)を行う上で最も基本となる概念・綱領であり、特段意識せずとも呼吸が行われているがごとく、身につけておくべきであると説かれました。
「気」の扱い方を習得するため、時にはゲームのような楽しさも取り入れつつ、参加者同士の交流も図ってくださいます。
今回のテーマは「迎而奪之、追而済之」だそうです。
筆者・大上には、実は何のことやらさっぱりわからないのですが、受講生の皆さんそれぞれに"何か"を掴んで下さったようです。