ブログ『鍼道 一の会』

『鍼道 一の会』は、「福祉への貢献」を目的に、「伝統医学」を規範に、「鍼灸」を手段に、「大阪市」を本拠地に据え、活動を続けている団体です。(当ブログ内の一切の著作権は一の会に在ります。流用される方はご一報ください。)

効能はツボ(経穴)に在らず

 

 

5月10日より、オンライン講座という形ではありますが、今年度も『鍼道 一の会・東洋医学講座』を開始することが出来ました。

 

『鍼道 一の会』の長期的な目標の一つには、「鍼灸に関する普遍的な法則の発見と報告により、業界に対して貢献する」というものが有ります。

 

ただ、それを成し遂げるためには、会の中で共有しておくべき鍼灸観が有ると私・稻垣は考えておりましたので、初回の冒頭は、以下のような話をしてみました。

 

それは、「『背中を押す』という行為が『応援する』というような意味を持つためには、前提として、押される相手が直立二足歩行で、意識的、あるいは無意識的に、前進したがっていなければならない」という話です。

 

他方で、もしその相手が、プールでクロールを行っている途中の人であったとしたら、その時、「背中を押す」という行為は、一体どのような意味を持つでしょうか?

それは、相手を水の底に沈めて、その泳ぎをむしろ妨害するような効果を発揮してしまいますよね。

 

今度は、もし相手が、二足で直立していたところ、突然、後方へ倒れ始めたとしたらどうでしょう。

「背中を押す」という行為は、相手の体を支え、負傷を防ぐ効果を発揮するかも知れません。

けれど、もし相手が前方へ倒れ始めていたとしたら、「背中を押す」という行為は、むしろ、負傷を増悪させる原因となってしまいますね。

 

どこかのツボに鍼やお灸をして身体各所に起こる反応も、これと同じことだと稻垣は考えます。

鍼やお灸によって望ましい効果を得られるかどうかは、鍼や、お灸や、ツボに備わっている効能が一方的に決めることではなく、それを受ける人やツボが「現在どのような状態にあり、そこから更にどのようになろうとしているか」が左右することである、と。

 

もちろん、人体の構造や、ヒトという動物の生態や、現代人の生活習慣などの影響により、多くのケースでメリットを得やすいツボというのは存在すると思います。

同時に、少ないケースでしかメリットを得られないツボというのも存在するでしょう。

一方で、そのようなメリットを得にくいツボを巧みに押さえていかなければ治せないという人も、きっと存在するのです。

 

そういった中で、目の前の人にとって必要なツボを、確率に頼ることなく、的確にあぶり出すには、どうすれば良いのでしょうか。

稻垣なりの解答は、先に書いた通りです。

目の前の人が「現在どのような状態にあり、そこから更にどのようになろうとしているか」を、“ 鍼灸にとって必要な形で ” 明らかにすること……それが第一に必要なはずなのです。

そのための方法論は、「鍼灸に関する普遍的な法則」のベースとなっていくことでしょう。

 

今年度も、私・稻垣は、「鍼灸のための診察術」の完成度の向上に努めてまいります。

 

『鍼道 一の会』は、自由自在に気を扱える、プロの鍼灸治療家を目指す集団です。

 ご興味のある方は是非、『場の気』を感じにお越しください。

  『鍼道 一の会』についてのお問い合わせは、事務局 大上(おおがみ)まで

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